80年代初頭の旧ソ連で“自由、音楽、恋”を追い求めた若者たちのひと夏『LETO -レト-』予告編&場面写真

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、「カンヌ・サウンドトラック賞最優秀作曲家賞」を受賞した『LETO -レト-』が、7月24日より公開される。このほど、本作の予告編と場面写真がお披露目となった。

本作は、ロシアの伝説的バンド「キノ」のヴォーカルであるヴィクトル・ツォイと、彼の音楽的才能を見出したロックシンガーのマイク・ナウメンコ、そしてその妻ナターシャの3人をモデルに、ペレストロイカ目前のレニングラードで純粋に“自由”と“音楽”を追い求めた若者たちのひと夏を描く青春ドラマ。

予告編は、T・レックスの楽曲「20th Century Boy」とともに、モノクロの世界にいたずら書きのようなペイントが施された、刺激的かつユニークな映像から始まる。あり余るエネルギーを発散させようと浜辺で歌い踊る姿や、電車で血を流しながらも何かを訴えるように歌う姿など、「イカれた若い奴らのパワーにはかなわない」という台詞に相応しい若者たちが映し出される。さらに、別の男性が気になっていると恋人に打ち明ける自由奔放な女性、その言葉に対して「俺たちは自由な関係だ」と余裕を見せるロック・ミュージシャン、恩人の恋人を奪おうとするロックスターを夢見る若者の姿が、無邪気で普遍的な切ない恋も予感させる。ロックミュージックと西洋の影響に敵対的な80年代初頭の旧ソ連。そんな息苦しい時代に、ロックの新しい波を取り入れようとした若者たちの熱気と興奮が伝わるとともに、ひと夏の淡い青春も垣間見える映像となっている。

場面写真には、ロックカルチャーに対する規制が厳しかった時代に、座りながら静かにライブ鑑賞をする様子や、好きな音楽を奏でることに明け暮れる若者たちの姿などが収められる。

『LETO -レト-』
7月24日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:キリル・セレブレンニコフ
出演:ユ・テオ イリーナ・ストラシェンバウム ローマン・ビールィク
配給:キノフィルムズ 木下グループ

【ストーリー】 ときは1980年代前半。西側諸国(資本主義諸国)の文化は禁忌とされていたソ連時代のレニングラードでは、L・ツェッペリンやT・レックスなど西側のロックスターの影響を受けたアンダーグラウンド・ロックが花開こうとしていた。その最前線で人気を博していたバンド「ズーパーク」のリーダーであるマイク(ローマン・ビールィク)のもとにある日、ロックスターを夢見るヴィクトル(ユ・テオ)が訪ねてくる。彼の才能を見出したマイクは、共に音楽活動を行うようになるが、その一方で、マイクの妻ナターシャ(イリーナ・ストラシェンバウム)とヴィクトルの間には淡い恋心が芽生え始めていた…。

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