2019年ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)と最優秀女優賞をダブル受賞した、ポルトガル出身のペドロ・コスタ監督の最新作『ヴィタリナ(仮)』が、2020年夏に公開されることが決定した。
本作は、ペドロ・コスタ監督の前作『ホース・マネー』に登場したキャラクターを主人公とし、夫を失った妻の視点から移民労働者たちの生活を描く。ポルトガルに出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けていたヴィタリナは、カーボ・ヴェルデからリスボンにやってくる。だが、夫は数日前に亡くなり、既に埋葬されていた。ヴィタリナは亡き夫の痕跡を探すかのように、移民労働者たちが暮らしている地区にとどまる。
ほとんどの場面が夜に設定され、メロドラマ、フィルム・ノワール、ホラーなど様々なジャンルが混在しているとも言える本作。コスタ作品の“顔”とも言うべきヴェントゥーラもヴィタリナの夫を埋葬した司祭の役で登場し、強烈な印象を残す。ワールドプレミア上映されたロカルノ国際映画祭では、最高賞の金豹賞を受賞するとともに、自身の名前と同名の主人公を演じたヴィタリナ・ヴァレラに女優賞をもたらした。
なお、11月23日から開催される東京フィルメックスの特別招待作品として上映され、ペドロ・コスタ監督のQ&Aも予定されている。
『ヴィタリナ(仮)』
2020年夏 渋谷ユーロスペースにて劇場公開
監督:ペドロ・コスタ
出演:ヴィタリナ・ヴァレラ ヴェントゥーラ
配給:シネマトリックス
【ストーリー】 ポルトガルに出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けていたヴィタリナ(ヴィタリナ・ヴァレラ)は、カーボ・ヴェルデからリスボンにやってくる。だが、夫は数日前に亡くなり、既に埋葬されていた。ヴィタリナは亡き夫の痕跡を探すかのように、移民労働者たちが暮らしている地区にとどまる…。