綾野剛、舘ひろしから継承したのは“背中”と“スーツ”、舘ひろし「返してもらいたい」

第43回日本アカデミー賞で主要3部門を受賞した『新聞記者』の藤井道人監督と制作プロダクションのスターサンズが再びタッグを組み、綾野剛と舘ひろしの共演で贈る『ヤクザと家族 The Family』が、1月29日に公開され、同日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた初日舞台挨拶に、キャストの綾野剛、舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚、藤井道人監督が登壇した。

本作の公開初日を迎えて、綾野は「とても感謝。ぜひ劇場で観ていただけたら幸いです」と感慨深い様子。試写での評判が良いという本作だが、綾野も周囲から「『素直に大傑作』だと言われる」そうで、「自分自身の集大成。最愛の作品なので、客観的な言葉を聞いたときに自分たちの愛を受け取ってもらえた感覚」と嬉しそうに語った。

「舘さんとの共演で、継承したものは?」と聞かれた綾野は「今、映画もドラマも情報過多になっている。セリフで解決しなきゃいけないことが多い中で、舘さんの背中は、しゃべらなくても佇まいだけで物語がある。なんとなく自分たちが忘れていたことを、とても大事だなと素直に思えました」と舘から学んだことを明かした。

今日着ているスーツは舘からのもらい物だと明かした綾野は、「そういう意味でも舘さんを継承している」とコメント。対して「ある番組でそういう流れになりまして…」と述べた舘は、「僕が着てるより全然かっこいいので、返してもらいたい(笑)」と冗談めかして笑った。

本作を誰に観てほしいかを聞かれた綾野は、「今やっている作品の、現場のスタッフとキャストに観て欲しい」とコメント。同じ質問に舘は「亡くなった渡(哲也)さんに観てもらいたい」の述べ、「いつも褒めてくれていた。自信をつけようと。『ひろし、お前はいいな』って、きっと言ってくれると思う。怒られるかもしれませんが(笑)」としみじみと語った。

1月26日に39歳の誕生日を迎えた綾野を、「39 GO」と描かれたバースデーフラワーで祝う一幕も。思わぬサプライズに綾野は「めちゃくちゃ嬉しい。幸せです」と喜びを噛みしめている様子だった。

『ヤクザと家族 The Family』
2021年1月29日(金) 全国公開
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
出演:綾野剛 尾野真千子 北村有起哉 市原隼人 磯村勇斗 菅田俊 康すおん 二ノ宮龍太郎 駿河太郎 岩松了 豊原功補 寺島しのぶ 舘ひろし
制作プロダクション:スターサンズ
配給:スターサンズ KADOKAWA

【ストーリー】 1999年、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っている時に、柴咲組組長の危機を救った男・山本賢治(綾野剛)。自暴自棄になっていた自分に手を差し伸べてくれた柴崎博(舘ひろし)に心の救いを得て、二人は父子の契りを結ぶ。2005年、短気な面もあるが一本気さのある山本は、ヤクザの世界で男をあげていく。激化する因縁の相手・侠葉会との争い、自分と同じような境遇で育った女性との出会い、大切な家族である仲間を失ってしまうなど、人生を大きく揺り動かす激動の瞬間に愚直なまでに向き合って生きる山本、そして彼は自分の“家族・ファミリー”を守るために、ある決断をする…。2019年、14年もの年月を犠牲にした山本が出所後目の当たりにしたのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなく、存続していくのもギリギリな状態に一変していた柴咲組の姿。時代の流れによる大きな変化に戸惑いながらも、愛する家族との生活を望み、新たな人生を歩もうとする山本に、状況を根底から揺るがす事件が…。

©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会