河瀨直美監督を審査員長に迎え、2017年に発表された第1回木下グループ新人監督賞で241本の中から栄えあるグランプリに選ばれた、吉沢亮主演の青春物語『AWAKE』が、本日12月25日に公開初日を迎えた。それを記念し、吉沢のインタビュー映像がお披露目となった。
本作は、2015年に実際に行われ、当時、ネットユーザーや将棋ファンの間でかなりの物議を醸した棋士VSコンピュータの対局に着想を得て、山田監督が書き下ろした完全オリジナルストーリー。天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会ったAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす。
インタビュー映像で、吉沢は棋士になる夢をあきらめ、AI将棋のプログラミングに新たな夢を見出す主人公・英一を演じる上で大切にしたことについて「こいつから将棋をとったら何も残らない男だなって感じを出したかった。姿勢とか目線とか。細かい部分を、気をつけながらやってましたね」と語り、続けて「撮影中、寝る前にカップラーメンとビールを飲んで、ちょっと太ろうと思って」と役作りの一端も明かした。また、本作が棋士VSコンピュータの将棋電王戦に着想を得たことにちなんだ、「自身を将棋の駒に例えるなら?」という質問には「あんまり強いやつ言っても恥ずかしいし、桂馬とか言って斜めにいってる感じもカッコ悪いし…」と悩むも、「まぁ、王様かな!」と照れ笑いを浮かべながら回答。本作が描くものについては「英一という人間の成長物語」と断言し、「人として必要なものが色々欠けている男が将棋以外のものに触れて、そういう部分を学んでいく話でもある」と根底にあるテーマを口にした。さらに、自身もすごく好きな作品と公言している吉沢は、「天才と凡人、そこの差もエンタメとして面白く描かれている作品」と太鼓判。そして、昨今の将棋ブームを牽引する藤井聡太二冠に会ったら話してみたいことについて聞かれると、「あの方の前で将棋のことなんか語れない」と恐縮しつつ、「AWAKEに勝てますか?って聞くと思います」とはにかんだ笑顔を見せた。最後に、「将棋ファンの方々にはもちろん、全然将棋のルールがわからない人や将棋映画をあんまり観たことない人でも、楽しめるエンターテイメントになってます!」と本作への自信をのぞかせた。
『AWAKE』
12月25日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督・脚本:山田篤宏
出演:吉沢亮 若葉竜也 落合モトキ 寛一郎 馬場ふみか 川島潤哉 永岡佑 森矢カンナ 中村まこと
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】 大学生の英一(吉沢亮)は、かつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。同世代で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉竜也)に敗れた英一は、プロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入学したのだった。幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれるはずもなくぎこちない学生生活を始めるものの、なかなか友人もできない。そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。独創的かつ強い。まさに彼が理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は、早速人工知能研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ)の手ほどきを受けることになる。自分の手で生んだソフトを強くしたい。将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。数年後、自ら生み出したプログラムを“AWAKE”と名付け、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。返答に躊躇する英一だったが、相手がかつてのライバル、若手棋士として活躍する陸と知り…。
©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ