のん「“フフフ”のやりとりがすごく密だった」、リン役の岩井七世「心からの“フフフ”だった」

2016年11月12日に劇場公開され、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた、片渕須直監督による珠玉のアニメーション作品『この世界の片隅に』。その“長尺版”となる劇場アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が、12月20日より公開中。このほど、12月21日にテアトル新宿にて公開記念舞台挨拶が行われ、声優を担当した のん、細谷佳正、尾身美詞、潘めぐみ、岩井七世、新谷真弓、牛山茂、片渕須直監督が登壇した。

主人公すずの声を演じた のんは、映画の公開を迎えて「本当に嬉しいです。まさか(アフレコから)3年も年月が経つとは思わなかったんですけど(笑)」と笑顔。続けて「また新作として送り出すという他にない経験をさせていただいて、とても喜びに満ちてます」と述べ、片渕監督については「9年もひとつの作品に力を注いで、まっすぐに作品を作っていく執念の監督作品に参加できて、すごく誇らしくて、一生忘れないと思っています」と感慨深い表情を浮かべた。

のんと一緒にアフレコをしたというリン役の岩井が、「リンさんとすずさんが、“フフフ”って笑い合って、おじぎをするところがすごく好き」だと述べると、のんは「“フフフ”のやりとりがすごく密だった感じがする」とアフレコ時を回想。岩井は「あの“フフフ”は、心からの“フフフ”」だったと、収録が楽しい思い出になったことを伝えた。

最後にのんは「新しいシーンが付け足されて、全く違う味わいの映画になった」と笑顔で作品をアピールし、イベントを締めくくっていた。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
12月20日(金) テアトル新宿・ユーロスペース他全国公開
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ 
アニメーション制作:MAPPA
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 花澤香菜 澁谷天外
配給:東京テアトル

【ストーリー】 広島県・呉に嫁いだすず(声:のん)は、夫・周作(声:細谷佳正)とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリン(声:岩井七世)と出会う。境遇は異なるものの呉ではじめて出会った同世代の女性に心を通わせていくすず。しかし、ふとしたことをきっかけに、すずは周作とリンの過去に触れてしまう。すず、リン、そして周作。それぞれが内に秘めた想いを抱えながら、日々を懸命に生きていた。そして昭和20年の夏がやってくる…。

©2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会