藤原季節「みんな不安、ずっと不安」、前田敦子「迷子なんだ、私」『DIVOC-12』三島有紀子監督チームの予告編&場面写真

映画会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントによる、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けるクリエイター、制作スタッフ、俳優の継続的な創作活動を支援する短編映画製作プロジェクトで、12人の映画監督による12の物語『DIVOC-12』が、10月1日より公開される。このほど、三島有紀子監督チームの予告編と、各作品の場面写真がお披露目となった。

『DIVOC-12』は、ソニーグループが立ち上げた「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」の支援活動の一環として、コロナ禍で映像制作活動において大きな影響を受けているクリエイターたちを支援する。

“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督チームの予告編は、三島監督の『よろこびのうた Ode to Joy』から始まる。歩(藤原季節)から「いい仕事あんですけど、一緒にやりませんか?」と東北弁で優しく声をかけられる冬海(富司純子)。ベートーヴェンの交響曲第9番「喜びの歌」が高らかと響き渡る中で、二人の人生への不安、そしてよろこびを予感させる。続けて、山嵜晋平監督作品『YEN』。ポラロイドで写真を撮って遊ぶ高校生の夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)。「あの子たちほんっとうざい!-300万円!」と嫌いな人には低額をつけて仲良く笑い合う二人だったが、ある日、冬美から「帰って」という言葉が。女子高生のきらきらした若さと不安定さが感じられる。齋藤栄美監督作『海にそらごと』は、「恥ずかしくないの?家族捨てて、こんな生活して」と生まれてから一度も会ったことのない母親の真実(中村ゆり)に会いにいったが、その生活ぶりに戸惑いを隠せない海斗(髙田万作)のセリフが印象的。「なんで嘘ついてたの?」という海斗のセリフからは、二人の関係に秘密があることが予想できる。最後に加藤拓人監督作『睡眠倶楽部のすすめ』は、「何かを忘れたまま私はここで暮らしている」と透子(前田敦子)が語り始める。透子は、様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が暮らす、“睡眠倶楽部”で生活している。透子が忘れてしまった大切な何かとは?透子の行き着く先が気になる映像となっている。

各作品の場面写真には、どこか不安げな表情の歩と冬海、ポラロイドを川に流す夏希と冬美、どこかぎこちない海斗に愛おしそうに寄り添う真実の姿や、広い部屋の中でどこかを見上げる透子のカットなどが収められ、それぞれの不安や寂しさもありながら、どこか温もりも感じられる写真ばかりだ。

■三島有紀子(監督) コメント
Q:“共有”というテーマについて。
2020年から、世界中がこんなに同じことに苦しんだり、悲しんだり、少し喜んだり…同じ問題と気持ちを共有したことってないのではないか、と思いました。ある種、救いがないように思えるこの時期を共有したその先に、私たちは何を共有できるのか、できないのか、共有していきたいのか。ということをあらためて、俳優やスタッフを始めチームの監督達といろいろ話しながら作れたらいいな、と思ったことがテーマにした理由の1つです。チームでは作る時間を共有し、みなさまには作品を観る時間を共有していただければ幸いです。きっと、みなさまそれぞれに、“共有”が見つかると願っています。

▼三島有紀子監督チーム ストーリー

■『よろこびのうた Ode to Joy』
監督:三島有紀子 出演:富司純子 藤原季節
ポスティングのパートと年金で、ひとり細々と生きる75歳の冬海(富司純子)。ある日、海での散歩の途中、東北弁を話す優しい青年・歩(藤原季節)と出会い、とある仕事に誘われる。もし100歳まで死ななかったらあと25年…生活の不安、ちょっとした贅沢をしたいという小さな欲望。怪しいと理解しつつも報酬に惹かれ、引き受けることに決める冬海。お金と安心を得るため、二人は背徳的な仕事へと車を走らせる。

■『YEN』
監督:山嵜晋平 出演:蒔田彩珠 中村守里 渋川清彦
郊外に住む高校生の夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)は、ポラロイドでスナップを撮って遊んでいる。気に入った写真は部屋に飾り、嫌いな同級生の写真などには低額をつけ、川に流してストレスを発散していた。ある日、冬美は高橋との2ショット写真を夏希に見せる。嬉しそうな冬美に、夏希はざらついた気持ちを抱く。初めて喧嘩とも言えない喧嘩をした二人。友達をなくした夏希は遠くから冬美を追いかけ、写真を撮り、川に流しに行く。冬美のストーキングを続ける夏希は、ある日、思わぬ場面に出くわしてしまう。

■『海にそらごと』
監督:齋藤栄美 出演:中村ゆり 髙田万作 松浦祐也
寄せては返す波の音。潮風の匂い。海沿いにあるスナックの扉を緊張した様子で叩く少年・海斗(髙田万作)。海斗は生まれてから一度も会ったことのない母親を探しに来ていた。現れた女性・真実(中村ゆり)の生活ぶりに戸惑う海斗。突然の出会いに困惑しながらも、真実は次第に海斗を受け入れていく。夕暮れ時の海。賑やかな夜。失われた時を埋めるかのように、海斗と真実はひとときを過ごしてゆく。しかし、ある事実が明らかになり…。

■『睡眠倶楽部のすすめ』
監督:加藤拓人 出演:前田敦子
何かを忘れたまま、私はここで暮らしている…。透子は“睡眠倶楽部”で暮らしている。そこには様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が生活している。外の世界から隔離されたその施設では無理に他人と関わらずとも生きていくことが出来る。“睡眠倶楽部”での暮らしにも慣れ、安心して眠ることが出来る様になった透子は、同時に入居以前のことを忘れかけていた。裏庭に咲く一輪の花を見つけた透子は、ふとあることを思い出し、施設を出ようと思い立つ。透子が向かう先には、何があるのだろうか。

『DIVOC-12』
10月1日(金) 全国ロードショー
監督:藤井道人 上田慎一郎 三島有紀子 志自岐希生 林田浩川 ふくだみゆき 中元雄 山嵜晋平 齋藤栄美 廣賢一郎 エバンズ未夜子 加藤拓人
主題歌:yama「希望論」
出演:横浜流星 松本穂香 小関裕太 富司純子 藤原季節 石橋静河 小野翔平 窪塚洋介 安藤ニコ おーちゃん 清野菜名 高橋文哉 蒔田彩珠 中村守里 中村ゆり 髙田万作 笠松将 小川紗良 横田真悠 前田敦子 ロン・モンロウ 塚本晋也 濱津隆之 渋川清彦 松浦祐也 円井わん 渡辺いっけい
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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