杉咲花、声優初挑戦・市川染五郎を「私よりもOKをもらうのが早かった、素敵だった」と絶賛!

歌舞伎界の新星・八代目の市川染五郎が映画初出演にして初声優、初主演を務め、杉咲花がヒロインの声を務める『サイダーのように言葉が湧き上がる』が、5月15日より公開される。このほど、1月16日に松竹映像センターにて公開アフレコイベントが行われ、市川染五郎と杉咲花が登場した。

人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年チェリーと、コンプレックスを隠すマスク少女スマイル。本作は何の変哲もない郊外のショッピングモールで出逢った二人が、言葉と音楽で距離を縮めていくボーイ・ミーツ・ガールストーリー。チェリー役の市川染五郎は映画初出演で初主演、しかも初声優挑戦。それだけに「歌舞伎以外の芝居経験もそこまでなかったので、不安でいっぱいでした」と心境を吐露しながら「父(十代目松本幸四郎)は『勉強になるから』と言ってくれたり、友達も『公開したら観に行くよ』と言ってくれたり、本当に嬉しかった」と周囲の反響を報告。スマイル役の杉咲は、「声のお仕事は過去にやらせていただいたことがあり、お芝居とは違う難しさを痛感していたので、嬉しさの反面緊張もありました」と背筋が伸びる思いだが、「周りのみんなは喜んでくれて、特に母が『公開が楽しみ』と言ってくれたので嬉しかったです」と満面の笑みを浮かべた。

役柄との共通点について、染五郎は「自分も人見知りなので、そういった役と共通する部分を自然と演技で活かすことができればと思いました」と共感を寄せ、杉咲は「スマイルの存在がチェリーにとっての憧れであり、スマイルは眩しい人でもあるので、そのポジションを表現できたらと演じました」と役作りを紹介した。また染五郎は「この映画を観終わった後に、サイダーのような爽やかな気持ちになれるような作品にしたい」とイシグロキョウヘイ監督からメッセージを受け取ったそうで、「その言葉がとても印象的でした」とアフレコ時の金言になったよう。杉咲は「セリフの分量も多く、スケジュールもタイトだったこともあり、監督がブースではなくスタジオに入って近い距離で演出してくれたのが印象的でした」と収録を振り返った。

染五郎と杉咲は本作が初共演。杉咲の印象を聞かれた染五郎は、「自分よりもはるかに経験のある方なので…勉強をさせてもらいました!」とリスペクト。それに杉咲は照れつつ、「染五郎君は私なんかよりもOKをもらうのが早かったし、チェリーの中にある優しさが伝わって来て、とても素敵でした」と返礼した。

最後に、染五郎は「10代の方にはもちろんのこと、大人の方々にも当時を思い出しながら懐かしんで観てほしい」とアピールし、杉咲も「老若男女問わず楽しんでもらえる作品ですが、SNSなど現代的なテーマも入っているので、特に10代、20代の方に共感してもらえると思います。真っ直ぐな二人の思いを見届けていただくと、すがすがしい気持ちになれるので、より多くの方々に観ていただきたい」と本作公開に期待を込めた。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』
5月15日(金) 全国ロードショー
監督:イシグロキョウヘイ
原作:フライングドッグ
脚本:佐藤大
音楽:牛尾憲輔
声の出演:市川染五郎 杉咲花
配給:松竹

【ストーリー】 17回目の夏、地方都市。コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー(声:市川染五郎)。彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル(声:杉咲花)。人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。ある日二人は、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。二人は それを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、二人の想いはすれ違って…。

©2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会