「1秒でも早く生まれていたら、自由に生きられた?」HIKARI監督作『37セカンズ』予告編&ポスタービジュアル

第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門にて最高賞の観客賞と外部団体が選ぶ国際アートシアター連盟(CICAE)賞をダブル受賞したHIKARI監督の長編映画デビュー作『37セカンズ』の公開日が、2020年2月7日に決定し、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。併せて、挿入歌がCHAIの楽曲「N.E.O.」に決定したことが発表された。

本作は、自己表現を模索しようともがく中で、様々な人たちと出会う一人の女性の成長を、思いもよらない展開でドラマティックに描くヒューマンドラマ。

予告編は、異常に過保護な母親と閉ざされた場所から抜け出し、初めて自分の意思で外の世界へと飛び出して行こうとする主人公・貴田ユマ(佳山明)の姿が収められる。自分がゴーストライターとして影で支える友人の漫画家(萩原みのり)のサイン会に足を運ぶが、まるで他人のように無視され、そのやりきれない状況から抜け出そうと原稿を自力で編集部に持ち込んでみたが「作家に経験が無いのに、いい作品は作れないのよ」とこれまでの自分の人生を全否定されるような現実を突きつけられてしまう。「1秒でも早く生まれていたら、自由に生きられたのかもしれない」。そんな葛藤を振り切るように初めて一人で出かけた夜の街で、思いがけず経験することになった“外の世界”。まさにこれからユマの“時が動き出す”ことを思わせる映像となっている。

映像で流れるポップな楽曲は、世界最大規模で開催されるアメリカの音楽祭「SXSW」に2年連続出演、経済誌「Forbes Japan」(2018年10月)では“世界を変える30歳未満30人の日本人”に選出されるなど音楽シーン以外でも大きな注目を集める女性4人組ユニット・CHAIが手がけた「N.E.O.」。“NEOかわいい!”J-POPで世界中を沸かせる彼女たちの楽曲が、これまで自分で自分を縛っていた価値観から少しずつ踏み出していく主人公の心情と絶妙にリンクする。

ポスタービジュアルは、主人公・ユマの表情をアップで捉える。自らの意思でこれからの人生を動かすことを決意した女性だけが手に入れることができる美しい未来を、カラフルな光のグラデーションで表現した。

『37セカンズ』
2020年2月7日(金)より、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
監督・脚本:HIKARI
挿入歌:CHAI「N.E.O.」
出演:佳山明 神野三鈴 大東駿介 渡辺真起子 熊篠慶彦 萩原みのり 宇野祥平 芋生悠 渋川清彦 奥野瑛太 石橋静河 尾美としのり 板谷由夏
配給:エレファントハウス

【ストーリー】 生まれた時にたった37秒間呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かない脳性麻痺となった主人公・貴田ユマ(佳山明)。親友の漫画家のゴーストライターとして働いて自分の作品として出せないことへの寂しさや歯がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護になってしまう母・恭子(神野三鈴)との生活に息苦しさを感じていた。自分にハンディ・キャップがあることをつきつけられ、それでも23歳の女性として望んでいいことだってあるはず。そんな思いの狭間で揺れる日々。そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で“新しい世界”を切り開いていくことになる…。

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