シム・ウンギョンと松坂桃李のダブル主演で、権力とメディアの裏側を描き、日本アカデミー賞ほか数々の賞に輝いた、藤井道人監督によるサスペンスを、米倉涼子主演、綾野剛、横浜流星共演で新たに企画・製作する「新聞記者」が、2022年1月13日よりNetflixにて全世界同時配信される。このほど、横浜流星演じる就活生・亮の新場面写真がお披露目となった。
2019年6月に劇場公開され、大きな話題を呼び大ヒットした映画『新聞記者』。Netflixオリジナルシリーズ版は、東都新聞社会部記者・松田杏奈を主人公に、映画版にはなかった一般市民、特に若者の視点から、さらに深く、刺激的に現代社会の問題を浮き彫りにしていく。
場面写真には、スーツに身を包み緊張した面持ちで就活に臨んだり、同じく新聞配達と就活に励む繭(小野花梨)と配達作業、仲良く談笑するなど、亮(横浜流星)の大学生らしい日常が収められる。さらには、新聞に興味がなかった亮の目に、「栄進学園問題」の記事がふと留まる姿も。リアルな政治・社会状況とリンクする本作において亮は、政治には興味も知識もなく、新聞の一面に踊る「栄進学園問題」も遠い世界の出来事だと考える、市井のキャラクター。そして、藤井監督自身の視線が強く反映されたキャラクターでもある。実は、映画『新聞記者』でも市井のキャラクターとして、コンビニ店員を描けないか提案をしていた藤井監督。スケジュールの都合で実現することはできなかったが、今回ドラマ版の監督を引き受ける際に“自身に近い視点を盛り込む”ことを条件として提示、「新聞配達をしながら大学に通う亮。あのキャラクターはほぼ、僕自身です」と言い切るほど、映画版でやり残したことを全6話のドラマで見事描き切った。
そんな、藤井監督がどうしても描きたかったキャラクター・亮を演じたのは、若い世代から絶大な人気を誇り、話題作への出演が尽きない横浜流星。『青の帰り道』以来、約4年ぶりの藤井組に参戦した横浜が10代の頃から公私ともに強い絆で結ばれた関係だ。藤井監督は横浜について、「華やかな役を演じることが多いけれど、素顔の流星は生真面目で実直な人」と評し、自身とものごとの捉え方や感じ方が近い横浜だからこそ、亮を演じてほしいと熱望。「流星の一番の魅力は目だと思うんです。説明せずとも、目に感情が宿るというのは、万国共通する演技の一つ」と絶賛し、「あまり知られていない彼の魅力がすごく引き出せたと思います」と自信をのぞかせる。「亮」という役に込められたのは藤井監督の視点だけではない。実は『青の帰り道』でも“リョウ”を演じた横浜。これは単なる偶然ではなく、自身を投影する役には親友の名前でもあるこの役名を付けるようにしており、藤井監督の並々ならぬ決意がうかがえる。
さらには、亮が新聞配達をする際にバイクが進む方向にも、こだわりの演出が。新聞も政治も興味がなく、周りに流されるように就活をしていた物語の前半では坂道を下っているが、あるきっかけで松田記者(米倉涼子)と出会い、自分の意志で未来を切り拓こうと奮闘するようになってからは、坂道を登っていくショットが映し出される。心情とバイクの進行方向をリンクさせることで、より一層、亮の感情が視覚的に伝わる仕掛けだ。今回、市井のキャラクターとして若者の視点が盛り込まれたNetflix版「新聞記者」。同世代の若者たちが“そう遠くない世界”だと感じるであろう、エンターテインメント作品へと昇華させるのに一役買った、亮の運命に注目である。
Netflixオリジナルシリーズ「新聞記者」
2022年1月13日(木)より、Netflixにて全世界同時配信
監督・脚本:藤井道人
企画・プロデュース:河村光庸
脚本:山田能龍 小寺和久
出演:米倉涼子 横浜流星 吉岡秀隆 寺島しのぶ 吹越満 田口トモロヲ 大倉孝二 田中哲司 萩原聖人 柄本時生 土村芳 小野花梨 橋本じゅん でんでん ユースケ・サンタマリア 佐野史郎 綾野剛