ザ・クラッシュも参加!70年代イギリスの人種差別反対運動に迫る社会派音楽ドキュメンタリー『白い暴動』4月公開!

70年代後半のイギリスで、権力を相手に人種差別撤廃を主張し続け、やがてザ・クラッシュなど数多くのミュージシャンからも支持された、若者たちよる運動“ロック・アゲインスト・レイシズム”を追った社会派音楽ドキュメンタリー『WHITE RIOT(原題)』が、邦題『白い暴動』として4月3日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。

本作の時代背景は、「英国病」と呼ばれるほどに経済破綻状態にあった1970年代のイギリス。市民が抱いていた不安と不満は、第二次世界大戦後に増加した移民たちへ転嫁されていった。街は暴力であふれかえり、特に黒人たちが襲われた。そのなかで、芸術家として活動していたレッド・ソーンダズを中心にしたわずか数人の若者たちで発足された“ロック・アゲインスト・レイシズム”略称RARは、人種や生まれによる差別への反発、不平等への反抗を主張し、抗議活動を始める。RARの発信するメッセージはやがてザ・クラッシュをはじめ、トム・ロビンソン、スティール・パルスなどのパンクやレゲエ音楽と結びつき、支持されていく。映画のクライマックスである、RARが決行した1978年4月30日に起きた約10万人による大規模なデモ行進と終着地での音楽フェスは圧巻で、市民が一つになった瞬間は見ものだ。

監督を務めるのは、BBCで複数のドキュメンタリーを手掛けてきたルビカ・シャー。彼女自身、アジア系移民の家庭に生まれ、両親が直面した人種差別について興味を抱いた事で製作を決意、本作で長編映画デビューを果たした。また、字幕監修はピーター・バラカンが担当。80年代に放送されていた伝説の音楽番組「ザ・ポッパーズMTV」で数多くの洋楽を紹介し、現在もInterFM「Barakan Beat」で古今東西、様々な音楽やカルチャーを世に発信し続けるバラカン。イギリスの時代背景と音楽に精通し、“音楽ファンの大人たち”にファンの多いバラカンによる監修も本作の見どころの一つだ。

■ピーター・バラカン(字幕監修/ブロードキャスター) コメント
移民差別に対して当事者意識を持った個人が集まったこの話は40年前ですが、まさに現在世界各地で起きていることへの示唆に富んでいます。今後の日本にとっても決して他人事ではありません。音楽の力で人の心をいい方向に動かしたいい例です。

本作の邦題でもあるクラッシュの楽曲「白い暴動」は、「白人も黒人と同じように暴動を起こせ!」というメッセージが込められた曲であり、本作の重要なテーマとなっている。ポスタービジュアルには、RARのメンバーでもあったオーストラリア人カメラマン、シド・シェルトンが、音楽フェスで10万人余りの観客を前に「白い暴動」を演奏するクラッシュを撮影した写真が使用された。

本作の公開は、映画祭での上映を除いて日本が世界最初の劇場公開国であり、“世界最速”となる。

『白い暴動』
4月3日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:ルビカ・シャー
出演:レッド・ソーンダズ ロジャー・ハドル ケイト・ウェブ ザ・クラッシュ トム・ロビンソン シャム 69 スティール・パルス
配給:ツイン

©photograph by Syd Shelton