「大人計画」主宰である松尾スズキが監督・脚本・主演を務める映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』(読み:いちまるはち)が、10月25日より公開される。このほど、10月17日に東京・神楽座にて公開直前イベントが行われ、松尾スズキが登壇した。
108人の女性を抱くという目標を抱く男を描く本作の監督と主人公の両方を務めたために、本作の撮影中は常にガウンを着ていた松尾スズキ。本編を鑑賞し爆笑した108人の女性客を前に、まるで劇中のようにガウン姿で登場すると、集まった108人の女性たちから爆笑と歓声が起こりイベントはスタートした。
長編映画4作目にして、今回初めて監督・脚本・主演の全てを務めた松尾。常軌を逸したコメディを撮ろうと思ったきっかけについて、「1本くらいは主演作を残しておきたいと思いました。再婚をきっかけに、自分の肉体の限界を考えた時、身体能力のあるうちに主演作を撮りたいと思いました。老いて見えてしまう前に残しておきたかったんです」と語った。
上映中、ひっきりなしに爆笑が起きていた本作だが、松尾は特に「(海馬五郎の)お父さんが死ぬ病院のシーンは面白い!」と話す。「LiLiCoさん、栗原さん、秋山さんが次々に笑いを起こして、最後に坂井さんが大きく落とすんですよね。観ている人の笑いをかっさらっていくんです。面白いですよ!このシーンでこの映画のポテンシャルが決まったも同然でした」と自信たっぷりに面白さをアピールした。また、本作で話題となっている「女の海」のシーンでは、「ローションでヌルヌルの中、モニターをチェックしにいくのが大変でした。そして次の瞬間にはローションの海に戻っていくんです(笑)」と撮影秘話を話すと会場からは笑い声が。「岩井(秀人)さんの前貼りが気づいたら何故か僕の手の中にありました」とおもしろエピソードを披露すると会場は大爆笑。そんなバカバカしいことを大真面目にやっていた現場であったが、完全に松尾のオリジナルである本作の出来に関して、「この作品が一つの基準となりました。ここからがまた新たなスタートです」と本作にかける自信を語った。
本作は、田中圭から「とにかく台詞が面白い。爆笑していたらあっという間に映画が終わってしまいました」、佐藤二朗から「断言する。松尾スズキは、人類史上、稀にみる、いや稀にさえみない、孤高の、唯一無二のバケモノだ」、大久保佳代子から「海馬五郎も周りの人間も馬鹿馬鹿しいのにちょい切なくて。カムサハムニダ、一番笑った」など、映画を既に観た著名人からも爆笑のコメントが寄せられている。松尾は評判の良さに恥ずかしそうに感激していた。
またこの日は、試写会に来場した108人の女性から恋愛や人生のお悩みの相談を松尾に投げかけ、それに回答するというコーナーも。「孤独に対してどう付き合っているのか?」という相談に対して、「みんな孤独、映画や演劇のような文化も孤独を埋めるもの。自分と向き合うのはみんな嫌だが、そんな自分と向き合うのが孤独というものなんです。そのバランスをとっていくのが大事」と名言を残した。
最後に、「108にちなみ、108人に一人一人が本作のことを伝えてください。伝えないと…呪われます(笑)。よろしくお願いします!」と冗談交じりにメッセージを送った。
『108~海馬五郎の復讐と冒険~』
10月25日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本・出演:松尾スズキ
主題歌:星野源「夜のボート」
出演:中山美穂 大東駿介 土居志央梨 栗原類 LiLiCo 福本清三 乾直樹 宍戸美和公 堀田真由 村杉蝉之介 オクイシュージ 岩井秀人 酒井若菜 坂井真紀 秋山菜津子
配給:ファントム・フィルム
【ストーリー】 ある日、脚本家・海馬五郎(松尾スズキ)は、愛する妻・綾子(中山美穂)がSNSに若いコンテンポラリーダンサーへの恋心を綴っているのを知ってしまう。しかもその投稿についた“いいね!”はなんと108。あまりのショックに離婚を考えるが、いま離婚した場合は財産分与で資産2000万円のうち半分の1000万円を綾子に支払わなければならないことを知り大激怒。納得がいかない海馬は、意地でも資産を使い果たすことを決意。ついには投稿についた“いいね!”の数だけ女を抱いて復讐するというとんでもない計画を思いつく。タイムリミットはたった1か月。人智の及ぶあらゆる手を使って財産を減らしていくが、108人への道のりは果てしなく長い。追い込まれた海馬は、やがて想像をはるかに超える“ある方法”で目標をクリアしようとするのだが…。
(C)2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会