歌舞伎界の新星・八代目の市川染五郎が映画初出演にして初声優、初主演を務め、杉咲花がヒロインの声を務める『サイダーのように言葉が湧き上がる』が、5月15日より公開される。このほど、3月23日に新宿ピカデリーにて完成披露報告会が実施され、声を担当した市川染五郎、杉咲花、イシグロキョウヘイ監督が登壇した。
完成した映画を観て、「本当に感動した」という市川は、「声優も映画も初仕事だったので、不安だったんですけど、不安を乗り越えて作品が完成して皆様に届くということで、どんな反応をいただけるのか楽しみ」だと述べた。映画について家族からの反応を聞かれると、市川は「父も試写会で観てくれたそうで、『良かったよ』と言ってくれました。母は『泣いた』と言ってました」と照れくさそうに笑った。
共演した杉咲についての印象を聞かれた市川は、「声優の経験もある方ですし、映像の経験もたくさんある方なので、本当にすごいなと思いました」と杉咲を絶賛。対して杉咲は市川について「普段の染五郎くんと違って、本番が始まると聞いたことのない声ができてきたり。本当に豊かな声で、ぜんぜん違う表現をされていて、私自身も勉強になりました」と、期待の新星に賛辞の言葉を贈った。
「人見知り」だという市川は、コンプレックスを聞かれると「ありすぎて…。コンプレックスだらけの人間」とし、「歌舞伎は舞踊の作品をやる上で足が長いと腰が落ちて見えないので、そこがコンプレックス」と歌舞伎役者ならでは意外な悩みを吐露。前歯にコンプレックスを抱くキャラを演じた杉咲は「私も前歯が出ていて(笑)。でもこの映画を観ていると、自分にとってのコンプレックスも誰かからすれば羨ましかったり、素敵だと思ってもらえたりすることを感じられて、私自身も勇気をもらった」と笑顔で語っていた。
『サイダーのように言葉が湧き上がる』
5月15日(金) 全国ロードショー
監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ
原作:フライングドッグ
脚本:佐藤大
音楽:牛尾憲輔
主題歌:never young beach「サイダーのように言葉が湧き上がる」
劇中歌:大貫妙子「YAMAZAKURA」
声の出演:市川染五郎 杉咲花 潘めぐみ 花江夏樹 梅原裕一郎 中島愛 諸星すみれ 神谷浩史 坂本真綾 山寺宏一
配給:松竹
【ストーリー】 17回目の夏、地方都市。コミュニケーションが苦手で、俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリー(声:市川染五郎)と見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイル(声:杉咲花)がショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。ある日二人は、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。二人はそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、二人の想いはすれ違って…。
©2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会