一流の監督や俳優に才能と人柄を愛されながらも、ハリウッドから追放された異端児にして、70年代以降のアメリカを象徴するアーティスト、デニス・ホッパー。『イージー★ライダー』(1969)に続く監督第2作『ラストムービー』(1971)が劇場公開されることを受け、デニス・ホッパーの半生を辿るドキュメンタリー『ALONG FOR THE RIDE』(原題)が、邦題『デニス・ホッパー/狂気の旅路』として、12月20日より同時公開されることが決定した。併せて、特報映像、ポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、ホッパーの大ファンだったニック・エベリング監督が、70年代初頭から約40年にわたりホッパーの右腕だった男サティヤ・デ・ラ・マニトウを中心に、数々の知人たちの証言、そして自らが渉猟した貴重な未公開映像をもとに構成したドキュメンタリー。
2010年に亡くなったデニス・ホッパーは、その破天荒さと無謀さで、ハリウッドを追放されたアメリカの問題児にして異端者、そしていくつもの顔を持つ男でもあった。1969年、『イージー★ライダー』の熱狂を引きずりながら、ホッパーは次作『ラストムービー』の製作にのめり込むが、完成した映画は、難解な内容だと製作元に拒絶される。大きな絶望を味わったホッパーは、酒とドラッグと暴力に溺れ、家庭生活も仕事もすべてを破綻させていく。だが、70年代後半からフィリップ・モーラ監督『デニス・ホッパーのマッド・ドッグ・モーガン/賞金首』(1976)、フランシス・F・コッポラ監督『地獄の黙示録』(1979)などに出演。そして監督作も『アウト・オブ・ブルー』(1980)、ショーン・ペン主演の『カラーズ 天使の消えた街』(1988)などを手掛け、80年代以降、俳優、監督として徐々にキャリア復活の兆しが見え始める。
本作では、その経緯を、実の弟デヴィッドから、『アメリカの友人』(1977)で彼を起用したヴィム・ヴェンダース、『ブルーベルベット』(1986)で俳優デニス・ホッパーの再評価を決定づけたデヴィッド・リンチ、交流の深かった俳優マイケル・マドセン、『ラストムービー』で共演したジュリー・アダムス、画家で映画監督でもあるジュリアン・シュナーベルや建築家のフランク・ゲーリーら多くの友人知人が出演し証言する。また、アンディ・ウォーホルをも魅了した名写真家であり、無類の美術愛好家であった姿も映し出し、映画監督、俳優、写真家、アートコレクターとしてのデニス・ホッパーが旅した道のりと、映画史において彼の果たした役割を辿っていく。
『デニス・ホッパー/狂気の旅路』
12月20日(金)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
監督:ニック・エベリング
出演:デニス・ホッパー サティヤ・デ・ラ・マニトウ デヴィッド・ホッパー ステラ・ガルシア ジュリー・アダムス フランク・ゲーリー ヴィム・ヴェンダース デヴィッド・リンチ エド・ルシェ ジュリアン・シュナーベル
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