8時間以上に及ぶ“眠り”のためのコンサートを追ったドキュメンタリー『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』3月公開!

グラミー賞ノミネートの作曲家マックス・リヒターが企画する、“眠り”をテーマとするコンサート「SLEEP」を“映画館”で体験できるドキュメンタリー『Max Richter’s Sleep(原題)』が、邦題『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』として、2021年3月26日より公開されることが決定した。併せて、場面写真がお披露目となった。

観客は開演した真夜中から明け方まで、会場に並べられたベッドに横たわり、8時間以上に及ぶマックス・リヒターによる「SLEEP」のライブ演奏を聴く。そしてそのまま本当に眠ってしまったり、歩き回ることも自由…。本作は、ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など世界各地のシンボリックな場所で次々と開催し話題をさらった“眠り”をテーマとするまったく新しいスタイルのコンサート「SLEEP」の全貌とその裏側を、このコンサートを企画、そして「SLEEP」の作曲・演奏も手掛けた音楽家マックス・リヒターの素顔とともに追いかけた珠玉のドキュメンタリー。

2018年7月、真夜中のロサンゼルス。総合芸術施設であるグランド・パークに、一人のミュージシャンがやって来た。“眠り”をテーマとした異色のコンサート「SLEEP」の中で演奏される「SLEEP」の作曲を手掛けたマックス・リヒターだ。コンサートは明け方まで約8時間以上に渡って続くため、リヒターをはじめ演奏者たちは準備に余念がない。やがて観客たちが入場。ステージの前には簡易ベッドが並び、観客は寝袋を出したり毛布を広げたり、それぞれのやり方でコンサートに備える。驚くべきことに、ミュージシャンが演奏中に観客は寝てもいいし、会場を自由に歩き回っても、外に出ても構わないのだ。

そんな型破りなコンサートをリヒターが思いついたのは、睡眠に対する素朴な興味からだった。睡眠は人間にどんな影響を与えているのか。音楽はどんな風に人間の脳に影響を与えるのか。リヒターは脳科学者のデイヴィッド・イーグルマンの協力のもと音楽と睡眠を科学的に分析し融合、これまでに誰も経験したことのない新しい音楽体験、そして最高級の“眠り”と“目覚め”へと導くための楽曲「SLEEP」を作り上げていった。

マックス・リヒターは、クラシックとエレクトロニック・ミュージックを融合させて作られるポスト・クラシカルの旗手であると同時に、映画やテレビのサントラも数多く手掛け、『戦場でワルツを』がヨーロッパ映画賞作曲賞、『メアリーとエリザベス ふたりの女王』がハリウッド音楽メディア賞作曲賞を受賞したほか、『アド・アストラ』が2021年度に開催される予定の第63回グラミー賞最優秀スコア・サウンドトラック賞にノミネート。加えて、大ヒットSF映画『メッセージ』のオープニング&エンディングでも彼のオリジナルスコア「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」が使用され、日本でもiTunesクラシック・チャート1位を獲得するなど、いま、映画音楽の世界においてもっとも重要なアーティストの 一人ともいわれる人物である。

劇中では、そんなリヒターと彼の公私にわたるパートナーであり、本コンサートも一緒に作り上げてきたマールへのインタビューや、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像、そして、彼が作曲家として成功するまでの苦難の道のりやマールとの強い絆も明らかにされていく。

監督を務めるのは、ボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョーンズ。その繊細な演出と美しい映像で「SLEEP」の魅力を浮かび上がらせる。

場面写真には、ニューヨークでのコンサートの際、演奏会場に設置されたベッドの上で、マックス・リヒターらの演奏に全身を委ねて聴き入る一人の女性の姿が収められる。

なお、今年、リヒターは「SLEEP」と並行する形で作曲していた「ヴォイシズ」を発表。1948年に第3回国際連合総会で採択された、すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言である“世界人権宣言”を朗読テキストに用いたオーケストラと合唱のために作られた大作であり、朗読には『男と女、モントーク岬で』、『東ベルリンから来た女』のニーナ・ホスや、『タイラー・レイクー命の奪還』、『パターソン』、『彼女が消えた浜辺』のゴルシフテ・ファラハニらも参加。日本版は9月に発売され大きな話題となったほか、世界人権デーでもある12月10日にはBBCラジオをはじめ世界各地35局にて放送されることが決定している。

『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』
2021年3月26日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ナタリー・ジョーンズ
製作:ステファン・デメトリウ ジュリー・ヤコベク ウアリド・ムアネス ユリア・マール
出演:マックス・リヒター ユリア・マール グレース・デイヴィッドソン(ソプラノ) エミリー・ブラウサ(チェロ) クラリス・ジェンセン イザベル・ヘイゲン(ヴィオラ) ベン・ラッセル(ヴァイオリン) アンドリュー・トール
配給:アット エンタテインメント

【作品概要】 ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など世界各地のシンボリックな場所で次々と開催し話題をさらった“眠り”をテーマとするまったく新しいスタイルのコンサート「SLEEP」の全貌とその裏側を、このコンサートを企画、そして「SLEEP」の作曲・演奏も手掛けた音楽家マックス・リヒターの素顔とともに追いかけた珠玉のドキュメンタリー。

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