チェコ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠フランチシェク・ヴラーチル監督による1967年の映画『マルケータ・ラザロヴァー』が、7月2日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
13世紀ボヘミア王国を舞台に宗教と部族間の抗争に翻弄される少女マルケータを描いた本作は、アンドレイ・タルコフスキー監督作『アンドレイ・ルブリョフ』、黒沢明監督作『七人の侍』などと並び評され、1998年にはチェコの映画批評家とジャーナリストを対象にした世論調査で史上最高の映画に選出された。
「過去の出来事をなぞるのではなく、歴史の内側を直感的に捉えたい」という監督の強い執念から、衣装や武器などの小道具を当時と同じ素材・方法で作成し、極寒の山奥で当時と同じように生活しながら548日間にもわたるロケーション撮影が行われた。また、制作には10年がかけられ、二度と作ることのできない空前の超大作が、公開から55年の時を経て日本初劇場公開となる。
原作はチェコでは知らぬ者がいないという、ヴラジスラフ・ヴァンチュラによる同名小説。衣装を『アマデウス』でアカデミー賞を受賞したテオドールピック、音楽をヤン・シュヴァンクマイエル作品など多くの映画音楽を手掛けるズデニェク・リシュカが担当した。
ポスタービジュアルは、修道女となることを約束されていた主人公マルケータの数奇な運命を示唆するようなシーンを使用し、綿密にして大胆、崇高で獰猛なエネルギーに満ちた作品でありながらも、誰かによって語られた寓話のようなイメージを表現する。世界各国で作られるビジュアルとは異なる日本オリジナルのデザインであり、本ビジュアルが発表されるのは史上初となる。
『マルケータ・ラザロヴァー』
2022年7月2日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:フランチシェク・ヴラーチル
原作:ヴラジスラフ・ヴァンチュラ
脚本:フランチシェク・パヴリーチェク
出演:マグダ・ヴァーシャーリオヴァー ヨゼフ・ケムル フランチシェク・ヴェレツキー イヴァン・パルーヒ パヴラ・ポラーシュコヴァー
配給:ON VACATION
【ストーリー】 舞台は13世紀半ば、動乱のボヘミア王国。修道女となることを約束されていた少女マルケータは、領主とは名ばかりの父・ラザルと敵対する盗賊騎士コズリークの息子・ミコラーシュと恋に落ちる。彼女の心とは裏腹に、増大する王権に対抗するふたつの氏族間の衝突は激化していく…。
© 1967 The Czech Film Fund and Národní filmový archiv, Prague