『MOTHER FUCKER』で映画監督デビューを果たした大石規湖監督が贈る、今年結成38年を迎える日本を代表するパンクバンド・the 原爆オナニーズを追ったドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』が、10月24日より公開されることが決定した。
1982年、名古屋でTHE STAR CLUBに在籍していたEDDIEと地元のパンク博士とも言えるTAYLOWを中心に結成したthe 原爆オナニーズ。38年にわたり名古屋を拠点にパンクロックを演奏し続ける、まさに日本が世界に誇る現役キャリア最長のパンクロックバンドである。バンドは数度のメンバーチェンジを繰り返し、後に遠藤ミチロウが率いるザ・スターリンやBLANKEY JET CITYに加わる中村達也やHi-STANDARDの横山健が在籍したことでも知られる。インパクト絶大のバンド名はSEX PISTOLSを文字って付けられたが、TAYLOWは “原爆”、“オナニー”と言うワードについて「このバンド名に嫌悪感などの反応を持ち、核・反戦について問題提起が出来れば良い」と述べる。メンバーは TAYLOW(Vo.)、EDDIE(Ba.&Vo.)、JOHNNY(Dr.)、SHINOBU(Gt.)。活動の拠点は結成以来、地元愛知に拘り、当時は当たり前であったプロになる事は目指さずに定職を持ち、そして60歳を超えた今でもパンクロックをやり続けている。キャリア初となるドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』では、これまで語られる事のなかったバンド内部の真実が本人たちによって遂に明かされる。
映像作家、大石規湖(のりこ)は、地下レーベルLess Than TV主宰の谷ぐち順、YUARI、共鳴の家族とその仲間たちに密着したドキュメンタリー映画『MOTHER FUCKER』(2017)で映画監督デビューを果たし、次回作の構想を練っていた。そして2018年9月、名古屋の“今池まつり”で老若男女を熱狂させる地元が誇るパンクバンド”the 原爆オナニーズ“のライブを目撃する。その衝撃は彼女に彼らの活動を記録することを即座に決断させた。彼女が興味を持ったのは、単純ないくつかの疑問だった。なぜこのバンドは愛知県を拠点にし続けているのか。なぜバンドに専念しないで仕事をしているのか。なぜ60歳を過ぎて今なお激しいパンクロックに拘っているのか。それだけだった。日頃から若いバンドが活動と生計の両立に苦しむ姿を目の当たりにするからこそ、どうしても知りたい興味が湧いたのだ。しかし密着を始めると次第に浮き彫りになってきたのは、メンバー同士では決して口に出さない互いへの揺るぎない信頼、バンドと言う奇跡のバランス、そこにしか存在しない唯一無二の正義、バンドの内部でしか知る由も無い事実…。そして、なぜ彼らが40年にわたりパンクロックを続けられるのか、その理由が少しだけ分かってくるのだった。このドキュメンタリーは全てのバンドマンに活動し続けるヒントを圧倒的なパワーで届けるだけでなく、未曾有のコロナ禍の中で日常を奪い去られても生きていかなくてはならない我々に、それでもやり続ける力を与えてくれるに違いない。
■TAYLOW(the 原爆オナニーズ) コメント
自分で言うのもなんだけど、愛知&名古屋って不思議なエリアだよね。“ハードコア”が、ごく一般的に認知されているんだから。新型感染症を乗り越えるため今池商店街の心意気は、“今池ハードコアは死なず”。the 原爆オナニーズの地域に密着した日々を覗いてください。
■大石規湖(監督) コメント
自分たちの場所で、仲間、家族と、自分たちの時間軸で続けている人たちが一番強い、と感じながら作った映画です。この映画はコロナ禍になる前に完成したものですが、その気持ちは今でも変わりません。そんな人たちの“日常”が続いていってほしいという想いをこめて。そして映画を通してライブを体感してほしいです。是非観てください!
『JUST ANOTHER』
10月24日(土)より、新宿K’s cinemaほかロードショー、以後全国順次公開
監督・企画・制作・撮影・編集:大石規湖
出演:TAYLOW EDDIE JOHNNY SHINOBU(以上、the原爆オナニーズ) JOJO広重 DJ ISHIKAWA 森田裕 黒崎栄介 リンコ
ライブ出演:eastern youth GAUZE GASOLINE Killerpass THE GUAYS 横山健
配給:SPACE SHOWER FILMS
©2020 SPACE SHOWER FILMS