高橋一生が蒼井優の夫役で参加&長岡亮介(浮雲)が音楽を担当!黒沢清監督作「スパイの妻」

映画『CURE』、『散歩する侵略者』など独自の作風から国内外で高い評価を得ている黒沢清監督が、主演に蒼井優を迎えて、自身初となる8K・スーパーハイビジョン撮影で描くNHK特集ドラマ「スパイの妻」が、6月に放送される。このほど、高橋一生が、蒼井演じる主人公・福原聡子の夫で貿易商の福原優作役で出演することが発表された。併せて、音楽を「ペトロールズ」のフロントマンであり、椎名林檎を中心に結成された「東京事変」では浮雲の名で活動したギタリスト・長岡亮介が担当することも明らかになった。

本作は、1940年代の神戸を舞台に、戦争という時代の大きなうねりに翻弄されながらも、自らの信念と愛を貫き通そうとする女性の姿を描く。

■高橋一生(福原優作役) コメント
クラシックな物語性と新しい試み。リズムに還元されてしまいそうな劇的な台詞の数々。初めての黒沢組は終わって欲しくない程充実した時間の中でお芝居をさせていただきました。この作品の完成が心から楽しみです。

■濱口竜介(脚本) コメント
この企画への参加をお誘いいただいて以来、私が心に念じていたことは、黒沢清監督に最高に面白いドラマを撮っていただきたい、というその一点です。共同脚本の野原位ともども師匠である黒沢監督の胸を借りて思い切りぶつかった結果、生まれた物語はタイトル通り「スパイの妻」として戦中の状況に翻弄される一人の女性の話となりました。脚本家にも関わらず、完成作がどのようなものになるか全く予想がつきません。ただ、傑作となることだけは強く確信しています。いち黒沢ファンとして、参加できたことが心より嬉しく、誇らしく、完成を心待ちにしています。

■野原位(脚本) コメント
黒沢監督とこの企画を進め始めてから早2年が経ち、今とても感慨深い思いでおります。私自身も脚本チームの一員として関わり、黒沢監督から学ぶばかりで、その点でも非常にありがたい機会でした。兎にも角にも一観客としてワクワクしています。今作は黒沢監督が戦中を舞台にした新鮮で素晴らしい企画であり、そして濱口さんが脚本という二度とないかもしれない夢のタッグです。ここまで企画を支えてくれた方々にも心から感謝しています。この傑作の完成がただただ楽しみで仕方ありません。

■長岡亮介(音楽) コメント
欲しいなと思うものを自分勝手に夢想して、そのイメージを歌や演奏に気ままに落とし込んでいく、自分が作る音楽は大体そういう感じでした。今回は作品が放つイメージに自分のイメージを重ねていく、という初めての作業。興味深く加わらせていただきました。シンプルに、を心がけました。さあ、何曲採用されるのでしょうか!?(笑)

「スパイの妻」
6月 NHK BS8Kにて放送
監督:黒沢清
脚本:濱口竜介 野原位 黒沢清
音楽:長岡亮介
出演:蒼井優 高橋一生

【ストーリー】 1940年、第二次世界大戦前夜の神戸。時代の不穏な空気を感じ取っていた貿易商・福原優作(高橋一生)は、妻・聡子(蒼井優)を残し、甥である竹下文雄と共に満洲に赴く。優作は偶然そこで目にした非道な行いを世界に知らしめなければならないと心に決め、行動に移そうとする。その頃、聡子は幼なじみである憲兵・津森泰治に呼び出され、優作が満州から連れ帰ったという女の死を告げられる。嫉妬に駆られた聡子は優作を問い詰めるも、やがてその意志を知り、彼の身の安全と二人の幸せのために驚くべき行動に出る。幸福で平穏な日常が戦争という時代の波に翻弄される中、果たして、聡子と優作がたどり着く運命とは?