東日本大震災の痛みを抱える家族の再生物語『ミゾロギミツキを探して』11月に1週間限定公開

『あかぼし』『スプリング、ハズ、カム』の吉野竜平監督最新作『ミゾロギミツキを探して』が、11月2日より1週間限定で公開されることが決定し、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、震災の痛みを抱え続けてきた家族の再生物語。2018年4月2日。溝呂木(ミゾロギ)家の父と母、そして次女・風花の3人は、東日本大震災の津波にのみ込まれ、いまだに見つからない長女・ミツキの手がかりを見つけるため、石巻から上京する。オリンピックに向けて工事が進む東京をさまよい歩き、さまざまな思いを胸に日常を生きる人々と出会い、ミツキの記憶を思い起こしながら特別な一日を過ごしていく。

吉野竜平監督は、デビュー作『あかぼし』で新興宗教にのめり込む母親と息子の物語を、2作目『スプリング、ハズ、カム』では東京で一人暮らしを始める娘と父親との一日を描いた。そして3作目となる本作では、ずっと痛みを抱え続けてきた家族が一歩踏み出そうとする姿を通して、震災後の石巻とオリンピックの準備が進む東京の“今”を見事に浮かび上がらせる。

出演したのは、2018年春に開催された映画学校・ニューシネマワークショップ(NCW)のアクターズワークショップ「吉野竜平監督・映画出演クラス」に集まった15人の俳優たち。津波で姉を亡くした次女の風花役には、新人の河合瑠果が挑んだ。演技経験も様々な俳優たちと吉野監督ががっぷり四つに組み、静かだが力強さを持ったユニークな社会派作品を誕生させた。

ポスタービジュアルには、津波の被害を受けてさら地となった地元の街と、オリンピックの工事が進む東京の風景が重なり合い、様々な思いが込み上げた主人公・溝呂木風花(河合瑠果)が、工事の音に耳をすますシーンが切り取られている。風花が抱える様々な思いを想像させるとても印象的な場面である。

予告編は、長女ミツキの行方の手がかりを求めて上京した溝呂木家がさまよい歩く、東京と石巻の風景のコントラストが印象的だ。

『ミゾロギミツキを探して』
11月2日(土)より新宿K’s cinemaにて公開
監督・脚本:吉野竜平
出演:河合瑠果 松木大輔 村田美輪子 駒澤晴信 守屋惠美 しゅはまはるみ 水原睦 川島信義 横江泰宣 鶴田翔 結城和子 香條眞穂 山岸佑哉 岬ミレホ 萌夏
配給:ニューシネマワークショップ

【ストーリー】 2018年4月2日。溝呂木(ミゾロギ)家の父と母、そして次女・風花(河合瑠果)の3人は、東日本大震災の津波にのみ込まれ、いまだに見つからない長女・ミツキの手がかりを見つけるため、石巻から上京する。父と母はTwitterで知り合った男の紹介で女性霊媒師の所に、風花はミツキの元カレに会いに行く。オリンピックに向けて工事が進む東京をさまよい歩き、そこで出会う、さまざまな思いを胸に日常を生きる人々。そして、ミツキの記憶を思い起こしながら特別な一日を過ごす3人の家族。彼らの心の行き着く先は…?

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