映画監督・北野武としては“世界のキタノ”と呼ばれる唯一無二の天才・ビートたけしが、自身の原点であり、師匠である深見千三郎と過ごした青春時代を描いた同名楽曲と小説を、劇団ひとり監督が大泉洋と柳楽優弥のダブル主演で映画化するNetflix映画『浅草キッド』が、12月9日より配信される。このほど、本作の本編映像がお披露目となった。
舞台は昭和40年代の浅草。大学を中退し、“ストリップとお笑いの殿堂”と呼ばれていた浅草フランス座に飛び込み、伝説の芸人・深見千三郎に弟子入りしたタケシ。当時、独特な指導で、舞台上だけでなく日常生活においても芸人たる心構えを求めた深見は、東八郎、萩本欽一といった大人気芸人を育てあげていた。その深見の元、タケシは芸人としての成功を夢見て“笑い”の修行に励んでいたが、テレビの普及と共に演芸場に足を運ぶ人は減る一方…。本作は、厳しさと愛情に溢れる師匠との日々、個性と才能に溢れる仲間たちとの出会い、そして芸人・ビートたけしが誕生するまでを描いた青春ドラマ。
本編映像は、タケシ(柳楽優弥)が遂に迎える初舞台を前に、“幻の浅草芸人”と呼ばれた師匠・深見(大泉洋)が真剣な眼差しで“芸ごと”の真髄を伝える重要なシーン。楽屋でホステス役を与えられたタケシが厚化粧をしているところを見かけ、「おいタケ、なんだそれ」と尋ねる深見。素直にタケシが「ホステスです」と答えると、「バカヤロー!」と深見のカミナリが落ちる。「いいか、タケ。芸人なら芸で笑いとれ。芸人なら女になりきれ。どこの世界に自分をブサイクにするホステスがいるよ。世界で一番きれいになってやる!そういう心意気で化粧しろ」と芸人としての心得を伝授。そして「俺のとこでやりてぇならな、笑われるんじゃねえぞ。笑わせるんだよ」と芸人を志していなくとも、痺れるような強い信念を愛弟子に見せつける深見。真剣な眼差しで投げかけられる、師匠の愛情のこもった厳しさは、やがてタケシのお笑いへの覚悟の強さへと変わっていく。師から弟子へ、受け継がれる想いが詰まったシーンに注目だ。
Netflix映画『浅草キッド』
12月9日(木)より、Netflixにて全世界同時配信
監督・脚本:劇団ひとり
原作:ビートたけし「浅草キッド」
音楽:大間々昂
主題歌:桑田佳祐「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」
出演:大泉洋 柳楽優弥 門脇麦 土屋伸之 中島歩 古澤裕介 小牧那凪 大島蓉子 尾上寛之 風間杜夫 鈴木保奈美
【ストーリー】 昭和40年代の東京・浅草。大学を辞めてフランス座のエレベーターボーイをしていたタケシ(柳楽優弥)は、数々の人気芸人を育ててきた深見千三郎(大泉洋)に弟子入りを懇願。ぶっきらぼうだが、独自の世界観を持つ深見からタップダンスやコントの技術、裏方としての進行、「笑われるな、笑わせろ」といった芸人の矜持に至るまで、「芸ごと」の真髄を叩き込まれていく。「芸人だったらいつ でもボケろ」という深見の教えに従い、弟子として行動を共にする中で笑いのセンスを磨くタケシは、歌手を目指す踊り子の千春(門脇麦)や深見の妻・麻里(鈴木保奈美)に見守られ、飛躍的に成長する。だが、テレビの波に押され、フランス座の客足は減り、経営も悪化していく。そんななか、「外で勝負したい」と考え始めたタケシは、フランス座の元先輩のキヨシ(土屋伸之)に誘われ、漫才コンビ「ツービート」を結成。猛反対を押し切って深見の元を飛び出し、徐々に人気を獲得していく。その一方、時代の流れの中で苦境に立たされる深見。そんなある日、対照的な師匠と弟子の運命が再び交錯する…。