綾野剛、“まあまあ気を使う”笑福亭鶴瓶の世話を焼き「おばちゃんみたいな性格」

山本周五郎賞を受賞した帚木蓬生(ははきぎほうせい)による累計85万部超のベストセラー小説を、主演に笑福亭鶴瓶、共演に綾野剛、小松菜奈を迎え、平山秀幸監督が映画化する『閉鎖病棟―それぞれの朝―』が、11月1日より公開される。このほど、9月26日に丸の内TOEI1にて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストの笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈、主題歌を担当したK、そして平山秀幸監督が登壇した。

原作は、精神科医を務めながら、映画化もされた「三たびの海峡」、吉川英治文学賞・中山義秀文学賞ダブル受賞の「守教」など珠玉の人間ドラマを生み出してきた帚木蓬生による、1995年に発売された「閉鎖病棟」。長野県のとある精神科病院。死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸、幻聴が聴こえ暴れ出すようになった元サラリーマンのチュウさん、不登校が原因で通院してくる女子高生・由紀らは、家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。だが、そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こる。

死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し今は精神科病棟にいる主人公・梶木秀丸役の鶴瓶。平山監督から開口一番、「痩せてくれ」と言われたそうで、「7キロ痩せて撮影に入った。今、考えるとやって良かったと思いますし、このメンバーでやりきったのが本当に嬉しい」と撮影を振り返った。

幻聴に苦しむ元サラリーマンで、秀丸と心を通わせる患者・チュウさんこと塚本中弥役を演じた綾野は、鶴瓶との共演について「お付き合いも長くさせてもらっていて、バラエティ番組でも、プライベートでも良くしていただいているので、改めてどうなるかという楽しみと、不安もあったんですけど、全く関係なかった」とコメント。続けて「鶴瓶さんだからできたことがたくさんあった。鶴瓶さんもそうでしょ?」と、突然振られた鶴瓶は「ちょっと待て(笑)。今、言おう思ってたん(笑)」と苦笑いしつつも、「いろいろ教えられましたよ。臨む姿勢がぜんぜん違う。性格も細かいんですよ。おばちゃんみたいな性格。『これ食べて』とかね、お母ちゃんと一緒にいてるみたい」と綾野を評価した。これに対して綾野は「鶴瓶さんの前だと、みんな、まあまあ気を使うから、(料理に)手を付けられなくなるから、僕がやればみんな一緒に食べられるじゃないですか。そういうアフターフォローですやん」と述べて会場を笑わせた。

父親からDVを受け精神科病院に入院する女子高生・島崎由紀役の小松。鶴瓶との共演については「はじめましてだったんですけど、はじめましての感覚がなくて、親戚なんじゃないかというか。お久しぶりですみたいな感じ。チャーミングですし、本当に場を明るくする」と絶賛し、鶴瓶を喜ばせた。

「よう差し入れした」という鶴瓶は、「うどん屋さん持ってきたもん」と、六本木のうどん屋の名店を店ごと差し入れしたことを告白。綾野は「あんなの初めて見ましたよ!」と驚いた表情を浮かべた。

イベントの最後には主題歌を務めるKも駆けつけ、主題歌「光るソラ蒼く」を生披露し、透き通った歌声でキャスト陣と会場の観客を魅了していた。

『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
11月1日(金) 全国ロードショー
監督・脚本:平山秀幸
原作:帚木蓬生「閉鎖病棟」(新潮文庫刊)
出演:笑福亭鶴瓶 綾野剛 小松菜奈 坂東龍汰 平岩紙 綾田俊樹 森下能幸 水澤紳吾 駒木根隆介 大窪人衛 北村早樹子 大方斐紗子 村木仁 片岡礼子 山中崇 根岸季衣 ベンガル 高橋和也 木野花 渋川清彦 小林聡美
配給:東映

【ストーリー】 長野県のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん(綾野剛)。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀(小松菜奈)。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とは…。

©2019「閉鎖病棟」製作委員会