京都芸術大学映画学科の学生とプロが一丸となり、劇場公開映画を作るプロジェクト「北白川派」の最新作で、大人計画の上川周作が主演を務める『CHAIN/チェイン』が、11月に公開されることが決定した。
本作は、新選組終焉の象徴とも言われる “油小路の変”を背景に、歴史的事件の裏側で起きた様々な人間模様と、激動の時代をくぐり抜けた庶民たちの生き様を描く群像劇。
主演は本作が映画初主演となる大人計画の上川周作。上川は京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)在学中に『正しく生きる』、『赤い玉、』等北白川派作品に出演して演技力を磨き、卒業後に本格的な活動を開始。映画『止められるか、俺たちを』、『劇場』、NHK連続テレビ小説「まんぷく」や大河ドラマ「西郷どん」等で注目され、若手実力派俳優として脚光を浴びている。
監督は若松プロ出身で『正しく生きる』、『愛してよ』で知られる福岡芳穂。京都芸術大学映画学科教授として、北白川派の一角を担ってきた。「北白川派」は、井浦新出演作『嵐電』、岸部一徳出演作『正しく生きる』等、2009年から現在までに8作品を世に送り出し、映画祭グランプリを受賞するなどの目覚ましい活躍を続けてきた。そしてその功績が評価され、優れた若手コンテンツクリエイターに贈られる第3回京都デジタルアミューズメントアワードで、「映画・映像・アニメーション部門賞」を受賞した。脚本は『あゝ荒野 前篇 後篇』、『宮本から君へ』の港岳彦が手掛ける。
本作は、「5万回斬られた男」と呼ばれ数多くの時代劇で活躍し、今年1月に惜しくも逝去した俳優・福本清三の最後の出演作でもある。歴史的事件に関わった無名浪士たちのほとばしる情熱、激動の時代をくぐり抜けた人々の濃密な生き様を活写した、熱く激しい人間ドラマが誕生した。
■上川周作(山川桜七郎役) コメント
福岡芳穂監督の作品に出演させて頂くのは、『正しく生きる』以来、2度目になります。北白川派初の時代劇ですが、港岳彦さんと監督と学生とで話し合いながら練られた脚本は、台詞にすでに血が通っていて読んだ瞬間に面白い映画になる、と確信しました。色んな出会いと別れが描かれていて、中には望まない別れもあり僕は撮影中自分の死生観と向き合いました。幕末の七条油小路の変が題材になっていますが、ただ歴史を再現するのではなく、現在生きている私たちにこれからどう生きていくのか、と問いかけてくる映画です。
■福岡芳穂(監督) コメント
『CHAIN/チェイン』は幕末の京都を舞台とする時代劇です。時代劇ですが時代劇だと思ってると冒頭から「これはいったい時代劇なのか」となります。どうも「時間」が変なのです。私たちは時間というものを一貫した流れだと信じています。でも実は時間はいくつもあって、過去の人が夢見て果たし得なかった別の時間もあるかもしれなくて。歩いてる時ちょっと脇道に曲がるとそこにフッと別の時間の人が現れこっちを見てる…そんな感覚というか経験、ありません?
『CHAIN/チェイン』
11月 テアトル新宿、京都シネマほか全国順次公開
監督:福岡芳穂
脚本:港岳彦
出演:上川周作 塩顕治 村井崇記 和田光沙 辻凪子 土居志央梨 福本清三 大西信満 山本浩司 渋川清彦 高岡蒼佑
配給:マジックアワー
【ストーリー】 幕末、京都。鎖国で長く孤立状態にあった日本を変えるため、若者たちは様々な主義主張をぶつけ合い血を流し争っていた。会津藩を脱藩した無名浪士・山川桜七郎(上川周作)は、ある事件をきっかけに近藤勇(山本浩司)率いる新選組と、伊東甲子太郎(高岡蒼佑)率いる御陵衛士の対立に巻き込まれる。
©北白川派