ブリュッセル・インディペンデント映画祭最優秀賞ほか世界各国の映画祭で絶賛された、インド出身の新鋭アンシュル・チョウハン監督による映画『東京不穏詩』が、2020年1月18日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となり、著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。
女優を目指し、東京のクラブで働く30歳のジュン。ある日彼女が帰宅すると恋人のタカが仕向けた不審な男に貯めていたお金を奪われ、顔に深い傷をつけられる。夢も愛も一瞬で失ったジュンは5年前に飛び出した長野の実家へ帰ることに。受け入れがたい過去を知った事で何かが一気に弾けた彼女は、亡き祖母の財産で暮らす粗暴な父に「強姦されたと言いふらす」となりふりかまわず財産の半分を要求。心の平衡を失っていくジュンは、やがて偶然再会した旧友ユウキとの邂逅に居所を見出すが…。
主演を務めるのは、『ケンとカズ』、『浜辺のゲーム』の飯島珠奈。本作で大阪アジアン映画祭2018など3つの映画祭で最優秀女優賞を受賞。即興的な撮影現場から生まれた心の叫びに多くの共感と称賛の声が寄せられた。
監督は、インドから2011年に来日し、本作が長編デビューとなるアンシュル・チョウハン。文化を跨ぐ独自の視点と各国スタッフから成る傑出した映像表現は瞬く間に注目を集め、ブリュッセル・インディペンデント映画祭グランプリほか世界各国で上映。日本の映画界にも新風をもたらす。
▼絶賛コメント
■暉峻創三(映画評論家)
東京のオーディション会場で、クラブで、恋人の前で…。郷里に帰ってから父の前で、昔の恋人の前で…。それぞれの局面ごとに飯島珠奈が見せる顔と演技の引き出しの豊かさに、驚愕させられる。そしてインド出身アンシュル・チョウハン監督の、虚飾なき演出。どこで映画を撮っても個人と人間関係の深奥に迫れる、本物の才能が誕生した。
■矢崎仁司(映画監督)
飯島珠奈さんの演技に圧倒された。物語は、俳優の生身の肉体に宿るということを改めて思い出させてくれる映画。
■杉野希妃(女優、監督、プロデューサー)
命をかけて演じることは祈りに似ている。自らを殴りつけ、痛めつけ、全身全霊で曝け出した飯島珠奈がただただ美しくて、胸が詰まった。
■森栄喜(写真家)
夢が、愛が剥ぎ取られ、寄り添い泣いてくれる誰かの涙ですら傷口にしみて痛い時、爽快なほどの諦めや怒りが身体を掻き立てる時、「お前は許せるのか、恐れず立ち向かえるのか、自由になれるのか」と、過去の自分が挑発してくる。彼女はたったひとり駆け出す。灰色の太陽がまるで何かを見透かすように、じっと見下ろす荒野へ。がむしゃらに、あがきながら。
▼監督&キャスト コメント
■アンシュル・チョウハン監督
『東京不穏詩』は、自分の中に抑圧されていた感情を表現した作品です。限られた予算で、ノウハウも分からないまま挑戦した映画製作は決して簡単ではありませんでした。ただこの先が見えない映画製作という「旅」の中で、カメラを通して人を見た瞬間、初めて生命を理解した気がしました。「愛」や「生」と真正面から向き合うことができました。現代のオートマティックな社会では見過ごされがちな心の奥深くに分け入る、これからも脳裏から片時も離れない旅の記録になりました。
■飯島珠奈(ジュン役)
脚本を初めて読んだ時、叫び声が聞こえたようでした。人間や人生というものの一面を、ひたすら正直に、溢れる熱情とともに撮られたこの作品は、私にとってとても特別です。どうにもならない毎日のなかで、それでもがむしゃらに生き抜こうとする彼らの人生、その一瞬一瞬を目に焼き付けて欲しいです。
『東京不穏詩』
2020年1月18日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:アンシュル・チョウハン
プロデューサー:アンシュル・チョウハン 茂木美那
脚本:アンシュル・チョウハン ランド・コルター
出演:飯島珠奈 望月オーソン 川口高志 真柴幸平 山田太一 ナナ・ブランク 古越健人
配給:太秦
【ストーリー】 女優を目指し、東京のクラブで働く30歳のジュン(飯島珠奈)。ある日彼女が帰宅すると恋人のタカが仕向けた不審な男に貯めていたお金を奪われ、顔に深い傷をつけられる。夢も愛も一瞬で失ったジュンは5年前に飛び出した長野の実家へ帰ることに。受け入れがたい過去を知った事で何かが一気に弾けた彼女は、亡き祖母の財産で暮らす粗暴な父に「強姦されたと言いふらす」となりふりかまわず財産の半分を要求。心の平衡を失っていくジュンは、やがて偶然再会した旧友ユウキとの邂逅に居所を見出すが…。ジュン、タカ、父、ユウキ、軋み合う彼らの欲求はやがて堪えきれない衝動となり、誰も予想できない衝撃の事態を生む。罪、幸せ、性、倫理…。独自の視点で日本社会のニュースを読み解くインド人監督が逆照射する“われわれの現在”に、何を思う?
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