誕生100周年記念 モダニズムの源流・バウハウスのドキュメンタリー作品6本を上映!「バウハウス100年映画祭」11月開催!

1919年、第1次大戦後のドイツで芸術と技術の新たな統合を目指し創設された学校“バウハウス”の誕生から100周年を記念し、バウハウスに関連したドキュメンタリー作品6本を上映する「バウハウス100年映画祭」が、11月23日より開催されることが決定した。

モダニズムのパイオニアとして、建築、インダストリアル・デザイン、グラフィック・アート、写真など広範な分野で世界に衝撃と感動をもたらしたバウハウス。創設者は、フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジエと並ぶ近代建築の巨匠、ヴァルター・グロピウス。そして三代目校長はもう一人の近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエが務めた。その学校はこれまでになかった独自の教育システムを作り上げ、様々な芸術分野に革新をもたらしたが、ナチスの迫害をうけ、わずか14年間の活動でその幕を閉じ、伝説となった。

グロピウスやミースをはじめ、信じがたいほど豪華な教師陣、パウル・クレー、ヴァシリー・カンディンスキー、ヨハネス・イッテン、ラースロー・モホイ=ナジ、ハンネス・マイヤーなどが集い、ヨゼフ・アルバース、マルセル・ブロイヤー、マックス・ビルなど名だたる才能を生み出したバウハウス。映画祭では、合計6作品のドキュメンタリーを4プログラム構成にて上映し、伝説的な創造者たちが理想に燃えて突き進んだ時代と生み出された奇跡、そしてバウハウスとは何なのかを紐解いていく。

▼上映作品ラインナップ

■『バウハウス 原形と神話』(1999・2009/原題:Bauhaus – Modell und Mythos)
監督:ニールス・ボルブリンカー ケルスティン・シュトゥッテルハイム
出演:ヴァルター・グロピウス ヴォルフ・ヒルデブラント ゲルトルート・アルント フーベルト・ホフマン ピウス・パール
【作品概要】 超一流の才能が集い、芸術全般に革命を起こしたバウハウス。その軌跡は神話となったが、そこには時代の波に翻弄された芸術家たちの喜びや苦闘があった。伝説的な教師達の薫陶を受けた当時の学生達の証言や、貴重な記録によって、バウハウスがたどった激動の道と知られざる物語が明かされる。

■『バウハウス・スピリット』(2018/原題:Vom Bauen der Zukunft – 100 Jahre Bauhaus)
監督:ニールス・ボルブリンカー トーマス・ティエルシュ
出演:トルステン・ブルーメ ローザン・ボッシュ アルフレード・ブリレンブール シュテファン・コヴァツ フーベルト・クルンプナー
【作品概要】 スウェーデンの教室も時間割もない学校、ヴェネチア・ヴィエンナーレ金獅子賞のアーバン・シンクタンクが取り組む南米スラム街の住環境改善、低価格でバウハウス家具を復刻する企画、バウハウスの理論を身体で表現する試みなど、豊かな発想と斬新な手法で注目される人々を追い、現代に生きるバウハウスの精神を映し出す。

■『バウハウスの女性たち』(2019/原題:Bauhausfrauen)
監督:ズザンネ・ラデルホーフ
出演:エリザベス・オットー テレジア・エンツェンスベルガー モニカ・シュタットラー パトリック・ロスラー アンヤ・バウムホーフ エレーナ・マカロワ
【作品概要】 当時最も先進的な芸術学校であったバウハウスは「年齢、性別に関係なく、誰もが学ぶ権利を持つ学校」と高らかに謳った。それは女性にも芸術の可能性を与える宣言となるはずだった。だが現実は簡単ではなかった。実は男性優位のバウハウスで、多大な成果を残したにも関わらず、影の存在となった女性たちの実像に迫る。

■『ミース・オン・シーン』(2018/原題:MIES ON SCENE)
監督:ペップ・マルティン シャビ・カンプレシオス
出演:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ フリッツ・ノイマイヤー エドゥアルド・メンドーサ バリー・バーグドール オリオル・ボイーガス
【ストーリー】 近代建築の三大巨匠の一人、ミース・ファン・デル・ローエ。彼の代表作でありモダニズム建築の最高峰と称される「バルセロナ・パビリオン」。この建物がなぜ今も語り継がれる傑作となったのか。その後バウハウス校長に就任するミースの建築思想とは。当時の記録と、現代の一流の建築家や学者などの証言で検証する。

■『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』(2011/原題:Fagus- Walter Gropius und die Fabrik der Moderne)
監督:ニールス・ボルブリンカー ケルスティン・シュトゥッテルハイム
出演:アンネ・マリー・イエギ エルンスト・グレーテン ヴァルター・シャーパー エピファニオ・ディ・ロレンツォ
【作品概要】 バウハウス開校の8年前、初期モダニズム建築の傑作「ファグス靴型工場」が建てられる。若き日のグロピウスは“労働者のための宮殿”を作りたいという工場主の夢を実現させるべく、新時代の工場を作り上げた。世界遺産に登録された今もなお、現役で稼働しているガラス張りの工場はなぜ生まれたのか。その歴史を追う。

■『マックス・ビル-絶対的な視点』(2008/原題:Max Bill – das absolute Augenmaß)
監督:エーリヒ・シュミット
出演:マックス・ビル アンゲラ・トーマス ゴットフリート・ホーネッガー イニャツィオ・シローネ ヤコブ・ビル エルンスト・シャイデッガー
【作品概要】 彫刻家、画家、建築家、デザイナーなど、幅広く活動したマックス・ビル。バウハウス最後の巨匠とも言われる彼は、バウハウスで学び、後にその理念を受け継ぐウルム造形大学の初代校長を務める一方、政治活動にも積極的に関与するなど、激動の人生を送った。彼が追求した芸術とは何か。その生涯と思考に触れる。

「バウハウス100年映画祭」
11月23日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次開催
配給:トレノバ