宮本充、関智一、中尾隆聖が“悪い大人”役で出演!北村匠海 × 芳根京子『ぼくらの7日間戦争』

1988年には宮沢りえ主演で実写映画化もされた、宗田理によるベストセラー小説「ぼくらの七日間戦争」を原作とし、北村匠海と芳根京子がダブル主演で声を務めるアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』が、12月13日より公開される。このほど、追加キャストとして、宮本充、関智一、中尾隆聖の出演が発表され、併せて、新場面写真がお披露目となった。

追加キャストとして発表されたのは、ベテラン声優3名。潘めぐみ演じる香織の父役に宮本充、主人公達が立てこもる廃工場に突入しようとする入国管理官役に関智一、権力を笠に着た大物政治家役に中尾隆聖。数々の名キャラクターを演じてきた彼らが、その卓越した演技力を遺憾なく発揮し、酸いも甘いも噛み分けた大人として主人公達の前に立ちはだかる。

作品を任された村野監督は、「今もずっと読まれている原作。長く読まれていることには意味があるのだから、その要素をすくい上げることに意義があると思いました。原作が多くの読者に支持されたのは、ちゃんとその時代の子ども達に訴えるものがあったから。原作をただなぞるのではなく、今の子ども達に向けて再構築するのが難しかった」と、シリーズのスピリットを継承しつつ、現代の作品としてどう打ち出していくかを悩んだと語る。そんな迷いの中で制作陣は実際の高校にインタビューに赴き、リアルな子ども達の声を聞くなど労を惜しまなかった。

しかし、監督は「今の子供たちって、大人に対して過度なストレスを感じているわけではないんです。わざわざ反抗しなくても、何不自由なくすごすためのツールが手元にある。興味があるのは自分とその人間関係ばかりで、そもそも大人にそこまで関心がない」と語り、原作にあるような“子どもVS悪い大人”という明確な構図を見つけ出すことは出来なかった。だが、子ども達を教える教師との会話の中で思わぬヒントが見つかる。監督は「『本当に今の子たちは器用だし、なんでもある程度上手くこなすことは出来る。ただ、頑固さ、粘り強さに欠けている。大体のこと、言われたことはその通りに器用にこなせるけど、トラブルが合った時に対処できる子がいない』と先生方から伺いました。それを聞いた時、なるほどなと思いつつも、そう決めてかかる大人の鼻を明かしてやりたくなったんです。機会さえあれば今の子ども達にもきっと出来る。頑固な意志で大人に立ち向かう子ども達を描きたいと思いました」と語り、現代の子ども達が立ち向かうべき大人の姿が先生達との会話から図らずも見出されていった。

さらに、学校でのインタビューやシナリオ会議を経て、子ども達の敵は大人だけでなく、相対する人間毎、扱うSNSやアカウント毎に異なる“自分自身”も敵として設定された。監督は今作の制作発表時に「原作の発表された時代ほど大人は物分かりの悪い人間ばかりではないし、生まれた時から当たり前にあるネット環境は大人に内緒で冒険することを容易くさせました。しかしどうやら、自分たちの自由な居場所を獲得しやすくなったと同時に、その居場所を守るためにはまた別の不自由さが生まれているみたいです」とコメントを発表したが、正にこれこそが今“7日間戦争”を制作する理由であり、現代の子ども達が戦う理由だったのだ。

『ぼくらの7日間戦争』
12月13日(金)全国公開
監督:村野佑太
原作:宗田理「ぼくらの七日間戦争」
脚本:大河内一楼
キャラクター原案:けーしん
キャラクターデザイン:清水洋
主題歌:Sano ibuki「決戦前夜」「おまじない」「スピリット」
声の出演:北村匠海 芳根京子 宮沢りえ 潘めぐみ 鈴木達央 大塚剛央 道井悠 小市眞琴 櫻井孝宏 宮本充 関智一 中尾隆聖
配給:ギャガ KADOKAWA

【ストーリー】 いつも一人で本ばかり読んでいる、鈴原守(声:北村匠海)。片思いの相手は、お隣に住む幼馴染の千代野綾(声:芳根京子)。しかし綾は、一週間後に議員である父親の都合で東京へ引っ越すことを迫られていた。「せめて、17歳の誕生日は、この街で迎えたかったな」。やり場のない綾の本音を聞き、守は思い切って告げる。「逃げましょう…っ!」。綾の親友・山咲香織をはじめ、明るく人気者の緒形壮馬、ノリのいい阿久津紗希、秀才の本庄博人までもがこの逃避行に加わり、駆け落ちを夢見ていた守は拍子抜けするが、特別な夏の始まりには違いなかった。もはや観光施設にも使われていない古い石炭工場を秘密基地に、ただ7日間、大人から隠れるだけのバースデー・キャンプ。それは、少年たちの精一杯の反抗。だがその夜、工場に潜んでいたタイ人の子供・マレットと出会ったことで、事態は想像もしなかった方向へ向かう。不法滞在で入国管理局に捕らわれかけていた所を間一髪助けると、はぐれた家族を探しているのだと、守たちに打ち明けた。二日目の朝、今度は武装した入国管理局の職員が、マレットを連れ去りにハンマーを振りかぶり工場へ突入してきた。守は、仲間たちの協力のもと、敵の撃退作戦を決行する!

©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会