東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで16の島国に残る伝統的な音楽とパフォーマンスを記録した音楽ドキュメンタリー『Small Island Big Song(英題)』が、邦題『大海原のソングライン』として4月に公開されることが決定した。併せて、特報映像、ティザービジュアル、場面写真がお披露目となった。
5000年前、太平洋には海を渡る人々がいた。彼らは数千年にわたって大海原を攻略し、地球の半分を覆う島々にたどり着いた。文字が普及する前の時代なので、彼らはその先々で音楽を残しながら交流していった。その勇敢な船乗りたちの子孫は今や4億人にまで増えた。
音楽プロデューサーでもある監督のティム・コールとプロデューサーのバオバオ・チェンは、3年間にわたりその航路をたどった。台湾から出発してオーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、さらに太平洋の向こう側に位置するマダカスカル、そしてイースター島に至るまで実に16の島国に残る伝統的な音楽やパフォーマンスを記録していった。そして、「Small Island Big Song」と名付けられたこの試みは単なる伝統音楽の記録に留まらなかった。オーストラリアの先住民には、古来より受け継がれてきた、生活の中で動植物や岩、湖などを歌い世界を表現するソングラインという思想/信仰がある。それは一曲を歌うというよりも数珠つなぎに様々な歌が重なり合う独特の表現方法を持つ。本作はその“ソングライン”という思想に基づいて、かつて同じ言葉や音楽で繋がっていた島々の歌をもう一度集結させる壮大な音楽プロジェクトだ。
特報映像には、それぞれの島で生きる人々が伝承の音楽を演奏し、やがて一つの壮大なアンサンブルを奏でる様子が映し出される。
なお、本作に先駆けて2018年7月に音楽アルバムが発売されると、世界各国で評判を呼びイギリス、ドイツなどで音楽賞を次々に受賞。出演ミュージシャンたちによるライブも世界14カ国で行われ、こちらも高い評価を浴びた。
■バオバオ・チェン(プロデューサー) コメント
私たちが出会ったのは、たくさんの笑い声と故郷への深い愛情、そして自然は支配するものではなく、繊細な織物のようなもので、その一端を我々も担っていると信じる世界中の同士たちへの、心からの感謝の気持ちでした。そうした彼らからの音楽という贈り物を、受け取っていただきたいです。なによりも重要なのは音楽であり、現代的あるいは伝統的な、痛切あるいは陽気な曲を、素晴らしい音楽家達の故郷で録音したその現場にいた私達と同じぐらい楽しんでいただきたい。失われるにはあまりに尊すぎる、いくつもの海を跨いだ島々の旅行記『Small Island Big Song』にどうぞお付き合いください。
『大海原のソングライン』
4月 シアターイメージフォーラムにてロードショー、以後全国順次公開
監督:ティム・コール
プロデューサー:バオバオ・チェン
出演・音楽:マウパワー アロ・カリティン・パチラル アレナ・ムラン ホロモナホロ
配給:ムーリンプロダクション
【作品概要】 東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで16の島国に残る伝統的な音楽とパフォーマンスを記録した音楽ドキュメンタリー。
©Small Island Big Song