綾野剛「これだけ日本の作品を歓迎していただけて、心から感謝の気持ち」

『悪人』、『怒り』など多数の著書が映像化されるベストセラー作家・吉田修一による傑作短編集「犯罪小説集」を、主演に綾野剛、共演に杉咲花、佐藤浩市を迎えて『64-ロクヨン-』の瀬々敬久監督が映画化した『楽園』が10月18日より公開される。このほど、本作が10月3日に開幕した第24回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門に正式出品されたことを受け、本映画祭のオープニングレッドカーペットイベントに綾野剛、杉咲花、瀬々敬久監督が登壇した。

今回初めて釜山国際映画祭のレッドカーペットを歩く綾野は、「非常に興奮しています。初めての釜山ということもあるんですけど、映画は国境や国などを越える力を持っていると思います。その中で日本の映画を世界に届けられるということは心から素晴らしいことだと思います」と2016年のモントリオール国際映画祭以来となる国際映画祭の舞台に立つ喜びを述べ、釜山国際映画祭には2度目の参加となる杉咲は、「昨年に来たときも感じましたが、会場の熱気がすごく、映画を愛している方が沢山いらっしゃって、本当に素敵な映画祭だなと感じていたので、またこうして来ることができて光栄です」と同じく喜びを語った。

また、本作が国際的な場で一般の方へは初披露となることについて、綾野は「この作品は非常に慈愛と希望に満ちていますが、本当に苦しい貧困についても描いています。その中で皆さんに何を感じていただけるのかを釜山国際映画祭を通して多くの方に託したいと思います」と本作への期待を語り、杉咲は「観て下さったお客様がこの映画をどのように感じるのかが気になりますね。とにかくみなさんの感想が楽しみです」とコメントした。

会場に3人が姿を現すと大きな拍手と歓声が巻き起こり、レッドカーペットを歩く3人を捉えるために多くのフラッシュがたかれ、本作の期待値の高さがうかがえた。レッドカーペットを歩き終え、杉咲は「すごく空気感が優しくて、歓迎してくれているのを感じることが出来て嬉しかったです」、瀬々監督は「私にとってのスター、イ・ジャンホ監督、ぺ・チャンホ監督と一緒に歩くことが出来て感動しました」、綾野は「これだけ日本の作品を歓迎していただけて、心から感謝の気持ちですし、今回釜山国際映画祭に参加できて本当に良かったです」と感謝を述べた。

本作は、第24回釜山国際映画祭において、2017年にカンヌで急逝したキム・ジソク釜山国際映画祭副執行委員長を偲び新たに設けられた「キム・ジソク賞」にノミネートされた。10月4日に行われる本作の公式上映後には、瀬々監督がQ&Aに参加する予定だ。

『楽園』
10月18日(金)全国公開
監督・脚本:瀬々敬久
原作:吉田修一「犯罪小説集」
主題歌:上白石萌音「一縷」 作詞・作曲・プロデュース:野田洋次郎
出演:綾野剛 杉咲花 村上虹郎 片岡礼子 黒沢あすか 石橋静河 根岸季衣 柄本明 佐藤浩市
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 あるY字路で起こった少女失踪事件。未解決のまま、家族や周辺住民に深い影を落とし、直前まで一緒にいた少女の親友・紡(杉咲花)は罪悪感を抱えたまま成長する。12年後、またそこで少女が姿を消し、町営住宅で暮らす青年・中村豪士(綾野剛)が容疑者として疑われた。互いの不遇に共感しあっていた豪士を犯人とは信じ難い紡だったが、住民の疑念が一気に暴発し、追い詰められた豪士は街へと逃れ、思いもよらぬ自体に発展する。その惨事を目撃していた田中善次郎(佐藤浩市)は、Y字路に続く集落で、亡き妻を想いながら、愛犬・レオと暮らしていた。しかし、養蜂での村おこしの計画がこじれ、村人から拒絶され孤立を深めていく。次第に正気は失われ、想像もつかなかった事件が巻き起こる。Y字路から起こった二つの事件、そして3人の運命の結末は…?

© 2019「楽園」製作委員会