ポン・ジュノ「まれに見る力作」、水道橋博士「“大傑作!!”と心で叫びたい」著名人絶賛!『声もなく』監督メッセージ入り予告編

『バーニング 劇場版』のユ・アインが新人女性監督とタッグを組み、10月8日に開催されたアジア・フィルム・アワードでは主演男優賞と新人監督賞の2冠に輝くなどアジアの各映画賞を席巻している珠玉のサスペンス『声もなく』が、2022年1月21日より公開される。このほど、監督のホン・ウィジョンによるメッセージ入り予告編がお披露目となり、併せて、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

貧しさゆえ、犯罪組織からの下請け仕事で生計を立てる口のきけない青年テインと片足を引きずる相棒のチャンボクは、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒを、1日だけ預かることになる。トラブルが重なり、テインとチョヒの疑似家族のような奇妙な生活が始まるが、チョヒの親から身代金が支払われる気配はなく…。恵まれない境遇で裏稼業に手を染めたテインとチャンボク、裕福な家庭で育つが女児であるがゆえに家族から冷遇される少女チョヒ。出会うはずのなかった者たちの巡り合わせが、韓国社会で生きる声なき人間たちの孤独感を浮き彫りにする。

メッセージ映像で、ホン・ウィジョン監督は「日本の映画と日本のアニメをたくさん観て成長しました。日本で公開されるのは大変光栄です」と日本公開への喜びを語っている。

▼著名人 絶賛コメント

■ポン・ジュノ(映画監督)
善悪の境界がそもそも存在しないかのように、『声もなく』は我々の道徳感を麻痺させる。延々と続く奇妙なユーモアにクスクスと笑っているうち、じわじわと忍び寄る悲しみと恐怖に、観客は驚がくする。我々の人生は、実際にこういうものではないかと…改めて振り返るのである。韓国のスーパースター、ユ・アインの驚きの変身と、共演者たちのすばらしいアンサンブルが、ホン・ウィジョンという新鋭監督の演出によって絶妙な調和を織りなす。まれに見る力作だ。

■水道橋博士(芸人)
スリラー×コメディ。『レオン』×『ソナチネ』。数々の名作の掛け合わせを想起させる、この映画の味わいには声もなく、「大傑作!!」と心で叫びたい。

■石井裕也(映画監督)
15㎏増量、つまりは本気を出したスター俳優と自由な感性の新人監督の融合。こういう組み合わせは普通ありえない。だから観たこともないような異様で新しい映画が生まれる。

■宇垣美里(フリーアナウンサー)
口きけぬ男と誘拐された少女の束の間の家族ごっこ。それはあまりにも幸せそうに鮮やかで、シニカルな視線の分だけ輝きを増して、現実との落差が切なく苦しい。貧しさに寄り添うのは犯罪だけなのか、声は届かぬものなのか。

■樋口毅宏(作家)
ここ近年、独走の感がある韓国映画だが、また大きく引き離されてしまった。『パラサイト 半地下の家族』、『イカゲーム』の次はこれだ。正真正銘の大傑作!

■斎藤真理子(韓国文学翻訳家)
間違いなく、誰も見たことがないような誘拐映画。シーンとシーンの間の無限の奥行きがすごい。『声もなく』以後、誘拐ものを撮る人は大変だと思う。

■松崎健夫(映画評論家)
悪しき者の善意は報われない。所詮それは、悪しき物事の土台の上に乗っかった善意でしかないからだ。ならば、悪しき土台を打ち砕くほどの善意であれば適うのだろうか?そんな“声なき”灰色の善悪論と不条理が、我々の胸を締め付ける。

■金承福(クオン出版社・韓国の本専門店チェッコリ代表)
ユ・アインが扮するテインは喋れない、社会の一人として位置づけられてない、動きにスピードもない。そのテインが最後に動き出す。猛スピードで走り出す。この映画を選んだユ・アインはすごい。

■枝優花(映画監督・写真家)
ここに確かに存在しているはずなのに。まるでいないかのように過ごす日々はどんなに苦しいか。声を上げることもできず、この行き場のない想いをどうしたらいい。寂しさと希望と絶望と光が何度も交錯していた。私たちは決して一人で生きることはできない。

■古家正亨(ラジオDJ)
わずか90分という上映時間に、韓国社会の縮図を収めた、新人監督とは思えないその手腕に驚嘆。丸まった背中、メタボな腹回り、頭を撫でる仕草…ユ・アインの“声なき”熱演はむしろ現代が抱える闇、そして、それらに関わる人々の“声なき声”を感じさせる。

『声もなく』
2022年1月21日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開
監督・脚本:ホン・ウィジョン
製作:キム・テワン
音楽:チャン・ヒョクジン チャン・ヨンジン
出演:ユ・アイン ユ・ジェミョン ムン・スンア
配給:アット エンタテインメント

【ストーリー】 犯罪組織から命令され死体処理などの裏稼業で生計を立てる、口のきけない青年テイン(ユ・アイン)と相棒のチャンボク(ユ・ジェミョン)。ある日、犯罪組織のボス、ヨンソクからの無茶な命令で、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒ(ムン・スンア)を1日だけ預かることになる。ところが、依頼をしたヨンソクが組織に始末され、二人は予期せず誘拐事件に巻き込まれていくことに…。

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