『アルビノの木』の金子雅和監督が、笠松将主演、阿部純子共演で、東京下町を舞台に、ある一夜の出会いを描く切ない幻想譚『リング・ワンダリング』が、2022年2月に公開される。このほど、本作の特報映像、ティザービジュアル、場面写真がお披露目となった。
本作は、東京の下町で漫画家を目指す主人公・草介が、不思議な女性・ミドリとの出会いを通して、東京という土地に眠る過去の記憶、そして命の重みを知っていく一夜の切ない幻想譚。
特報映像は、金子雅和監督自らが製作。雪の積もった土の上を歩く男の姿、涙をこぼす主人公・草介(笠松将)、動物の頭蓋骨、凛とした表情を見せるヒロインなど、本編中の印象的な場面が映し出される。最後は「忘れないで、私の姿…」というヒロインの声で締めくくられ、幻想的な世界を想像させる。
ティザービジュアルには、筆書き風のタイトル文字とともに、劇中漫画の作画を担当する漫画家・森泉岳土が手掛けたイラストレーションがあしらわれ、ニホンオオカミの頭の中に、草原でアルバムを眺める草介の姿が収められる。
併せて、本作が、第37回ワルシャワ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品されることが決定した。コンペティション部門とは同映画祭において最高賞を競う部門である。映画祭ディレクター、ステファン・ラウディンは本作を招待した理由について「物語に感動し、泣き笑いする時、私たちは映画の素晴らしさを感じます。また、映画を観ていると、私たちはある種の魔法の目撃者となることがあります。映画の魔法。それは素晴らしく、しかし稀にしかできない体験です。そして『リング・ワンダリング』には、その全てが備わっているのです」と語る。コンペティション部門グランプリのこれまでの受賞作は、アスガー・ファルハディ監督作『美しい都市(まち)』、ディアオ・イーナン監督作『夜行列車』、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『灼熱の魂』、パヴェウ・パヴリコフスキ監督作『イーダ』など、現在、世界的に評価される監督たちの初期作品が多く受賞している。
『リング・ワンダリング』
2022年2月 渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国公開
監督・脚本:金子雅和
脚本:吉村元希
劇中漫画:森泉岳土
音楽:富山優子
出演:笠松将 阿部純子 片岡礼子 ⻑谷川初範 田中要次 品川徹 安田顕 伊藤駿太 横山美智代 古屋隆太 増田修一朗 細井学 友秋 桜まゆみ 石本政晶 ボブ鈴木 比佐仁 山下徳久 大宮将司 平沼誠士 伊藤ひろし 納葉 川綱治加来
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
【ストーリー】 漫画家を目指す草介(笠松将)は、絶滅したニホンオオカミを題材に漫画を描いているが、肝心のオオカミをうまく形にできず前に進めない。そんなある日、バイト先の工事現場で、逃げ出した犬を探す不思議な娘・ミドリ(阿部純子)と出会う。転倒しケガをしたミドリを、彼女の家族が営む写真館まで送り届けるが、そこはいつも見る東京の風景とは違っていた…。草介はミドリとその家族との出会いを通じて、その土地で過去に起きたことを知ることになる。
©2021 リング・ワンダリング製作委員会