2020年、松竹映画は記念すべき100周年を迎える。そんな松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念して、山田洋次監督が沢田研二、菅田将暉のダブル主演、永野芽郁、宮本信子共演で贈る『キネマの神様』が、2021年に公開される。このほど、本作のキャラクタービジュアルがお披露目となった。
本作は、無類のギャンブル好きで家族にも見放された主人公・ゴウに“映画の神様”が奇跡をもたらす愛と友情の物語。今年3月にクランクインし、3月下旬に主演に決定していた志村けんが逝去、現今の状況下による撮影中断、全国の映画館が休館とあらゆる困難を乗り越え、新たに沢田研二の出演を迎え撮影が再開されていた。
沢田研二が演じる主人公のゴウは、無類のギャンブル好きで、家族にも見放されたダメ親父。日々ギャンブルに明け暮れるゴウだが、実は一つだけ賭け事以外の趣味がある。それは“映画”。大好きな“映画”を語る時、ゴウは活き活きとし、そのまなざしは愛に満ち溢れる。ビジュアルの中のゴウも穏やかで、かつて自分が辿った“銀幕の旅路”に思いを馳せているようにも思える。対して菅田将暉扮する若き日のゴウの眼差しは熱い。カチンコを片手に映画制作に全身全霊を傾けるその力強い視線からは、微塵の曇りも感じない。二人のゴウの今と昔、果たしてかつての映画青年に何があったのか?ゴウの人生を語る上で、欠かすことのできないのが、ゴウの妻・淑子(宮本信子)。家庭を顧みない夫に業を煮やしながらも、なんだかんだとゴウを支えてきた。ビジュアルからもひしひしと伝わる愛情あふれる笑顔が、彼女の懐の深さを物語る。そして若き日のゴウが密かに想いを寄せていた若き淑子(永野芽郁)。ゴウが通う食堂で働いていた彼女の存在は、撮影所仲間のテラシンと共に映画漬けの生活を送っていたゴウに、ほんのりと淡い恋の風を届ける。
さらに注目なのは、それぞれのビジュアルに映り込む鮮やかな感光(※)と背景。登場人物たちの記憶の断片をフィルムに映し出しているかのように見えるその淡い光が差し込むことで、本作の公開に込められた作り手たちの温かな想いが虹の架け橋によって繋がり、一つの物語として更なる輝きを放つ。一枚の静止画にも関わらず、彼らの人生が想像できる、至極のビジュアルとなっている。
※感光:フィルムなどの物質が光を受けて反応し、化学変化を起こすこと。
『キネマの神様』
2021年 全国ロードショー
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 宮本信子
配給:松竹
【ストーリー】 ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは“映画”。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年。あの日の『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。
©︎2021「キネマの神様」製作委員会