性的虐待やいじめ…日本社会に潜む凶暴な闇『子どもたちをよろしく』予告編

企画プロデュースを寺脇研、企画協力を前川喜平と、元文部科学省コンビがタッグを組み、子どもたちを取り巻く社会に蔓延する闇をあぶりだした映画『子どもたちをよろしく』が、2020年2月29日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

本作は、子どもたちの日常に潜む戦場を、繊細に鋭く描いたドラマ。オリンピック、カジノ、万博…世の中が浮足立つなかで、子どもを巡る事件が毎日のように報じられる。しかし、子どもたちの世界に目が向けられることは少ない。いじめに苦しみ、そのために死を選んでしまう少年、性的虐待を受け自らを「汚れた存在」と思い込んでしまい風俗産業に身を沈める少女…。そんな彼らに大人は手を差し伸べることができるのか。いやそれは、アルコール依存、ギャンブル依存、対人依存、同調圧力など、大人社会にはびこる闇こそが問題の源なのではないのか。本作はその問いかけを投げかける。

予告編には、自ら風俗産業に勤しむ子ども、いじめる子ども、いじめられる子ども…それぞれが窮地に立たされ悩みもがく姿が収められている。

『子どもたちをよろしく』
2020年2月29日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:隅田靖
出演:鎌滝えり 杉田雷麟 椿三期 川瀬陽太 村上淳 有森也実
配給:太秦

【ストーリー】 東京にほど近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)、そして辰郎の連れ子・稔(杉田雷麟)の4人家族。辰郎は酒に酔うと、妙子と稔には暴力、血の繋がらない優樹菜には性暴力を繰り返した。母の妙子は、まったくなす術なく、見てみぬふり。義弟の稔は、父と母に不満を感じながら優樹菜に淡い想いを抱いていた。優樹菜が働くデリヘル「ラブラブ48」で運転手をする貞夫(川瀬陽太)は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症。一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし帰宅するのはいつも深夜。洋一は暗く狭い部屋の中、帰ることのない母を待ち続けていた。稔と洋一は、同じ学校に通う中学2年生。もとは仲の良い二人だったが、洋一は稔たちのグループからいじめの標的にされていた。ある日、稔は家の中で、デリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた稔は、自分も洋一と同じ、いじめられる側になってしまうのではないかと、一人怯えるようになる。稔と洋一、そして優樹菜。家族ナシ。友だちナシ。家ナシ。居場所をなくした彼らがとった行動とは…?

©子どもたちをよろしく製作運動体