今年で生誕110年を迎えた昭和の文豪・太宰治の未完の遺作を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」を、大泉洋と小池栄子のダブル主演で映像化した『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が、2月14日より公開される。それに先立ち、1月23日に丸の内ピカデリーにて完成披露試写会が行われ、キャストの大泉洋、小池栄子、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、濱田岳、松重豊、成島出監督が登壇した。
情けないのになぜかモテる主人公・田島周二を演じた大泉は、本作で演じるキャラクターと出演オファーについて、「観てもらえたらわかるんですけど、あまりモテてるシーンがないんですね…」と首をかしげつつ「憧れの成島監督からお話をいただいたのが何よりも嬉しかった」と笑顔で語った。
美貌を隠し我が道を生きるキヌ子を演じた小池は、共演した大泉について、「私が宣伝で『お芝居をやっていて、時々とても二枚目に見えるんです。そこがかっこいい』とお話していたのですが、ご本人は最初から最後まで二枚目のつもりで演じていたらしいんですよ(笑)。そこは申し訳ないと思いました」とコメント。それに対し、大泉は「『時にものすごくセクシーに見えるんです』って、俺を褒めたつもりでいるかもしれないですけど、僕はずっとセクシーに演じたつもり」とボヤいていた。
イベントでは、本作のタイトルにちなんで、もっと楽しくなるために“グッドバイ”したいこと、“グッドバイ”したらこんなにいいことがあったというエピソードを披露することに。本作のプロモーションのため、大泉とは多くのバラエティ番組の収録をしたという小池は、「あんなに楽しかったんだけど、大泉さんと“グッドバイ”した後にすごく安らかな気持ちになった(笑)」と告白。「楽しいから力んじゃって、いつものバラエティ以上に自分にエンジンをかけてるんでしょうね」と明かした。それに対し、「お互い様でして!」と声を上げた大泉は、小池との番組収録は「(ネタの)振りがすごいんですよ!やたらと振ってくるからカロリーを使っちゃう」ようで、「この前も、とある番組で延々とモノマネさせられて!」と不満気。そこでまたも小池が「お客さんのために」とモノマネを見せるよう振ると、大泉がマイケル・ジャクソンのモノマネを披露し、会場は大爆笑。大泉は「ほんと嫌!小池さんと“グッドバイ”したい!」と愚痴をこぼしていた。
松重は「一昨年ぐらいにお酒と“グッドバイ”した」そうだが、「ちょうどこの映画がロケに入り、主役の方が酒に付き合えということで天ぷら屋さんに呼ばれて行ったんです。そしたら『こんなおいしいものを前にして、お酒飲まないんですかぁ?これは飲まないといかんでしょ!』って(笑)。悪魔のような主役俳優だった」と大泉とのエピソードを披露。「ひどい目に遭いまして、そこから3時間ですよ。話がループしてるんですね。そんなに面白くもないのにだんだん笑い声が大きくなっていくんです」と続け、「大変な目に遭いました。でも、いい酔っ払いの勉強をしたということで“グッドバイ”できた」とスッキリとした表情に。この話を聞いて大爆笑の大泉は、「そんな思いをしていたとは…人が悪い。めっちゃ楽しい夜でしたよ!爆笑トークだったけどなぁ…」と納得していない様子だったが、松重は「覚えてないんですよ。それが酔っ払いなんですね(笑)」と返し、さらに会場の笑いを誘っていた。
『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』
2月14日(金) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:成島出
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)
出演:大泉洋 小池栄子 水川あさみ 橋本愛 緒川たまき 木村多江 皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾 戸田恵子 濱田岳 松重豊
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二(大泉洋)は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のため…。二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。
©2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ