高良健吾「観たい映画の要素がすべて詰まっている」、行定勲「多文化が共生するマレーシアのボーイミーツガール」著名人絶賛!『細い目』

2004年マレーシア・アカデミー賞でグランプリ、監督賞、脚本賞、新人男優&女優賞など6部門を独占、第18回東京国際映画祭では最優秀アジア映画賞を受賞した、マレーシアの伝説的監督ヤスミン・アフマドの長編第2作『細い目』が、10月11日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

本作は、2009年7月25日に、わずか51歳の若さで亡くなったマレーシアのヤスミン・アフマド監督が、デビュー長編のテレビ映画『ラブン』(2003)に続き、初めて手がけた劇場用長編映画。香港の映画スターが大好きなマレー系少女オーキッドは、露店で海賊版の香港映画のVCDを売る中華系の少年ジェイソンと出会い恋に落ちる。二人は民族や宗教の違いを越えて惹かれ合うが、やがてジェイソンの秘密が明らかになる。

▼著名人 絶賛コメント

■広瀬奈々子(映画監督)
あらゆる違いを越え、私たちは隣人の愛し方をこの映画から学ばないといけない。そんな言葉すらヤスミン監督には詭弁だろう。恋をバカにしていた自分が一瞬で恥ずかしくなった。

■大九明子(映画監督)
ヤスミン・アフマド監督の、かわいいもの好き具合とか、ちょっとした瞬間を面白がりたがる癖や、突如容赦無く突きつける残酷さとか、全て。愛してます。

■坂口涼太郎(俳優・パフォーマー)
立ち上がれなくなるほどの恋を観た。特別な出会いはあらゆる境界線を消してゆく。この映画との出会いも、人との出会いの延長なのだと気づかされ、人生が愛おしくなった。

■尚玄(俳優)
それは必然、決意なんて入る隙もなく理屈でもなく、あらゆる障壁を飛び越える。そうだ、映画に恋した時もこの感覚だった。ヤスミンの純真な眼差しは映画に魅了された我々すべての恋を成就させてくれる。

■吉澤嘉代子(シンガーソングライター)
民族間に根差した大きな問題を取り扱いながらも、恋するかわいい二人と、優しく見守る周囲の姿が、私に様々な角度の目線を教えてくれる。

■平田敦子(女優)
こんな風に人を想った事があるか、こんな風に人に優しくしてきたか、ここまで人と見つめ合ってきたか、溢れる後悔といっぱいの優しさと可愛さに胸がギューっとなる。

■高良健吾(俳優)
最高。細い目を、観ながら何度そう思ったか。ヤスミンの映画には多くの問題が詰まっている、なのに映画は渋滞せず今は亡きヤスミンが残した映画が語ることに僕は涙が止まらない。忘れてはいけないなにか、気づかなければならないなにか。が溢れています。僕が観たい映画の要素がすべて詰まっています。

■行定勲(映画監督)
ヤスミン・アフマドの『細い目』は忘れられない映画だ。多文化が共生するマレーシアという国のボーイミーツガール。しかし、民族間にある軋轢が少年と少女の初恋を阻む。はじめて東京国際映画祭で目にしたときの衝撃を今でも覚えている。

■今泉力哉(映画監督)
ヤスミン・アフマドの映画は、若者の恋や日常が、またその家族が物語の中心にある。若者を中心に恋愛を描くこと。それは自分がずっとしてきたことだ。でもヤスミン・アフマドの映画はそれをしながらも、世界や社会を描くことに成功している。

■松居大悟(映画監督・ゴジゲン主宰)
何も話さずに、見つめている。目は透き通っていて一点の曇りもない。見つめる対象がいる時もあれば、いない時もあって、かと言ってカメラを切り返して対象を見せることは少なく、見つめているその人そのものをじっと見せる。伝わってくるのは、言葉を発さなくても、誰かを思う気持ち、愛しいということ、言葉にできない感情。いつまでもこの世界の中にいたい。僕が、ヤスミン・アフマドの作品で好きなところだ。

『細い目』
10月11日(金)よりアップリンク吉祥寺、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督:ヤスミン・アフマド
出演:シャリファ・アマニ ン・チューシオン
配給:ムヴィオラ

【ストーリー】 香港の映画スター(金城武)が大好きなマレー系少女オーキッド(シャリファ・アマニ)は、露店で海賊版の香港映画のVCDを売る中華系の少年ジェイソン(ン・チューシオン)と出会い恋に落ちる。民族や宗教の違いを越えて、二人は惹かれ合う。しかし、ジェイソンの秘密が明らかになり…。