千原せいじ「公開できてよかった」アジア9カ国から豪華キャストが集結!『COME & GO カム・アンド・ゴー』11月公開!

中国・香港・台湾・韓国・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ネパール・日本の9カ国・地域の人々が、頭上の飛行機が鈍く光を放つ大阪の空の下、平成から令和に変わった今の日本でサバイブするリアルを、旅する映画作家リム・カーワイが鋭く切り取った『COME & GO カム・アンド・ゴー』が、11月19日より公開されることが決定した。併せて、ティザービジュアルがお披露目となった。

桜の花の蕾が膨らんで、満開の季節の訪れを誰もが感じている大阪・キタ。中崎町にある古い木造のアパートで、白骨化した老婦人の死体が発見された。警察は実況見分で、アパートの周りの捜査や関係者へ事情聴取を行っていた。孤独死なのか、または財産絡みの謀殺なのか、いろいろな噂が飛び交っている。そんな中、中国、台湾、韓国の観光客、マレーシアのビジネスマン、ネパール難⺠、ミャンマー人留学生、ベトナム人技能実修生などの外国人たち、彼らとの日常を共有している日本人たちの3日間の小さな出来事が、大阪の中心、梅田北区、通称「キタ」と呼ばれる限られた地域の中で人知れず起きている。時に滑稽で、時にもの悲しく、時に倒錯的に…。事件の調査が終わりを告げるとき、この間に彼らに起きた様々な人生の岐路も新たな展開を迎えようとしていた。

出演は、日本人キャストとして、千原せいじ、桂雀々、渡辺真起子、兎丸愛美、尚玄などが参加。アジアからは、ツァイ・ミンリャン監督作品で知られるリー・カーション、ベトナムのトップ・スター『ソン・ランの響き』のリエン・ビン・ファット、マレーシアの国⺠的スター、JC・チー、ネパールの絶大なる人気を誇る⺠謡歌手モウサム・グルン、日本・ミャンマー合作ドラマ「My Dream My Life」のナン・トレイシーなど国籍を超えたオールキャストが集結した。

監督のリム・カーワイは、大阪を中心に活動を続ける中華系マレーシア人。これまで北京で『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』、香港で『マジック&ロス』、バルカン半島で『どこでもない、ここしかない』『いつか、どこかで』を製作・監督。ほぼ即興で演出するというスタイルを貫く、とてもユニークで稀有な創作活動を続ける映画作家だ。過去の作品は、日本をはじめ、台湾、ニューヨークなどで特集が組まれるなど世界各国で注目を集めてきた。本作『COME & GO カム・アンド・ゴー』は、自身の大阪3部作として『新世界の夜明け』『恋するミナミ』に続き大阪で撮影。昨年の東京国際映画祭2020のほか、ジャパンカッツ2021のオフィシャルセレクションに選ばれるなど、各国映画祭に招待されている。

▼スタッフ&キャスト コメント

■リム・カーワイ(監督)
2019年、平成最後の一ヶ月と少し。ちょうど令和という年号が発表された前後、桜が咲いていた大阪で撮影しました。その間に、一年半以上続くコロナ禍があって、いまだに終息せず、大変な世の中ですが劇場公開が決まって感無量です。近くですれ違ったり、どこかで偶然に交差したりしているにもかかからず、それぞれの生活の問題が精一杯で、お互いの存在に気付いたり、関心を持ったりする余裕がなくなっていることがテーマの、このアジア9カ国・地域の豪華キャストが一⻫に集まって出演した本作。国境を自由に行ったり来たりできる世界を前提としていたけれど、コロナ禍によって激変した今の世界にも様々な示唆を与えてくれるのではないかと信じています。そして、彼らがいかに日本でサバイブしてゆくか、ぜひこのドキドキ、ワクワク、ノンストップの、未だかつてない群像劇を、強い関心を持って見て頂けたらと願います。

■李康生(リー・カーション)
『Come & Go カム・アンド・ゴー』は私が日本で撮影した2本目の作品です。最初の映画は東京で撮影したツァイ・ミンリャン監督の短編『無無眠』“No No Sleep”(2015)でした。今回の舞台は大阪です。リム・カーワイ監督とは2000年頃に私たちの日本語通訳として知り合いました。10数年後、彼が映画監督になったことを知って大変驚きました。しかし彼の映画への情熱は昔と変わっていませんでした。私は彼の変わらぬその情熱に感動と敬服を覚えて、彼のオファーを快諾することにしました。この映画はとても低予算で、スタッフの構成もコンパクトでしたが、現場では全てのスタッフがとてもプロフェッショナルで、一所懸命に頑張っていましたし、沢山の外国俳優が大阪にやってきて、面白い出来事がいっぱい起こりました。東京国際映画祭と大阪アジアン映画祭を経て漸く劇場公開されることを、本当に嬉しく思っています。多くの観客との出会いがあり、すべての人から愛されることを願っています。

■リエン・ビン・ファット
たった今、『Come & Go カム・アンド・ゴー』がいよいよこの11月に日本で劇場公開されると聞いて、とても興奮しています。役者としてリム・カーワイ監督の映画に参加することができたことを非常に嬉しく思っている。この映画がいつかベトナムでも劇場で上映できたらそして僕のファンも観ることができたら、なおさら嬉しいことです。この映画が沢山の日本人から愛されることを願っています。

■ナン・トレイシー(ミャンマー)
ミャンマーからナン・トレイシーです。本来日本に行って映画を観るはずでしたが、ミャンマーは今大変な時期にあって、気分が重いです。このご時世、『Come & Go カム・アンド・ゴー』の劇場公開は私にとって大変な喜びと励ましになっています。これはまだご覧になっていない方々に絶対お勧めしたい映画です。これを観て、貴方がきっと大阪でサバイバルしている外国人たちの生活に驚くはずです。私はこの映画のキャラクターにとても共感を覚えます。彼女は夢のためにいろいろなリスクを冒して大阪の過酷の環境で頑張っています。私はこの映画に参加することができてとても光栄でした。これからも女優を続けるつもりでいましたが、ミャンマーの現在の情勢で、その夢は壊れてしまいました。また国内の映画産業もいつ復活するかも先が見えない状態です。最後に、愛しい思い出を作ってくださった『Come & Go カム・アンド・ゴー』のスタッフ全員に感謝したいです!

■千原せいじ
時間がかかりましたが、公開できてよかったです。今より少し太ってますが、気にせず楽しんで下さい。

■渡辺真起子
9年前の東京国際映画祭でアジアの風部門で審査員をされている時に知り合いました。面白い人がいるなーと、家がないとか。(日本にはですよ)旅人が、旅人の映画を作り始め、作り続けている。彼が出会った人たちを語った時、彼を通して一緒に旅をすることになります。彼が見つけて磨いた大切な旅の宝物たち。是非一緒に旅をしてください。あ、私もその中に参加していますね、とても光栄でした。

■兎丸愛美
わたしは地方の田舎から身一つで大阪へやってきた日本人の女の子の役を演じました。台本の用意されていなかったこの作品の中では「演じていた」というよりも「生きていた」という表現の方がしっくりきます。大阪へは何度も訪れたことがあるはずなのに「ここがあの夢にまでみた大阪なのか」と、新しい世界へ踏み入れてしまったような気持ちになりました。たくさんのひとが行き交い、たくさんのひととすれ違う街。わたしが歩いた道をだれかが歩いて、だれかが歩いた道をわたしが歩く。わたしたちは同じ世界で生きている。他人の存在に気づけたわたしは少しだけやさしいひとになれたような気がします。

■桂雀々
『Come & Go カム・アンド・ゴー』の劇場公開決定、おめでとうございます!この作品は、大まかなシチュエーションだけ聞いて、あとは監督と演者がアドリブで演技するという独特のスタイルで撮影。最初は戸惑いましたがやってみると面白い!いい勉強になりました。様々な国や言語で混沌とした現代を斬る、リム監督の感性が光るこの作品を是非多くの人に観てもらいたいと思います!あっ!僕も出てます。

■尚玄
それぞれが抱えた問題をジャッジしたり、誇張したりするでもなく、程良い距離感で多国籍な登場人物たちの合間をすり抜けていくその軽妙さはまさにシネマドリフター。実際に異邦人として大阪で暮らしてきたリム監督だからこそ撮れた映画だと思います。158分という⻑尺を感じさせない娯楽群像劇ですので、ぜひ劇場でご覧になってください。

『COME & GO カム・アンド・ゴー』
11月19日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督・プロデューサー・脚本・編集:リム・カーワイ
出演:リー・カーション リエン・ビン・ファット J・C・チー モウサム・グルン ナン・トレイシー ゴウジー イ・グァンス デイヴィッド・シウ 千原せいじ 渡辺真起子 兎丸愛美 桂雀々 尚玄 望月オーソン
配給:リアリーライクフィルムズ

【ストーリー】 桜の花の蕾が膨らんで、満開の季節の訪れを誰もが感じている大阪・キタ。中崎町にある古い木造のアパートで、白骨化した老婦人の死体が発見された。警察は実況見分で、アパートの周りの捜査や関係者へ事情聴取を行っていた。孤独死なのか、または財産絡みの謀殺なのか、いろいろな噂が飛び交っている。そんな中、中国、台湾、韓国の観光客、マレーシアのビジネスマン、ネパール難⺠、ミャンマー人留学生、ベトナム人技能実修生などの外国人たち、彼らとの日常を共有している日本人たちの3日間の小さな出来事が、大阪の中心、梅田北区、通称「キタ」と呼ばれる限られた地域の中で人知れず起きている。時に滑稽で、時にもの悲しく、時に倒錯的に…。事件の調査が終わりを告げるとき、この間に彼らに起きた様々な人生の岐路も新たな展開を迎えようとしていた。

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