ギャスパー・ノエ監督「別の映画になった!劇場公開するべきだ!」『アレックス STRAIGHT CUT』予告編&ポスタービジュアル

日本では東京国際ファンタスティック映画祭2002のクロージング作品として披露された、20世紀最大の問題作にして、まごうことなき傑作『アレックス』を、フランスの鬼才ギャスパー・ノエ監督自らが時間軸に沿った物語へと再構築した『アレックス STRAIGHT CUT』が、10月29日より公開される。このほど、本作の予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となり、併せて、監督のギャスパー・ノエ、アレックス役のモニカ・ベルッチ、塚本晋也監督よりコメントが寄せられた。

『アレックス』は、2002年の第55回カンヌ国際映画祭最大の衝撃作と宣伝され、公式上映の際にはリアルかつあまりにも強烈な描写の連続に途中退場者が続出、全仏283館で拡大公開されるや否や動員60万人を記録し、イタリア、ベルギー、スイスでも驚愕の動員数を叩き出した問題作。ギャスパー・ノエ監督が描く現実にある狂気の世界は、過激で凄惨な暴力シーンの描写もあり賛否両論を巻き起こし、「ひっくり返せない、不可逆、取り返しがつかない」を意味するフランス語の原題『Irréversible』が意味するように、時系列を逆から描くという挑戦的な物語構成も当時話題を呼んだ。そんな衝撃作を、ギャスパー・ノエ監督は自身で時間軸に沿った物語へと再構築し、『アレックス STRAIGHT CUT』として新たな作品を作り上げた。

予告編は、“逆転完全版”となり強度を増したギャスパー・ノエ監督が描く日常に潜む地獄のような世界と、アレックス(モニカ・ベルッチ)のささやかで幸せな日常が入り混じるスタイリッシュな映像美が印象的だ。

ポスタービジュアルには、少しのボタンの掛け違いで、取り返しのつかない一夜を迎えることとなるアレックスの姿が収められる。

併せて、オリジナル版『アレックス』が、『アレックス STRAIGHT CUT』と同時上映されることが決定した。

■塚本晋也(映画監督) コメント
戦慄する。こんな恐ろしい映画は見たことがない。そこに夢物語ではない現実を感じる。と同時に、ギャスパーの歯軋りするほどのやさしさを感じるのだ。

■ギャスパー・ノエ(本作監督) コメント
これは別の映画になったぞ!劇場公開するべきだ!

■モニカ・ベルッチ(アレックス役) コメント
20年前に撮った映画が時系列を正しただけで、こんなにも素晴らしい作品に生まれ変わるなんて!

『アレックス STRAIGHT CUT』
10月29日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本・撮影・編集:ギャスパー・ノエ
音楽:トーマ・バンガルテル
出演:モニカ・ベルッチ ヴァンサン・カッセル アルベール・デュポンテル ジョー・ブレスティア
配給:太秦

【ストーリー】 恋人のマルキュスと暮らし愛に満ちた幸せな日々を送るアレックス(モニカ・ベルッチ)。ある日、共通の友人でありアレックスの元恋人のピエール(アルベール・デュポンテル)と共にパーティーに呼ばれた。急な故障で車を出せなくなったピエールは不機嫌で、未だ未練があるアレックスに対しての愚痴が止まらない。そんな彼を受け流しながら地下鉄で会場に向う3人。しかし、パーティーでハメを外すマルキュス(ヴァンサン・カッセル)と些細なことで口論になったアレックスは、心配するピエールを振り切り途中で帰ってしまう。一人で夜道を歩くアレックスはショートカットのために普段は使わない地下道で突然男に襲われ、激しく暴行を受け凌辱されてしまうのだった。変わり果てたアレックスの姿を見たマルキュスは、自責の念に駆られ絶望し、怒りに任せて犯人を探し出そうと夜の街を彷徨い、ピエールは落ち着かせようと同行する。

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