「あなたは本物?」高熱を出した男が妄想と現実の間を行ったり来たり!『インフル病みのペトロフ家』予告編

『LETO-レト-』などで知られる、ロシア演劇界の鬼才にして気鋭の映画作家キリル・セレブレンニコフ監督が、大ベストセラー小説を映画化し、カンヌを驚かせた最新作『インフル病みのペトロフ家』が、4月23日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

ソヴィエト崩壊後、2004年のロシア、エカテリンブルグで、インフルエンザが流行する中、主人公のペトロフは高熱にうなされる。妄想と現実の間を行ったり来たりするうちに、次第にペトロフの妄想は、まだ国がソヴィエトだった子供時代の記憶へと回帰していく…。映画は、ロシア社会への強烈な風刺を孕みながら、妄想と現実の境目が曖昧な原作の世界観そのままに、セレブレンニコフ監督らしい型破りな芸術的感性と刺激的なアクションに彩られ、強烈なインパクトに溢れた一編。いくつものプロットが絡み合い、頻繁に幻覚のトリックにすり替わっては次々に展開され、熱に浮かされたような刺激的な映像体験をもたらす。どのように撮影されたのか気になってしまうほど複雑な⻑回しショットや、めくるめく場面転換は必見だ。

予告編は、MANGA(漫画)を描くのが好きな主人公ペトロフがインフルエンザで咳き込むシーンから始まり、やがてそれは息子へ感染し、妄想の世界へ。男たちの銃殺シーン、図書館での衝撃的アクション、2004年のロシアと1976年のソヴィエト、“雪むすめ”の格好をした謎めいた女性、妻ペトロワの叫び…不穏な世界観を彩るのは、ダークな歌詞と複雑なライムが特徴的なロシアの人気ラッパー・Huskyの楽曲「Revenge」とヴィヴァルディの「四季〜冬」。「驚異的だ!」(New York Magazine)、「幻覚的⻑回しはソクーロフ、ブラックユーモアはタランティーノだ!」(Le Journal du Dimanche)というコメントも映し出され、本作の刺激的な魅力が凝縮された映像になっている。

『インフル病みのペトロフ家』
2022年4月23日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:キリル・セレブレンニコフ
原作:アレクセイ・サリニコフ「Петровы в гриппе и вокруг него(インフル病みのペトロフ家とその周囲)」
出演:セミョーン・セルジン チュルパン・ハマートワ ユリヤ・ペレシリド
配給:ムヴィオラ

【ストーリー】 ソヴィエト崩壊後のロシア、エカテリンブルグ。インフルエンザが流行している。ペトロフは高熱にうなされ、妄想と現実の間を行ったり来たり。やがてその妄想は、まだ国がソヴィエトだった子供時代の記憶へと回帰していく。

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