天才作家・太宰治による日本文学史上最高の傑作の誕生秘話を、主演に小栗旬を迎え、蜷川実花監督が映画化する『人間失格 太宰治と3人の女たち』が、9月13日より公開される。このほど、7月25日に丸の内ピカデリー1にてジャパンプレミアが開催され、キャストの小栗旬、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、蜷川実花監督が登壇した。

ベストセラー作品を連発した作家・太宰の遺作の誕生秘話を、太宰自身と彼を愛した3人の女性たちの目線から、事実をもとにしたフィクションとして、初めて映画化した本作。天才作家・太宰治は、身重の妻・美知子と二人の子どもがいながら、恋の噂が絶えず、さらには自殺未遂を繰り返すという破天荒な生活を送っている。弟子でもある作家志望の静子と、未亡人の富栄という二人の愛人に子どもが欲しいと言われる日々の中で、ついに自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが…。

天才作家、太宰治を演じた小栗は、本作のオファーを受けて「脚本を読んだら、大変そうだなと」思い、出演を躊躇したそうだが、「これをやらなかった役者としてどうなんだろう？と思うぐらい素晴らしい脚本」だったそうで、結果「参加できて良かったです」と正直な気持ちを明かした。太宰役を演じて「楽しい半分、しんどい半分」だったそうだが「沢尻さんとは、とても素敵なラブストーリーを、ふみちゃんとはドロドロ、（成田演じる）佐倉くんにはだいたい文句を言っている。みんなと、とても楽しい時間を過ごせた」と笑顔で撮影を振り返った。

作家志望で太宰の愛人、静子を演じた沢尻は「本当に楽しかった」そうだが、オファーを受けたときは「どんな難役が来るのかと」おびえていたことを告白。しかし「ぜんぜんそんな要素が一切なく。恋をして終始ハッピー！みたいな。辛いよりも恋してる方が勝っていたので」とにかく撮影を楽しめたという。

太宰の愛人で最後の女となる未亡人の富栄を演じた二階堂。自身の役について「ジメジメしていた」と述べ、「小栗さんが圧倒的で、現場に現われただけで空気が変わるような存在感」だったそうで、「そこに身を委ねながら、実花さんにご指導いただきながら現場を生きていた」と回想した。

『人間失格』の執筆を依頼する編集者・佐倉潤一役の成田は、自身の役について「太宰を大尊敬して、大軽蔑していた人」だと難役を説明したが、「小栗さんが目の前に立ったら、飛び込むだけなんで、ある種に気楽に演じることができた」と話した。

「死ぬほどの恋をするなら、どのキャラと恋がしたい？」という質問に、小栗は「本当に申し訳ないけど（二階堂演じる）富栄さんは、ちょっときつい…」と本音をポロリ。しばし考えて「やっぱり美知子さんですかね？」と宮沢りえが演じた身重の妻の名前をあげ、最後に「（映画を観ても）嫌いにならなでください（笑）」と冗談交じりに笑ってイベントを締めくくっていた。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』
9月13日（金） 全国ロードショー
監督：蜷川実花
脚本：早船歌江子
音楽：三宅純
主題歌：東京スカパラダイスオーケストラ「カナリア鳴く空 feat.チバユウスケ」（cutting edge／JUSTA RECORD）
出演：小栗旬　宮沢りえ　沢尻エリカ　二階堂ふみ　成田凌　千葉雄大　瀬戸康史　高良健吾　藤原竜也
配給：松竹　アスミック・エース

【ストーリー】　天才作家、太宰治（小栗旬）。身重の妻・美知子（宮沢りえ）と二人の子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子（沢尻エリカ）の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄（二階堂ふみ）にも救いを求めていく。二人の愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが…。

© 2019 『人間失格』製作委員会