「陽だまりの彼女」の越谷オサムによる同名小説を、横浜聡子監督が駒井連主演、豊川悦司共演で映画化する『いとみち』が、2021年に公開される。このほど、追加キャストとして、黒川芽以、中島歩、横田真悠、古坂大魔王が出演することが発表された。
青森県・津軽を舞台に、人見知りで内気な津軽弁少女・いとの青春を描く本作。タイトルにもなっている“いとみち”とは、三味線を弾くときに爪にできる糸道(溝)のこと。そこから名前の由来をもつ相馬いとは、青森県弘前市の高校に通う16歳。特技は祖母と、今は亡き母から引き継いだ津軽三味線だが、強い津軽弁訛りと人見知りのせいで、本当の自分を誰にも見せられず友人も少ないが、ひょんなことから始めたメイドカフェでのアルバイトがきっかけで大きく変わっていく。
新たなキャストとして、いと(駒井蓮)の内気さを気に入り採用する、怪しげな風体のメイドカフェのオーナー成田役に、自身も青森市の出身で2011年より青森市観光大使も務める古坂大魔王。シングルマザーでアップルパイ作りが得意な先輩メイド、“永遠の22歳”幸子役に、昨年、主演作『美人が婚活してみたら』など映画5本、TVドラマ4本に出演し、多彩な役柄を演じきる実力派女優・黒川芽以。もう一人の先輩メイドで、漫画家を目指すちゃっかりモノの愛されキャラ・智美役に、映画出演はまだ3本目ながら芝居に定評があり、10代から絶大な人気を誇るSEVENTEENモデルの横田真悠。そして一見クールで謎めいたメイドカフェ店長・工藤役に、中国・日本・ドイツ合作の『サタデー・フィクション』(公開未定)にも出演するなど海外でも活躍の幅を広げている中島歩が扮する。
▼スタッフ&キャスト コメント
■黒川芽以(先輩メイド/葛西幸子役)
とてもとても面白い役がきた!まずは、その印象でした。そしてじわじわ30代でメイド服か…と。しかし想像以上に馴染むデザインの衣裳で可愛かったです。シングルマザーの役は何故か多めなのですが、今回はそこに青森弁とメイド服。キャラが濃いめで、演じるのがとても楽しみですが、根本に母であること、母性をしっかりもっていることを大切にしながら作っていきたいと思っています。また所々セリフのやりとりにクスッとできる部分があるので、面白さも追求できたらなと思います。津軽でのロケは初めてで、とても楽しみにしていますが、このご時世ですので、まず健康第一、細心の注意を払っていきたいと思います。しかしチームワークも特に大切な作品なので、その中での出来る限りのコミュニケーションはとっていきたいなと、そして、こんな中ではありますが、作品を通して津軽の魅力を知ったり伝えられたらいいなと思います。
■中島歩(津軽メイド珈琲店長/工藤優一郎役)
いとがとっても可愛らしく、くすくす笑える爽快な物語だなぁと思いました。僕は津軽メイド珈琲店の店長の役なので、メイドの皆さんとお客さんと素敵なメイド珈琲店作りを目指します。そして青森の景色とご飯!あと出会う人たち!にも期待しています。
■横田真悠(先輩メイド/福士智美役)
脚本を読み終わったあと、心が温かくなって、うるっときたことを覚えています。この先も“いと”を近くで見守っていたいと感じました。智美は感情が昂ぶると津軽弁が出てしまうところがあるので、それをいかに自然に出せるか、頑張りたいです!青森には今まで行ったことがないのですが、この時期の津軽はとても心地良さそうなイメージがあるので、青森の美味しい空気をたくさん吸いたいです!
■古坂大魔王(津軽メイド珈琲店オーナー/成田太郎役)
愛する地元青森が舞台の映画に出演できるなんて、何たる光栄!(横浜聡子監督は)青森出身の監督、更に女性監督というのは今までご一緒したことがないので、撮影が楽しみですし、一緒に仕事ができることを光栄に思っています。更に主演の駒井さんも初めてお会いするのですが、これまた同じ青森出身!同郷同士、一緒にこの映画を、そして青森を盛り上げていければいいなと思います!エンターテインメントの世界と言うのはライフラインではないので、皆の気持ちに余裕ができないと楽しんでもらえません。しかし、そんな時だからこそ、エンターテインメントはものすごく力を発揮するものだとも思っています。ねぶた祭が中止というのは非常に残念ですが、羽は一度縮んでから広がり、大空を飛んでいきます。来年から、そしてその先、この映画が青森と一緒に大空へ飛んでいくきっかけとなれれば嬉しいなと思っています。頑張ります!エンターテイメント!青森県民はもちろん!全国の沢山の方に見てほしい!!若くして上京して東京生活が長いので、上手く青森弁が話せるか不安ですが…(笑)。こんな時だからこそ、皆さんの心に残る、笑顔になれる作品となるように、青森魂で撮影頑張ります!
■横浜聡子(監督)
黒川芽以さん。黒川さんの明るさや美しい憂いが、深い人生経験があるからこその強さでメイドたちを引っ張っていく幸子の姿と重なりました。ご一緒するのは二度目で、今回は津軽弁を話すという難所もありますが、そこだけに縛られず、黒川さんの伸びやかなお芝居にまた出会えることが嬉しいです。横田真悠さん。見れば見るほど味わい深く最終的にはなぜか目が離せなくなる、単なる「可愛い」で収まらないあの豊かさは横田さんのどんな生き方から生まれたものなのか興味深いです。智美は物事を俯瞰し未来を見据えている人物ですが、横田さんの神秘性によりどう立体化されるのか、とても楽しみです。中島歩さん。ある種の生活感のなさというか、過去を簡単に他人に想像させない工藤店長でいてほしく、中島さんにお願いしました。多くを語らないけれど、その人がいるといないとでは空間が全く変わってくる存在。それに往年の映画スターの面持ちである中島さんを撮ってみたいなと前から思っていました。古坂大魔王さん。古坂さんは青森の土着感を持ちつつ、喋り方もルックも独自で居そうで居ないかたなので、「青森を舞台にした、映画というフィクションの世界」にまさにふさわしい人だと思いました。古坂さんの唯一無二の肖像は、この映画の中の成田の異物的な存在感をより強固にしてくれることと思います。
『いとみち』
2021年 青森先行公開、以後全国公開
監督・脚本:横浜聡子
原作:越谷オサム「いとみち」
出演:駒井蓮 黒川芽以 中島歩 横田真悠 古坂大魔王 豊川悦司
配給:アークエンタテインメント
【ストーリー】 “いとみち”とは三味線を弾くときに指にできる糸道のこと。そこから名前の由来をもつ相馬いと(駒井蓮)は、青森県弘前の高校に通う高校生。特技は祖母と、今は亡き母から引き継いだ津軽三味線だが、強い津軽弁訛りと人見知りのせいで、本当の自分を誰にも見せられず、友人もいない。そこで、思い切ってはじめたアルバイト先は、なんとメイドカフェ。少しあやしげな店長、先輩メイドたちのシングルマザーの幸子(黒川芽以)、漫画家を目指す智美(横田真悠)、そして風変りな常連客たち。メイドカフェで働く娘を心配しつつ見守る父親も登場し、いとの成長を描く。メイド服で津軽三味線をかき鳴らすいとが、本当の自分を解放する時、自分らしく、色鮮やかな人生を織りなしていく。