「シティーハンター」を手掛けた漫画家・北条司が実写映画の総監督を初めて務め、松下奈緒、ディーン・フジオカらが出演する『エンジェルサイン』の公開日が11月15日に決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となり、新たに緒形直人、菊池桃子、佐藤二朗らの出演が発表された。
本作は、「週刊少年ジャンプ」5代目編集長である堀江信彦が開催している漫画オーディション「サイレントマンガオーディション」の作品6888編の中から選び抜かれたアジア・ヨーロッパの受賞作品を実写化し、北条司が描き下ろしたオリジナルの「プロローグ」、「エピローグ」を加えて構成された長編オムニバス映画。各作品をつなぐ重要な役割を果たす「プロローグ」と「エピローグ」は、総監督を務める北条自らが初めてメガホンをとり、主演を松下奈緒とディーン・フジオカが務める。全編を通してセリフを用いず、映像と音楽のみでストーリーが展開する。
「プロローグ」と「エピローグ」に加え、本作は「サイレントマンガオーディション」の受賞作品である5つの物語から構成される。アジア各国の才能溢れる監督たちがメガホンをとり、奇跡の訪れを告げるブルーバタフライと音楽が鍵を握る6つの物語を通して、総監督を務める北条がひとつの“愛のものがたり”を描き出す。
「別れと始まり」では愛する妻を亡くし、生きる希望を失った鉄道運転士と愛犬との物語、「空へ」では病気で飼い犬を亡くしたことが理解できない幼い少女に起きる奇跡の物語、「30分30秒」では出産を目前にして命を落としかける妊婦とその前に現れた死神との物語、「父の贈り物」では幼くして母を亡くした娘に父親が贈ったロボットが父亡き後に起こした奇跡の物語、「故郷へ」では必ず戻って来ると約束して戦地に赴いた父と残された娘による奇跡の物語がそれぞれ描かれる。
「別れと始まり」には、夫婦役として緒形直人と菊池桃子が出演。「父の贈り物」では佐藤二朗が父親役を好演している。
ポスタービジュアルには、「プロローグ」と「エピローグ」に出演する松下奈緒とディーン・フジオカの二人を中心に、ほか5作品のメインとなる登場人物たちが描かれている。
■緒形直人(「別れと始まり」夫役) コメント
セリフがない作品ということで演技に悩みましたが、セリフがない分、心の動きを表現できる喜びがあって、逆に想像力を働かせながら観ていただけるんじゃないかと思います。またサイレントなので、楽しみでもありチャレンジでもありますが、監督にしがみつきながら演じています。
■菊池桃子(「別れと始まり」妻役) コメント
サイレントムービーのため、手探りでわからないことも多かったですが、監督が頭の中に描いているイメージを信じて、楽しみながら演じました。言葉を使わないことで、より心に焦点があたるという感覚は、不思議で素敵なものでした。この新しい挑戦に参加できたことは幸せなことです。
■佐藤二朗(「父の贈り物」父親役) コメント
世界中から寄せられたサイレントマンガを実写化し、色々な国の俳優がそれぞれの役を演じています。セリフがないからこそ世界中の人に理解してもらえるという試みがとても面白くて、参加させていただきました。実際に演じてみて、普段、言葉に依存しているということに改めて気付かされました。共演した娘役のニーンちゃんは偶然にも息子と同じ7歳ということもあり、愛おしくて仕方ないです。(笑)
「別れと始まり」
監督:落合賢
原作:ヴィンセント・ランゲ「Beginning and Farewell」(ドイツ)
制作国:日本(熊本県)
出演:緒形直人 菊池桃子
【ストーリー】 幼き頃からずっと一緒だった夫婦に訪れた突然の別れ。愛する妻を失い生きる希望を失った鉄道の運転士である夫を元気づけようと長年連れ添ってきた飼い犬が奮闘するのだが…。
「空へ」
監督:ノンスィー・ニミブット
原作:プレマ・ジャー「SKY SKY」(タイ)
制作国:タイ
出演:プレオパン・パンイム ピポッブ・カモンケットソーポン ブンイン・インルアン
【ストーリー】 病気で飼い犬を失ったことを理解できない幼い少女。愛犬を探し続ける少女に父親は雲の上で楽しく過ごしていると伝える。飼い犬への思いを絵手紙に描いて凧に結んで空に飛ばした。いつまでたっても返信がなく悲しみに暮れる少女の前に蝶が羽ばたく…。
「30分30秒」
監督:ハム・トラン
原作:スニッピーMJ「Thirty and A Half Minutes」(ベトナム)
制作国:ベトナム
出演:ゴー・クアン・トゥアン スアン・ヴァン
【ストーリー】 出産を目前に命を落としかけた妊婦の前に死神が現れる。死神が命を奪う直前にタカヤの曲が流れ、奇跡の蝶が出現する。与えられた時間はわずか30分と30秒。彼女は無事に赤ちゃんを産むことが出来るのか…。
「父の贈り物」
監督:旭正嗣
原作:イチロウ「Father’s Gift」(ブラジル)
制作国:タイ、日本
出演:佐藤二朗 坂井彩香 ニーンナラ・ブンビティパイシット メカトロウィーゴ
【ストーリー】 幼くして母を亡くし、二人で暮らす父と娘。母のいない少女に父親が贈ったギフトは母親代わりとも言えるロボットだった。少女はやがて父をも亡くし、生きる希望を失っていた。そんな彼女に蝶が舞い降りた。「彼女に笑顔を取り戻させたい」人間の感情を宿したロボットが選んだ行動とは?
「故郷へ」
監督:カミラ・アンディニ
原作:ヴ・ディン・ラン「Back Home」(ベトナム)
制作国:インドネシア
出演:トゥク・リフヌ・ウィカナ アビゲイル 吉田美佳子
【ストーリー】 必ず戻って来ると約束して娘を残し戦地に赴いた父。戦争が終わり、娘の元へと帰って来た父親であったが、戻ってきたのは彼の魂だけだった。娘と二度と会えぬ現実に気が付く父親の前に蝶が羽ばたいた時、会えるはずのない親子に奇蹟が訪れる。
『エンジェルサイン』
11月15日(金)よりユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて公開
総監督:北条司
監督:北条司 落合賢 ノンスィー・ニミブット ハム・トラン 旭正嗣 カミラ・アンディニ
企画:堀江信彦
出演:松下奈緒 ディーン・フジオカ 緒形直人 菊池桃子 佐藤二朗 プレオパン・パンイム ピポッブ・カモンケットソーポン ブンイン・インルアン ゴー・クアン・トゥアン スアン・ヴァン 坂井彩香 ニーンナラ・ブンビティパイシット メカトロウィーゴ トゥク・リフヌ・ウィカナ アビゲイル 吉田美佳子
配給:ノース・スターズ・ピクチャーズ
【ストーリー】 チェリストのアイカ(松下奈緒)とピアニストのタカヤ(ディーン・フジオカ)。音楽家で恋人同士の二人は、「いつか二人の音楽で、世界中の人々を感動させたい…」と、夢を追いかけていた。アルバイトをしながら曲作りに没頭するタカヤと、彼を見守るアイカ。しかし、「エンジェルサイン」というチェロとピアノの二重奏曲を作り上げた直後、タカヤは帰らぬ人となってしまう。アイカが、チェロのみで演奏する「エンジェルサイン」。やがて、その曲は世界に広まっていき…。
©「エンジェルサイン」製作委員会