宮沢氷魚が映画初主演を務め、共演に藤原季節を迎えた、『愛がなんだ』の今泉力哉監督最新作『his』が、1月24日より公開される。それに先立ち、1月8日にスペースFS汐留にて完成披露試写イベントが行われ、キャストの宮沢氷魚、藤原季節、外村紗玖良、今泉力哉監督が登壇した。
新年のイベントにふさわしく、袴姿で登場した宮沢と藤原。今年の抱負を聞かれた宮沢は「オリンピックの競技を一つ、生で見たい。マラソンとか見られるんですかね」と期待を寄せたが、今泉監督から「北海道に行って?」とツッコまれ、「あ!そうだ!東京じゃなかった!(笑)」と、会場の笑いを誘った。藤原は「新年の抱負は“我慢”。あまり我慢をしたことがなかったので」と気合を入れたが、早速「ちょっと我慢しないでいいですか?」と、あることを提案。明日1月9日の外村の誕生日をお祝いしたいとのことで、会場の観客とともに「ハッピーバースデー」の曲を歌う一幕もあった。
二人の青年の恋愛を題材に、彼らが抱える葛藤と、親権獲得や周りの人々への理解を求めて奮闘する姿を描く本作。主人公・迅を演じた宮沢は「幼稚園から高校まで男子校だったので、(LGBTQの友人が)周りにいたんです。仲がいい友達が思春期を迎えて、自分が同性愛者やバイセクシャルであることに気づいていくのは、僕からしたら当たり前だった」とコメント。学生生活を終えて「そんなに甘い社会じゃない」ことを痛感したようで、「何らかの形でそういった方々の救いになりたいとずっと思っていました」と本作への想いを明かし、今回の出演について「とても光栄に思っていたし、僕だからこそできることはあるのかなと、前向きに演じました」と語った。
迅の元恋人・渚を演じ、初の父親役に挑戦した藤原は、撮影について聞かれると、娘・空役の外村に「楽しかったね~!いっぱい遊んだもんね」と笑顔に。「(宮沢と外村と)3人でこたつでまるまって寝たり。幸せでしたね」と思い出を語った。また、宮沢と藤原は撮影中に10日間の共同生活を実施。宮沢は「作品(の撮影)が大変だったし、唯一の息抜き、オアシスのような場所でした」と共同生活を振り返りつつ、自分の時間が取れなかったため「最初は嫌でした(笑)」と明かしたが、「でも、一人になっちゃうと不安になるぐらい大変で…だから、ありがとね」と、藤原に照れながらも感謝の気持ちを伝えていた。
本作では、ある“初めてのこと”を経験したという宮沢は、「初めてのことがありまして…役者としての初キスシーン。ファーストキスが藤原季節くんです」と告白。ドラマ「偽装不倫」でもキスシーンを体験したが、「撮影は『his』のほうが先」とのことで、藤原は「全く知らなかったですね!」と驚きの表情を見せた。今泉監督から「季節さんは(キスシーンは)初めてじゃなかった?」と聞かれると、藤原は宮沢へ「ごめん!」と残念そうな表情に。「ちなみに何人目…?」と気になる様子の宮沢に、藤原は「結構…(笑)。申し訳ない!」と再び謝罪していた。
最後に、宮沢と藤原が餅つきに挑戦。「よいしょ!」という掛け声に合わせて、本作の大ヒットを祈願した。
『his』
1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊崇
主題歌:Sano ibuki「マリアロード」
出演:宮沢氷魚 藤原季節 松本若菜 松本穂香 外村紗玖良 中村久美 鈴木慶一 根岸季衣 堀部圭亮 戸田恵子
配給:ファントム・フィルム
【ストーリー】 井川迅(宮沢氷魚)は周囲にゲイだと知られることを恐れ、ひっそりと一人で田舎暮らしを送っていた。そこに、6歳の娘・空を連れて、元恋人の日比野渚(藤原季節)が突然現れる。「しばらくの間、居候させて欲しい」と言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、いつしか空も懐き、周囲の人々も3人を受け入れていく。そんな中、渚は妻・玲奈(松本若菜)との間で離婚と親権の協議をしていることを迅に打ち明ける。ある日、玲奈が空を東京に連れて戻してしまう。落ち込む渚に対して、迅は「渚と空ちゃんと3人で一緒に生きていたい」と気持ちを伝える。しかし、離婚調停が進んでいく中で、迅たちは、玲奈の弁護士や裁判から心ない言葉を浴びせられ、自分たちを取り巻く環境に改めて向き合うことになっていく…。
©2020 映画「his」製作委員会