ジョニー・デップ「できる限り水俣に関心を集めたい、必要な支援が届くように」『MINAMATAーミナマター』インタビュー

写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集「MINAMATA」を基に、ジョニー・デップが製作・主演を務め、“四大公害病”のひとつである水俣病の真実を世界に伝える『MINAMATAーミナマター』が、本日9月23日に公開初日を迎えた。このほど、ジョニー・デップのスペシャルインタビュー映像がお披露目となった。

『シザーハンズ』といったアート系の作品から『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどの超大作まで、人気実力ともにトップの映画スターとして君臨するジョニー・デップ。本作では、水俣病を世界に知らしめた伝説の写真家ユージン・スミスを演じ、共演した真田広之や國村隼も「そこに居るだけでユージンに見えてくる」、「ユージン役はジョニー・デップしかいない」と大絶賛。ビジュアルから内面までユージンを体現したジョニーの演技力が光る。また、多くのインタビューで「日本に行きたい」と切望していたジョニーだが、新型コロナウイルスの影響で来日を断念。日本へ、そして映画製作にかける思いなどを語った。

写真集「MINAMATA」により、世界に水俣病の事実を発信したユージンだが、現代は誰もがインターネットやSNSを使い、リアルタイムに情報を発信できる時代に生きている。現代のインターネット、SNSについて「インターネットからは、素晴らしい知識や英知を得ることができる。人々に声を与えることができるのはSNSのすばらしい点」と語り、続けて「討論をすることもできる。ソーシャルメディアで戦い、私の意見を代弁している人はヒーローに見える。情報を伝える現代の強力なツール」とコメントする。

今回、製作も兼ねたジョニーだが、過去に監督の経験もある。そんな映画製作ついて問われると、「私にとって映画は素晴らしい教育を受けられる学校のようなもの。ジョン・ウォーターズやティム・バートン、エミール・クストリッツァといった尊敬する映画製作者たちの作品に参加できたおかげで多くのことを学べた」と振り返る。そして役作りについては「何より素晴らしい点は、そのプロセス。演じる人物を発見し、知っていく。どうにかしてその人物と出会い、なんとか作り上げていく。一人で行う作業なので、この期間は完全に孤立している」、製作陣との共同作業については「映画は大勢が協力して作り上げるもの。カメラの前にいる人をスターと呼んだりもするが、そんなことはない。スタッフの腕がなければできない。全員の献身がなければ、作品は完成しない」と丁寧に語った。

これまで来日経験もあるジョニーだが次に来日した際やってみたいことについて、「まず最初に水俣に行き、感謝を伝えたい。監督のアンドリューとも話していたのですが、できる限り水俣に関心を集めたいと思っている。そして必要な支援が届くようにしたい」と水俣への思いを言及。加えて、「何度も頭の中で思い描いてることが、伝統的なスタイルの日本家屋で、のんびりと本を読んだり、書き物をして3ヶ月くらい暮らしたい。それをするには、やっぱりお坊さんにならないとそういう生活は無理なのかな。お坊さんになるかもしれない」と長年、思い描いていた予想外の願望も飛び出した。最後に、「本作が皆さんの心に届き、刺激を受け、考える機会になればと願います」と観客に向けてメッセージを贈った。

『MINAMATAーミナマター』
9月23日(木)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
監督:アンドリュー・レヴィタス
製作・出演:ジョニー・デップ
脚本:デヴィッド・ケスラー
音楽:坂本龍一
原案:W.ユージン・スミス アイリーン M.スミス「MINAMATA」
出演:真田広之 國村隼 美波 加瀬亮 浅野忠信 岩瀬晶子 ビル・ナイ
配給:ロングライド アルバトロス・フィルム

【ストーリー】 1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミス(ジョニー・デップ)は、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーン(美波)と名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀におかされ歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらもシャッターは冷静に切り続けるユージンは、チッソの社長からのネガを大金で買うという申し出を拒否したために危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る。

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