【第94回アカデミー賞受賞結果】『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞!『コーダ あいのうた』が作品賞ほか3冠!

第94回アカデミー賞の授賞式が3月28日(日本時間)に米ロサンゼルスで開催され、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞した。作品賞にはシアン・ヘダー監督の『コーダ あいのうた』が選ばれた。

▼『ドライブ・マイ・カー』全国公開中 ©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

日本映画の国際⻑編映画賞(旧称:外国語映画賞)受賞は、2009年の滝田洋二郎監督作『おくりびと』以来となった。村上春樹の短編小説を映画化した『ドライブ・マイ・カー』は、妻を失い喪失感のなかで生きる男と、寡黙な専属ドライバーが一筋の希望にたどり着くまでを描く。本作は作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門で候補となり、作品賞と脚色賞へのノミネートは日本映画として初の快挙となった。

作品賞に輝いた『コーダ あいのうた』は、家族の中でたった一人の“健聴者”である少女とその家族の成長物語。本作はトロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞し、男性のろう俳優として初めてオスカーを獲得。脚色賞(シアン・ヘダー)にも選ばれた。

▼『コーダ あいのうた』全国公開中 © 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

主演男優賞には『ドリームプラン』のウィル・スミス、主演女優賞には『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン、助演女優賞には『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズが選出。最多12の賞にノミネートされていた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は監督賞(ジェーン・カンピオン)を獲得し、脚本賞はケネス・ブラナー監督作『ベルファスト』が受賞した。

本年度は、SF大作『DUNE/デューン 砂の惑星』が撮影賞ほか最多6冠という結果となった。長編アニメ映画賞はディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』に贈られた。

以下は、受賞結果。(★は受賞作品・受賞者)

■作品賞
『ベルファスト』
★『コーダ あいのうた』
『ドント・ルック・アップ』
『ドライブ・マイ・カー』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ドリームプラン』
『リコリス・ピザ』
『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

■監督賞
ケネス・ブラナー『ベルファスト』
濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』
ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』
★ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
スティーブン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』

■主演男優賞
ハビエル・バルデム『愛すべき夫妻の秘密』
ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アンドリュー・ガーフィールド『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』
★ウィル・スミス『ドリームプラン』
デンゼル・ワシントン『マクベス』

■主演女優賞
★ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』
オリヴィア・コールマン『ロスト・ドーター』
ペネロペ・クルス『Parallel Mothers(英題)』
ニコール・キッドマン『愛すべき夫妻の秘密』
クリステン・スチュワート『スペンサー ダイアナの決意』

■助演男優賞
キアラン・ハインズ『ベルファスト』
★トロイ・コッツァー『コーダ あいのうた』
ジェシー・プレモンス『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
J・K・シモンズ『愛すべき夫妻の秘密』
コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

■助演女優賞
ジェシー・バックリー『ロスト・ドーター』
★アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』
ジュディ・デンチ『ベルファスト』
キルスティン・ダンスト『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アーンジャニュー・エリス『ドリームプラン』

■脚本賞
★『ベルファスト』
『ドント・ルック・アップ』
『ドリームプラン』
『リコリス・ピザ』
『わたしは最悪。』

■脚色賞
★『コーダ あいのうた』
『ドライブ・マイ・カー』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ロスト・ドーター』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

■撮影賞
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『マクベス』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

■編集賞
『ドント・ルック・アップ』
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ドリームプラン』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』

■美術賞
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『マクベス』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

■音響賞
『ベルファスト』
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

■衣装デザイン賞
★『クルエラ』
『シラノ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ナイトメア・アリー』
『ウエスト・サイド・ストーリー』

■メイク・ヘアスタイリング賞
『星の王子 ニューヨークへ行く2』
『クルエラ』
『DUNE/デューン 砂の惑星』
★『タミー・フェイの瞳』
『ハウス・オブ・グッチ』

■視覚効果賞
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『フリー・ガイ』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

■作曲賞
『ドント・ルック・アップ』
★『DUNE/デューン 砂の惑星』
『ミラベルと魔法だらけの家』
『Parallel Mothers(英題)』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

■歌曲賞
「Be Alive」『ドリームプラン』
「Dos Oruguitas」『ミラベルと魔法だらけの家』
「Down to Joy」『ベルファスト』
★「No Time To Die」『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
「Somehow You Do」『フォー・グッド・デイズ』

■国際長編映画賞
★『ドライブ・マイ・カー』(日本)
『FLEE フリー』(デンマーク)
『The Hand of God』(イタリア)
『ブータン 山の教室』(ブータン)
『わたしは最悪。』(ノルウェー)

■長編アニメ映画賞
★『ミラベルと魔法だらけの家』
『FLEE フリー』
『あの夏のルカ』
『ミッチェル家とマシンの反乱』
『ラーヤと龍の王国』

■短編アニメ映画賞
『Affairs of the Art(原題)』
『Bestia(原題)』
『ボクシングバレー』
『ことりのロビン』
★『The Windshield Wiper(原題)』

■短編実写映画賞
『Ala Kachuu – Take and Run(原題)』
『The Dress(英題)』
★『The Long Goodbye(原題)』
『On My Mind(原題)』
『Please Hold(原題)』

■長編ドキュメンタリー賞
『Ascension(原題)』
『Attica(原題)』
『FLEE フリー』
★『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
『Writing With Fire(原題)』

■短編ドキュメンタリー賞
『オーディブル:鼓動を響かせて』
『私の帰る場所』
★『The Queen of Basketball(原題)』
『ベナジルに捧げる3つの歌』
『When We Were Bullies(原題)』