1988年に『バカヤロー!私、怒ってます「英語がなんだ」』で映画監督デビューし、50作目となる『truth~姦しき弔いの果て~』が2022年1月7日に公開を控える堤幸彦監督の、選りすぐりの7作品を特集上映する「堤幸彦監督映画50作公開記念上映会」が、11月27日より新宿K’s cinemaほかにて開催されることが決定した。
「堤幸彦監督映画50作公開記念上映会」で上映されるのは、広山詞葉、福宮あやの、河野知美共演で女性たちの心の内に迫る新作『truth』の前身ともいえる『2LDK』、主人公の深層心理に迫るホラー『EGG』、ほんとうの幸福とは何か問いかける『自虐の詩』、現代社会で見過ごされそうな生活者たちを追った『MY HOUSE』、究極の家族愛を描く『くちづけ』、亡き人たちの語られなかった物語に寄り添う『悼む人』。そして特別な“お楽しみ枠”としてサプライズ作品をもう1作。笑い多めのポップなエンタメ作家としてのイメージの強い堤幸彦のB面ともいえる、むき出しの人間味あふれる7作品が集結した。『2LDK』『EGG』『自虐の詩』は、貴重なフィルム上映となる。
■堤幸彦(監督) コメント
気がつくと66歳で、気がつくと50本の映画を撮っていた。元々はバラエティ番組の出身でありMVやコントが専門であったのに、ドラマや舞台の演出もたんまり経験した。20代からまさに休みなしで走り続けてきたが、コロナでふと立ち止まった。半ば強制的に。静かになって耳をすますとそこには“仕事ないなら自分たちで仕事を創る!”と強い意志を持った女優たちがいた。業界での44年で初めて見たタイプの意志だった。それで映画『truth』が出来た。紛れもない「自主映画」として。50本目の節目なんて意味はない。立ち止まってはいられない。これから何歳になっても彼女らの純粋な意志に相応しい作品を生み出せるのか、観客の期待や視線に応えられるかどうかが問われている。でも“記念しよう!”と奇特な人々もいた。半分マジな生前葬のような。せっかくだから過去の忘れがたい作品をまとめて見てみたい。そして今後の、コロナ後の作風を考えればいい。きっと幾つかの私の“古いフィルム”にはその年齢のがむしゃらが映っているはずだ。私に声をかけてくれた女優たちの純粋さと、それは果たして戦えるのか…。
▼上映作品一覧
■『2LDK』(35mmフィルム上映)
脚本:堤幸彦 三浦有為子
出演:野波麻帆 小池栄子
©「DUEL」パートナーズ
■『EGG』(35mmフィルム上映)
脚本:堤幸彦
出演:チョ・ヘヨン 氏家恵 佐藤二朗 犬山イヌコ
©2002 アミューズ
■『自虐の詩』(35mmフィルム上映)
原作:業田良家
脚本:関えり香 里中静流
出演:中谷美紀 阿部寛
©2007「自虐の詩」フィルムパートナーズ
■『MY HOUSE』(DCP上映)
原作:坂口恭平
脚本:佃典彦
脚本協力:堤幸彦
出演:いとうたかお 石田えり 村田勘 板尾創路 木村多江
©2011「MY HOUSE」製作委員会
■『くちづけ』(DCP上映)
原作:宅間孝行
脚本:宅間孝行
出演:貫地谷しほり 竹中直人 宅間孝行 田畑智子 橋本愛
©2013「くちづけ」製作委員会
■『悼む人』(DCP上映/R-15)
脚本:大森寿美男
出演:高良健吾 石田ゆり子 井浦新 貫地谷しほり 椎名桔平 大竹しのぶ
©2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
「堤幸彦監督映画50作公開記念上映会」
11月27日(土)~12月3日(金) 新宿K’s cinemaにて開催
以後、12月11日(土)よりシネ・ヌーヴォ、12月18日(土)よりシネマスコーレ、12月24日(金)より京都みなみ会館にて開催 ※各映画館では1日1回上映を予定
配給:ラビットハウス