「霧のむこうのふしぎな町」や「地下室からのふしぎな旅」など、長年にわたり愛され続けるベストセラー群を世に送り出した柏葉幸子による同名小説をアニメ映画化する『岬のマヨイガ』が、8月27日より公開される。このほど、追加声優キャストとして、大竹しのぶと粟野咲莉が出演すること、羊文学が主題歌を担当することが発表され、併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
居場所を失った17歳の少女・ユイ。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、“訪れた人をもてなす家”という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ”でいま始まる。
新たな声優キャストとして、ふしぎなおばあさん・キワ役を演じるのは、世代を超えて支持され続ける名実ともに日本を代表する女優・大竹しのぶ。そして声を失った少女・ひより役には、3歳から子役として活動し、連続テレビ小説「なつぞら」で奥原なつ役(ヒロインの子供時代)を演じ大きな反響を呼んだことも記憶に新しい、本作で声優初挑戦となる粟野咲莉(あわのさり)が扮する。
主題歌を務めるのは羊文学。楽曲「マヨイガ」は本作のために書き下ろされた。
予告編では、ユイとひよりが迷い込んだ人をもてなしてくれるふしぎな家“マヨイガ”で不安を感じながらもキワさんとの日々を過ごし、物語の舞台である岩手の緑豊かで美しい自然に囲まれる日々の中で新しい居場所を見つけていく。しかしそんな穏やかな雰囲気から一変、突如ユイたちの暮らす狐崎が、この町に昔から伝わる、人の哀しみや後悔から生まれる“アガメ”と呼ばれる怪異によって脅かされる。「私に今できること…ここがわたしの家だから…!!」と涙ながらに訴えるユイ。マヨイガに集う“ふしぎっと”と呼ばれる妖怪・河童たちと共に、それぞれの過去を乗り越え、ようやく見つけた居場所をユイたちは守ることができるのか?羊文学による主題歌「マヨイガ」がより一層、本作のノスタルジックでファンタジーな世界観を彩る。
ポスタービジュアルには、居場所を失った17歳のユイと8歳のひより、二人が突然出会ったおばあちゃん・キワさんとのあたたかく優しい日常が描かれ、岩手の緑豊かで美しい自然、マヨイガに集う河童や狛犬たちなどの“ふしぎっと”も収められる。
▼スタッフ&キャスト コメント
■大竹しのぶ(ふしぎなおばあちゃん・キワさん役)
初めて台本を読んだとき、おとぎ話を読んだような温かい気持ちになりました。キワさんが語る昔話が面白く、これをどんな風に読んだらいいんだろうととても楽しみでした。「ふしぎっと」と言われる、今の子供たちは信じてくれそうもないモノが沢山出てくるのもワクワクしました。キワさんはすこし人間離れした不思議なキャラクターなので、リアル感と不思議感の曖昧な感じを出すのが難しく、監督と相談をしてからアフレコに臨みました。人の優しさや温かさや勇気を信じることの出来る映画だと思います。ぜひ、劇場に見に来ていただけたらうれしいです。
■粟野咲莉(声を失った少女・ひより役)
ひよりは悲しい出来事をきっかけに声が出なくなってしまった女の子です。心の中で「どうして私だけ…」と思いながら生きていますが、周りに目を向けると、人は皆色々な悩み、悲しみを抱えていることに気付きます。この映画は、 私たち一人ひとりにやさしく寄り添ってくれる映画だと思います 。かわいい“ふしぎっと”たち、食材をふんだんに使ったお料理のアニメーションが私のお気に入りなので、ぜひ注目してみてください。
■塩塚モエカ(羊文学 Vo.&Gt./主題歌)
主題歌「マヨイガ」に込めたのは、ユイとひよりの幸せを願う気持ちです。おばあちゃんやマヨイガに出会う前の辛い日々を頑張って生きた抜いた二人に、これからの日々の美しさ、優しさにたくさん触れて、素敵な大人になってほしい。そう思って作曲しました。どんな形であれ「帰る場所」、即ち、自分を肯定してくれる場所があるということは、とても暖かいことです。そしてこの時代を生きるために、なくてはならないことだと思います。それが家族とは別の誰かの元かもしれないし、自分の心の中かもしれないし、音楽や芸術かもしれない。私自身や、私の音楽も誰かのそういう場所になれたらいいと思います。
『岬のマヨイガ』
8月27日(金) 全国公開
監督:川面真也
原作:柏葉幸子「岬のマヨイガ」
脚本:吉田玲子
主題歌:羊文学「マヨイガ」
声の出演:芦田愛菜 達増拓也 大竹しのぶ 粟野咲莉
配給:アニプレックス
【ストーリー】 ある事情で家を出てきた17歳のユイ(声:芦田愛菜)と、両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳のひより(声:粟野咲莉)。居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさん(声:大竹しのぶ)と出会い、海を見下ろす岬に建つふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。なりゆきでキワさんに着いて来てしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。そんなある日、“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちがキワさんを訪ねてきた。彼らは町で相次ぐ怪奇現象を調べるため、キワさんに力を貸しに来てくれたのだった。ふしぎっとの存在と共に、キワさんは昔からこの地に伝わる伝説“アガメ”のことを語り出す。人々の悲しい思いを糧に大きくなっていくという“アガメ”と、人々を陰から守る存在“ふしぎっと”。新しく見つけた居場所と、自分のまわりの優しい人々を決して傷付けたくないと強く思うユイ。ユイとひより、そしてキワさんは、それぞれの過去を乗り越え、大切な居場所を守ることができるのだろうか…。
©︎柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会