芥川賞作家の今村夏子による小説を、主演に芦田愛菜を迎え、『日日是好日』の大森立嗣監督が映画化する『星の子』が、10月に公開される。このほど、永瀬正敏と原田知世が、芦田扮するちひろの両親役で出演することが発表された。併せて、特報映像と場面写真がお披露目となった。
本作の主人公は、中学3年生の“ちひろ”。大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治した“あやしい宗教”を深く信じていた。中学3年になったちひろは、一目惚れしてしまった新任のイケメン先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。そして、彼女の心を大きく揺さぶる事件が起きる…。
永瀬正敏と原田知世は、同じ1983年にスクリーンデビューし、夫婦役では『紙屋悦子の青春』以来、実に14年ぶり2度目の共演となる。本作では、ちひろ(芦田愛菜)の成長を愛情たっぷりに見守る一方で、幼少期、病弱だったちひろを救った“水”と、その水を販売する“あやしい宗教”を深く信じてしまうことから、家が日に日に貧乏になり、挙句の果てにはフリーマーケットで買ったお揃いの緑のジャージしか着なくなる両親を演じる。
■永瀬正敏(ちひろの父役) コメント
信じる事の“純粋さ”と、ある意味“狂気”を家族と言うかけがえのないものの中でどう表現していくのか?大森立嗣監督の真っ向からのチャレンジを芦田愛菜さん、原田知世さん方と共に、旅出来た事はとても光栄でした。そこに存在しているだけで愛しさが湧いてくる芦田さん、物語の中の同じ時を過ごして来たその想いを、自然に醸し出してリードして頂いた原田さん、そして再び大森監督の現場に立たせていただいた事…。この作品に関わった全ての皆さんに感謝しています。“何かを心から信じる”事への“あるひとつの家族”の愛と葛藤の物語を、是非劇場でご覧いただければと思います。
Q:自身の役柄について。
人は何か一つの出来事に対して、信じてしまえば次第にそれが真実になっていく。そういう風に最後まで流れていくといいなと思いました。
Q:原田知世との共演について。
14年ぶりにご一緒させてもらって、あまりの変わってなさにびっくりしました。“信じるものがばっちり一致している夫婦”の役でしたが、知世さんの演技を見て、感情がパッと浮かび上がるような感覚があり、だいぶリードしてもらった気がします。
■原田知世(ちひろの母役) コメント
「未熟児だって…ただただ健康に」映画の冒頭で、日記に書き綴られた母の祈り。そんな母の切実な思いを胸に演じました。赤ちゃんのちひろ、小学生のちひろ、そして、中学生になったちひろ。成長していく娘との一つ一つのシーンを演じていく中で、愛おしさが溢れ、同じ思いで娘を見つめる父、永瀬正敏さんの穏やかな温もりに支えられながら、ラストシーンを迎えることが出来ました。この作品に参加できたことをとてもしあわせに思います。
Q:自身の役柄について。
今まで演じたことのない新しい役でした。ほかの人から見るとちょっと奇妙に見えたりする部分もあるのですが、子供を深く愛していて、夫婦が同じ方向を見て共に手を取って歩んでいる。すごく幸せそうで温もりを感じました。
Q:永瀬正敏とお揃いで着用する全身緑色のジャージについて。
一人より二人で着ている方が楽しかった。
■芦田愛菜(ちひろ役) コメント
永瀬正敏さんと原田知世さんの演じる両親の姿から、ちひろが大事に育てられてきたことを感じました。お二人とも本当の両親みたいにあたたかく接してくださり、待ち時間にもたくさんお話ができてとても嬉しかったです。
特報映像は、主人公ちひろ(芦田愛菜)が自らの思春期を思い悩み、ひとり遠くを見つめるシーンから始まる。「私、この水飲むと風邪引かないんです」と先生に語るちひろの言葉からは、病弱だったちひろ自身を救った“あやしい宗教”を深く信じる父(永瀬正敏)と母(原田知世)に対する、複雑な感情が垣間見られる。何かから逃げるように街を駆け抜けるちひろ。頭にタオルを乗せて水を掛け合う両親。本格女優として堂々たる主演を果たした芦田愛菜、そして日本映画を牽引してきた永瀬正敏と原田知世が演じる、家族のドラマに期待が高まる。
『星の子』
10月 全国公開
監督・脚本:大森立嗣
原作:今村夏子「星の子」
出演:芦田愛菜 永瀬正敏 原田知世
配給:東京テアトル ヨアケ
【ストーリー】 大好きなお父さん(永瀬正敏)とお母さん(原田知世)から愛情たっぷりに育てられたちひろ(芦田愛菜)だが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治した“あやしい宗教”を深く信じていた。中学3年になったちひろは、一目惚れしてしまった新任のイケメン先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。そして、彼女の心を大きく揺さぶる事件が起きる…。
©2020「星の子」製作委員会