菅田将暉「僕は勝手に志村さんを感じた」、永野芽郁、奇跡的な瞬間は山田洋次監督の「How are you?」

松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念して、山田洋次監督が沢田研二、菅田将暉のダブル主演、永野芽郁、宮本信子共演で贈る『キネマの神様』が、8月6日より公開される。このほど、6月28日に丸の内ピカデリー1にて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストの菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、前田旺志郎、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。

新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)が演じる予定であった、主人公のゴウ。若き日のゴウを演じた菅田は、志村さんの代役で現代のゴウを演じた沢田研二の演技を見て「僕は勝手に志村さんを感じた」とし、「確実にいろいろなものが残っていて、他にはない映画になった」と完成した作品に自信を見せた。

撮影の中で奇跡を感じた瞬間について聞かれると、「山田組に参戦できたことが何よりうれしい」と述べた菅田。続けて「山田組ではリテイクがあるという噂を聞いて。他の現場ではほとんどない。良くないように聞こえるかもしれないですけど、すごいうれしい」と話すと、山田監督が「良くないですよ(笑)」と苦笑い。しかし菅田は「こんなに求めてもらえるんだって。それだけ見てくれてるし、僕ら以上に考えてくれていると思うと、すごいうれしかった」とし、撮影現場の隣で山田監督と一緒にリテイクの稽古をしたそうで、「僕には奇跡的な時間」と撮影を振り返った。

永野は、山田監督から「朝、突然『How are you?』と言われて(笑)。監督の英語を聞けたという奇跡的な瞬間」に立ち会ったという。山田監督の英語の挨拶に対して、永野は「 『I’m fineです』って返したら、『良かった』と言ってくださって(笑)」と、山田監督との微笑ましいエピソードを明かした。

最後に挨拶した菅田は「山田監督の昔話を聞いているときが、俳優として財産になった。そんな映画が完成して公開できるのが、今は本当にうれしい。きっと期待に応えられる作品になっていると思います」と語っていた。

『キネマの神様』
8月6日(金) 全国公開
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
VFX監修:山崎貴
主題歌:RADWIMPS feat.菅田将暉「うたかた歌」
出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 北川景子 寺島しのぶ 小林稔侍 リリー・フランキー 志尊淳 前田旺志郎 片桐はいり 原田泰造 宮本信子
配給:松竹

【ストーリー】 ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くの食堂の娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。あれから約50年。あの日の「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。

©︎2021「キネマの神様」製作委員会