竹財輝之助「小林涼子さんに蹴られるシーン」、猪塚健太「2年越しの二人の愛と拗らせのぶつかり合い」印象に残ったシーンを回答

丸木戸マキによるBL漫画が原作で、三木康一郎監督が竹財輝之助と猪塚健太のダブル主演で贈る、FOD史上最速で100万回再生を突破した大ヒット配信ドラマの映画版『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』が、2月26日より公開される。このほど、1月16日にフジテレビ マルチシアターにて映画化記念イベントが行われ、キャストの竹財輝之助、猪塚健太、吉田宗洋、そして三木康一郎監督が登壇した。

「映画化記念イベント」は無観客ライブ配信で開催。トークイベント前には映画版に繋がる木島(竹財輝之助)、久住(猪塚健太)の2年間が描かれた「ポルノグラファー~春的生活~(以下、春的生活)」が先行配信された。

イベント冒頭、竹財は「ついに映画化となりました。ここまで来られたのは、作品を愛してくださった皆さんのおかげでしかありません。感謝しております。本日は楽しみましょう!」と嬉しさを爆発。猪塚は「映画化やったぜー!」と拳をつきあげて喜びを表現し、「ファンの皆様も広報担当です。映画は出来上がりましたので“#ポルノグラファー映画化記念”をどんどん呟いて、広めて、盛り上がっていきましょう!」とファンに呼びかけた。吉田は「とうとうここまでやってきました」と感慨深い様子で、「直接皆さんに会える形ではなく、配信イベントになってしまいましたが、楽しんでいきましょう」と気合を入れた。そして3人に比べてテンション低めで「こんにちはー」と挨拶した三木監督に、3人は同時に「テンション(低い)!」とツッコミを入れ、流れるようなコンビネーションを見せた。三木監督は「ドラマを2シーズンやって、さて3作目はどうするかというときに、どうせならこれまでと違う形で締めくくりたいと思い、映画を選択しました。関係各所よりしぶしぶ!?ご承諾を得て、映画にすることができました」とジョーク混じりでコメント。そして「本日はこの3人、特に一番奥の芸人のようなノリの彼(吉田)が楽しく喋ると思うので、よろしくお願いいたします」と映画化への経緯を明かしつつ、イベントの盛り上がりに期待を寄せた。

先行配信の「春的生活」と『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』(以下、プレイバック)の感想について、竹財は「素人みたいな感想になっちゃうのですが、ドラマの時から三木監督の映像は映画っぽいと思っていました。『プレイバック』は本当にちゃんと映画になっていたので、“すごい”と思ったのが最初の感想です。僕は、とにかく映画が大好きなので、この形でお届けできることを嬉しく思います。役者冥利に尽きる、贅沢な時間を過ごさせてもらいました。それもこれも皆さんのおかげだと心から思っています。僕、あまり感情が表にでないので、感動が伝わりにくいかもしれませんが、本当に心から嬉しいんです!」、猪塚は「『春的生活』はドラマ後の2年半がリアルに描かれていて、ここを経て『プレイバック』へと繋がっていきます。僕的には“(木島)理生さん”と名前で呼べるようになった経緯が描かれていて、とても印象深い話なので大好きです。配信と映画、両方楽しんでほしいです」、吉田は「城戸(吉田宗洋)としては複雑ですよね。僕の知らないところで、二人はこんなことになっていたのか、って。回想シーンで一瞬登場します(笑)。髪が割と短い頃だったので、さっきも3人で映像を観ながら、“髪が刺さりそう!痛そう!”なんて楽しく振り返っていました。懐かしいななんて振り返りながら楽しめるのもいいですよね」とコメント。そして三木監督は「(もう3年も携わっているので)シーズン1、2は忘れていることも多い」と茶目っ気たっぷりに微笑みつつも「『春的生活』を観てから、劇場版を観るのがおすすめです」と強調した。

ここで、事前に募集したファンからの質問に答えるコーナーへ。約2年半ぶりとなる撮影の感想を聞かれた竹財は、「『ポルノグラファー~インディゴの気分~』(以下、インディゴ)のときは、撮影直前に逃げ出そうと思ったくらい“どうしよう”という不安でいっぱいでしたが、今回は、すんなり役が戻ってきて、気負わずに現場に入ることができました」とニッコリ。猪塚も「久しぶりなので、どうかなと思ったけれど、竹財さんとちょっとセリフのやりとりをした後に、“あ、この感じだ!”という気持ちになりました。映画の撮影は理生さんの実家におじゃまするシーンから始まりました。他人の家族の中に入っている居心地の悪さ、というのが撮影序盤のぎこちなさとリンクする部分もあり、役と一体になって徐々に作品の世界観に入っていく感じがありましたね」と振り返った。吉田は「参加した期間はすごく短いのですが、二人の姿(背中)を観て、安心して入っていけた感じがします。僕はとても大事なシーンで“コーヒー”を“コーシー”と言ってしまう失敗をしてしまいましたが…」と告白。これについて猪塚は「スタッフさんからその話を聞きました。一緒のシーンがなかったのですが、吉田さんらしいなと思い、そのときの現場の話でいっぱい盛り上がりました」と吉田のいない現場でのスタッフ・キャスト陣のトークテーマを明かした。三木監督は「今回は暑い夏の撮影でした。印象に残っているのは、暑さです(笑)。あとは、前回までは竹財さんとすね毛は剃るのかなど、いろいろと細かい打ち合わせをしていたのですが、今回はまったくそういう相談がなくて。竹財さん自身がすでに木島を仕上げてきている感じでした」と振り返り、さらに冒頭で「久住くんの木島を見つめる目が“恋をしている目”だったので、“もう(役の感触を)思い出したのね”と安心しました。城戸は、まあ、どーでもいいです(笑)」と愛情たっぷりに、城戸役の吉田について口にした。

続いて、印象に残っているシーンについて、竹財は「菜月役の小林涼子さんに蹴られるシーンがありました。台本になかったので、“痛っ”と思いましたが、それがきっかけで家族の中の居心地の悪さを出すことができ、本当にありがたかったです。ビンタのシーンも含めて、痛かったですが、とても印象に残っています」とコメント。猪塚は「久住と理生さんとのぶつかり合いは必見です。2年越しの二人の愛と拗らせのぶつかり合いは大きな見どころでもあるし、それを経てどう幸せになっていくのかを見届けて欲しいです」とアピールした。吉田は「城戸目線では、いろいろと複雑なのですが…。僕自身、この作品のファンなので、吉田目線では松本若菜さん演じる明実春子の登場シーンにドキドキしました。特に最初の登場シーンは笑えました」と指摘すると、猪塚も「登場シーンでキャラクターがきっちり伝わってきました」と賛同。男性出演者は『プレイバック』で女性出演者が登場することで、物語に深みが出たと声を揃える。三木監督も「いつも男性だらけの映像を撮っていたので、女性がいるのがすごく違和感はありました」としながらも、3人の意見に納得の様子だった。そんな三木監督の一番印象に残っているシーンは、「終盤の木島と久住の絡み」と断言。「本当にいいシーンになっています」と胸を張った。

「もし、他のキャラクターを演じるとしたら、誰を選ぶ?」という質問に、竹財は「城戸です。僕だったらもっと上手にやれたかも」といたずらっぽく笑いながら吉田の顔を覗き込みつつ、「一番、人間らしいキャラクターで、一般社会にいる人の葛藤があるので、演じる吉田くんは大変だったと思います」とフォロー。猪塚は「自分の役を愛しすぎているからなぁ」と久住への溢れ出る愛情から、他のキャラクターを選ぶのはなかなか難しい様子。吉田の「“あけみ”かな」という回答に、竹財、猪塚からは「え?スナックがやりたいの?」と鋭いツッコミが入った。“あけみ”とは春子が経営するスナックの名前で“明実”は春子の苗字。この吉田の発言に三木監督が「雰囲気で答えるの、本当にやめて!」と嘆き、ツボに入った 3 人は笑い転げていた。

次に、ドラマ版を振り返り、ファンのお気に入りシーンベスト5の発表へ。配信を観た人にしかわからない貴重な撮影裏話なども明かされ、笑いが溢れる時間となった。そして、原作者の丸木戸マキの撮影現場訪問があったこと、さらには丸木戸が「プレイバック」を描く際に、実写版で出来上がったキャラクターを参考にしていることが明かされた。竹財も猪塚も「原作の実写化にも関わらず、劇場版ではそれぞれがドラマ版で仕上げたキャラクターが参考になるなんて、こんな光栄なことはありません!」と恐縮しながらもよろこびを隠せない様子だった。

登壇者一同は「#ポルノグラファー映画化記念」で呟かれたコメントをチェックしながらフリートークを開始。竹財が「音楽にすごく助けてもらいました。芝居だけでは弱かった部分がたくさんありました。音楽の力の凄さを改めて感じさせてもらいました」、三木監督は「3作品ともぴったりでした。毎回ハマるなんてことは滅多にない」、吉田は「ファン目線でいうと、どんな風に曲を作り上げたのかというのも、いつか聞いてみたいです!」と語った。「監督がかわいい」というコメントも呟かれており、三木監督が照れながらも「独身です~!」と画面越しにファンに呼びかける場面もあり、フリートークも大いに盛り上がった。

最後に、竹財は「こういう状況だからこそできたライブ配信のイベントでしたが、みなさんが楽しんでいただけていれば、僕らとしてもとてもうれしいです。3年関わらせてもらった作品です。今までの思い、感情、すべて詰め込みました。大きなスクリーンでご覧いただきたいです。劇場でお待ちしていますので、ぜひ、楽しんでください」と自信作をアピールし、イベントは幕を閉じた。

『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』
2月26日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
監督:三木康一郎
原作:丸木戸マキ「續・ポルノグラファー プレイバック」
音楽:小山絵里奈
主題歌:鬼束ちひろ「スロウダンス」
出演:竹財輝之助 猪塚健太 松本若菜 奥野壮 小林涼子 前野朋哉 吉田宗洋 大石吾朗
配給:松竹ODS事業室

【ストーリー】 官能小説の「口述代筆」。奇妙な出逢いをへて恋人になった、ポルノ作家・木島理生(竹財輝之助)と大学生・久住春彦(猪塚健太)。木島が田舎へ里帰りしてからも、文通で遠距離恋愛を続けていた二人だったが就職したての久住とすれ違い、気まずい空気に…。そんな折、奇しくも再び腕を負傷した木島はかつてを思い出すように、地元で知り合った青年・静雄(奥野壮)にペンを握らせる。そこへ久住がやってきてしまい…。

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