オリヴィエ・アサイヤス監督が巨匠ホウ・シャオシェン監督の素顔に迫るドキュメンタリー『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』9月公開!

フランス映画を代表する映画監督のオリヴィエ・アサイヤスが、世界の巨匠ホウ・シャオシェン監督を追った伝説のドキュメンタリー映画『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』が、9月25日より公開されることが決定した。併せて、予告編がお披露目となった。

1989年『悲情城市』でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞、台湾ニューシネマの旗手として世界にその存在を知らしめたホウ・シャオシェン監督。『黒衣の刺客』ではカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。2020年に監督生活40周年を迎えた。同年、57回台湾金馬奨・終身成就奨(生涯功労賞)を受賞し、「人を感動させるには、まず自分が感動することが必要」とスピーチをしたホウ・シャオシェン監督の尽きない創作意欲は、大きな感動を呼んだ。プレゼンターのひとりとして、是枝裕和監督が駆け付けたことも大きな話題となった。

本作のタイトル「HHH」は、ホウ監督の英語表記Hou(侯)Hsiao(孝)Hsien(賢)の頭文字に由来している。第20回東京フィルメックス特別招待作品フィルメックス・クラシックで上映され、今春「台湾巨匠傑作選2021 侯孝賢監督デビュー40周年記念 ホウ・シャオシェン大特集」でもプレミア上映になり、特に注目を集めて、待望の劇場初上映が決定した。

『パーソナル・ショッパー』で第69回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤス監督は、 “カイエ・デュ・シネマ”で映画批評家をしていた1984年、台湾ニューシネマの監督たちの存在に大きな衝撃を受け、いち早くフランスにおいて台湾ニューシネマを紹介した。本作では、13年来の友人であるホウ・シャオシェン監督はじめ、台湾ニューシネマを牽引した映画人たちへのインタビューを中心に、作品にゆかりの地をめぐり、1980年代に台湾ニューシネマの旗手として台湾映画を世界に知らしめ、デビュー40周年を迎えたいまなお世界を魅了するホウ・シャオシェン監督の軌跡を紐解いていく。

■オリヴィエ・アサイヤス(監督) コメント
ひとりのアーティストのポートレートとして、ホウ・シャオシェンという人間その人、友人としての彼をおさめたかった。

『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』
9月25日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ホウ・シャオシェン チュウ・ティェンウェン ウー・ニェンチェン チェン・グオフー ドゥー・ドゥージー ガオ・ジエ リン・チャン
配給:オリオフィルムズ

【作品概要】 世界の巨匠たちに映画監督がインタビューを行う、フランスのTVシリーズ「われらの時代の映画」。アンドレ・S・ラバルトとジャニーヌ・バザンによるこの伝説的な番組で、台湾ニューシネマをフランスに紹介してきたオリヴィエ・アサイヤス監督が台湾を訪れ、素顔のホウ・シャオシェン監督に迫った。取材当時、ホウ・シャオシェン監督は『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の脚本を執筆中だった。チュウ・ティェンウェン、ウー・ニェンチェンらホウ・シャオシェン監督と共に台湾ニューシネマを牽引した映画人たちへのインタビューを中心に、『童年往事 時の流れ』『冬冬の夏休み』『悲情城市』『戯夢人生』『憂鬱な楽園』の映像と共にホウ・シャオシェン監督とアサイヤス監督が作品にゆかりのある鳳山、九份、金瓜石、平渓、台北をめぐる。ホウ・シャオシェン監督は傍らのアサイヤス監督に、広東省から台湾に移住した家族のこと、少年期の思い出、そして映画に懸ける思い、映画製作のプロセスについて語りかけていく。最後のシーンでカラオケを熱唱するホウ監督の飾らない姿はその選曲とともに必見である。本作はINA (L’Institut National de l’Audiovisuel)により、オリヴィエ・アサイヤス監督の監修のもと、そしてアンスティチュ・フランセの協力を得て、デジタル修復された。

© AMIP-La Sept ARTE-INA-France 1997