2018年カンヌ国際映画祭ある視点部門にアフリカ・ケニア作品として初めて出品され話題を呼んだ「Rafiki」(原題)が、邦題『ラフィキ:ふたりの夢』として、11月より公開されることが決定し、ポスタービジュアルがお披露目となった。
看護師になるのが目標のケナは、古いしきたりにとらわれた周囲の人たちに満たされない想いを抱えていた。両親は離婚し、ナイロビで母と暮らしていたが、国会議員に立候補した父のことは応援している。そんな時、父の対立候補の娘で自由奔放なジキと出会う。互いに強く惹かれた二人は、「私たちは本物になろう」と誓い合う。だが、友情が愛情へと変わり始めた時、二人はこの恋は命がけだと知る。
本作は、カンヌをはじめ100以上もの映画祭に出品され、世界から熱く支持されている話題作。しかし、いまだ同性愛が違法とされるケニアでは上映禁止となり、のちに1週間だけ限定公開された時は、「長蛇の列」というニュースがSNSを飛び交った。タイトルでもある「ラフィキ」とは、スワヒリ語で「友達」という意味をあらわす。社会の偏見やなにより法律という現実が、「友情」から淡い「恋心」に変わった少女たちに厳しい選択を迫る…本当の自分か、家族や社会が望む自分か。音楽、ダンス、ファッション、アートなどポップでカラフルなアフリカンカルチャーにのせて、人生を豊かにする人と人の絆が描かれる。
監督は、デビュー作でアフリカのアカデミー賞を獲得、今最も輝く才能と絶賛されるワヌリ・カヒウ。豊かで柔らかな感性で、少女たちの初恋物語とケニア社会が抱える葛藤を鮮やかに描き出す。古いしきたりに複雑な気持ちを抱えながら育ち、ジキとの出会いにより新しい世界へ羽ばたこうとするケナを演じたのは、本作が女優デビューとなるサマンサ・ムガシア。ミュージシャンとして2014年からナイロビのアンダーグラウンド電子音楽シーンで活動を始め、東アフリカの有名フェスティバルにドラマーとして出演。さらに、ヴィジュアルアーティスト、モデル、DJといった顔も持ち、アフリカンカルチャーシーンにおいて今最も注目を集める人物だ。また、虹色の髪にカラフルなファッションとメイクの自由奔放なジキを演じたシェイラ・ムニヴァは監督にも進出しており、まさに多才な女優たちが競演した。
本作は2012年に脚本に着手してから6年にわたり製作が行われた。撮影はナイロビの団地や市街地で行われ、外国人の部門チーフ4名を除き、スタッフ全員がナイロビを拠点とするケニア人。監督、脚本家、部門チーフ、スタッフ、インターン、サウンドトラックのアーティストの多くが女性であり、クリエイティブ業界で働く若いケニア人女性たちの才能が集結した作品でもある。
ポスタービジュアルは、蛍光カラーが印象的で、アフリカのしきたりに抵抗する二人の少女の“今”を象徴するかのようなポップな仕上がりとなっている。「人を好きになるのに、ボーダーは無い」というコピーは、国境や性別、世代を超えて、今を生きる人々の胸に迫る。
『ラフィキ:ふたりの夢』
11月 シアターイメージフォーラムほか全国順次公開
監督:ワヌリ・カヒウ
出演:サマンサ・ムガシア シェイラ・ムニヴァ ジミ・ガツ ニニ・ワシェラ
配給:サンリス
【ストーリー】 看護師になるのが目標のケナ(サマンサ・ムガシア)は、古いしきたりにとらわれた周囲の人たちに満たされない想いを抱えていた。両親は離婚し、ナイロビで母と暮らしていたが、国会議員に立候補した父のことは応援している。そんな時、父の対立候補の娘で自由奔放なジキ(シェイラ・ムニヴァ)と出会う。互いに強く惹かれた二人は、「私たちは本物になろう」と誓い合う。だが、友情が愛情へと変わり始めた時、二人はこの恋は命がけだと知る。
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