菅田将暉「一回も言えませんでした」、有村架純「考える時間が楽しい」第13回TAMA映画賞授賞式!

国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第13回TAMA映画賞」。このほど、11月21日に本賞の授賞式が府中の森芸術劇場どりーむホールにて行われ、受賞者の役所広司、菅田将暉、尾野真千子、有村架純、藤原季節、金子大地、伊藤万理華らが登壇。三浦透子がビデオメッセージを寄せた。

最優秀女優賞に選ばれた有村は、気心を知れたスタッフとの映画作りについて聞かれると、「おこがましいのですが、(『花束みたいな恋をした』の)土井裕泰監督や、脚本の坂元裕二さんに対しては心から信頼させていただいていて、その方々とまた共に時間を共有できることが幸せ」とコメント。『るろうに剣心 最終章 The Beginning』、『映画 太陽の子』という、さまざまな時代の人物を演じる難しさについて問われると、「演じるのが難しいと思っても、その難しさを考える時間が楽しい」とそれぞれの撮影を笑顔で振り返った。

同じく、最優秀女優賞に選ばれたは尾野。主演した『茜色に焼かれる』では、思い入れのあるシーンがあるそうで「第二の人生を輝いて生きていけると思った時に彼氏から裏切られんです。役としてではなく、話自体に腹が立って、この時代に戻ってこれなくなった」と撮影時のエピソードを告白。「どん底に落ちて、泣き崩れて、現場を止めてしまった」としみじみ当時を振り返り、「なんとか3分ぐらいで戻ってくることができました(笑)」と冗談交じりに述べて会場を笑わせた。

最優秀男優賞に選ばれた菅田は、「『花束みたいな恋をした』の公開時は、緊急事態宣言ど真ん中。僕らは『映画館に観に来てください』とは一回も言えませんでした。そんな作品がこうして受賞できたこと、皆様のおかげだと思います」としみじみ。『花束みたいな恋をした』は、菅田が脚本の坂元裕二に「ラブストーリーやりたいです!」と無茶振りしたのが始まりだそうで、「こういった授賞式で坂元さんを捕まえて、舞台袖で『書いてください!』と。舞台を観に行った時にもいらっしゃったので、『ラブストーリーどうなってます?』と念押して(笑)」脚本を書いてもらったことを明かした。

同じく最優秀男優賞に選ばれた役所。西川美和監督作『すばらしき世界』での主演について「西川監督の作品は本当に好きで、監督の作品にコメントを書かせていただいてましたので、やっとお声がかかって、とても嬉しかった」とコメント。今後取り組みたい映画については、“じいさんのロードムービー”だそうで、「若い頃に火野正平さんと2人でお酒を飲みながら、『70ぐらいになったら“ロードムービー”やりたいね』と。2人のおじいさんの元に、怪しい大金が転がり込んで、日本中を旅する映画をやろうと言っていた」ことを明かし、「いつかはやりたい」と夢を語っていた。

▼受賞作品・受賞者

最優秀作品賞
『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『あのこは貴族』(岨手由貴子監督、及びスタッフ・キャスト一同)

特別賞
土井裕泰 監督・坂元裕二氏、及びスタッフ・キャスト一同 (『花束みたいな恋をした』)
横浜聡子 監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『いとみち』)

最優秀男優賞
役所広司 (『すばらしき世界』『バイプレイヤーズ〜もしも 100 人の名脇役が映画を作ったら〜』『竜とそばかすの姫』)
菅田将暉 (『花束みたいな恋をした』『キャラクター』『キネマの神様』『浅田家!』)

最優秀女優賞
尾野真千子 (『茜色に焼かれる』『明日の食卓』『ヤクザと家族 The Family』『心の傷を癒すということ 劇場版』)
有村架純 (『花束みたいな恋をした』『映画 太陽の子』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』ほか)

最優秀新進監督賞
藤元明緒 監督 (『海辺の彼女たち』)
松本壮史 監督 (『サマーフィルムにのって』『青葉家のテーブル』)

最優秀新進男優賞
藤原季節 (『のさりの島』『佐々木、イン、マイマイン』『空白』『くれなずめ』『明日の食卓』)
金子大地 (『サマーフィルムにのって』『猿楽町で会いましょう』『先生、私の隣に座っていただけませんか?』ほか)

最優秀新進女優賞
三浦透子 (『ドライブ・マイ・カー』『椿の庭』『おらおらでひとりいぐも』『アイヌモシリ』)
伊藤万理華 (『サマーフィルムにのって』『息をするように』)