のん「改めてすずさんが喋る広島弁が可愛いと思った」『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』予告編、アフレコ&インタビュー映像

2016年11月12日に劇場公開され、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた、片渕須直監督による珠玉のアニメーション作品『この世界の片隅に』。その“長尺版”となる劇場アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が、12月20日より公開される。このほど、本作の予告編と、北條すず役・のんと白木リン役・岩井七世の公開アフレコ&インタビュー映像がお披露目となった。

2016年11月12日に公開され、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭優秀作品賞など国内外で70以上の賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ『この世界の片隅に』。多くのファンと上映劇場の熱意に支えられ、公開から一日も途絶えることなく1000日以上も日本全国どこかの劇場で上映が続けられている。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、前作を原型として、女性・すずの深い感情を、新たなエピソードを盛り込んで描き出す。

予告編では、すずが描いた“あいすくりいむ”や“ハッカ糖”、“わらび餅”などお菓子の絵について、リンと楽しそうに笑い合う場面や、満開の桜の木を背に語り合うシーンなど、二人の心の交流が映し出される。さらに、前作では描かれなかった、周作を巡るすずとリンの関係性がうかがえるシーンも。ある日、周作の部屋で“最後のページの一部が切り取られたノート”を発見したすずは、ひらがなが読めないリンが「ええお客さんが書いてくれんさった」と、リンの名前と住所が書かれた“ノートの切れ端”を嬉しそうに見せてくれたことを思い出す。白い息を吐きながら、寒空の下を曇った表情で歩くすずの姿と、「周作さん、うちは何一つリンさんに敵わん気がするよ」と話すすずの声が挿入され、周作を巡る3人の物語を喚起させる。

北條すずの声を務めるのんと、白木リンの声を務める岩井七世のインタビュー映像では、のんは3年ぶりにすず役を演じて「時を経て、同じ役に挑むことは初めての経験だったので緊張しましたが、スタジオでは監督とリン役の岩井さんと一緒に収録することができたので、すぐにすずを思い出せた気がします。今までのすずさんと違った一面もあるので、面白かったです」と前作との違いについて語り、同じく3年ぶりにリンを演じた岩井七世は、「このような形でまた映画館で上映されるということで、本当に最良の形だと思いますし、台本と絵コンテが送られてきたときは、“やっとだ”という思いから涙が出ました」と感慨深いコメントを寄せている。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
12月20日(金) テアトル新宿・ユーロスペース他全国公開
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ 
アニメーション制作:MAPPA
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 花澤香菜 澁谷天外
配給:東京テアトル

【ストーリー】 広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるものの呉ではじめて出会った同世代の女性に心を通わせていくすず。しかし、ふとしたことをきっかけに、すずは周作とリンの過去に触れてしまう。すず、リン、そして周作。それぞれが内に秘めた想いを抱えながら、日々を懸命に生きていた。そして昭和20年の夏がやってくる…。

©2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会